事務・アシスタントの英文メール・翻訳をAIで処理する方法
この記事の要点
英文メールの読解・返信・翻訳をAIに任せると、英語に自信がなくても取引先に失礼のない文章を素早く用意できる。DeepLやChatGPTを使った実践手順を解説する。
結論
英文メールや翻訳作業にAIを活用すると、英語が得意でない事務担当者でも取引先に自然な英語で返信できるようになる。受信した英文メールを日本語で理解し、日本語で指示した内容を英文メールとして出力する——この往復をAIが担う。翻訳品質は専門の翻訳会社には劣る場面もあるが、日常のビジネス往来メールであれば十分実用的。
使うAIツール
DeepL
文章全体の翻訳精度が現状最も高いとされる翻訳ツール。日英・英日ともに自然な訳文が出やすく、PDFや Word ファイルをそのまま翻訳できる有料プランも使いやすい。
ChatGPT(GPT-4o)
翻訳に加えてトーン指定(丁寧に、カジュアルに、簡潔に)や文体の修正指示ができる。「メールの要旨を3行で教えて」「この表現は失礼ではないか」といった相談にも答えられる。
Claude(claude.ai)
長いメール文章の要約精度が高く、複数の質問が含まれた英文メールへの返信案を整理するのに向いている。
DeepL + ChatGPT の組み合わせ
DeepLで下訳を作り、ChatGPTでトーン調整・ニュアンス確認をするコンビネーションが多くの事務担当者に使われている。
手順1:受信した英文メールを読む
ステップ1:メール本文をAIに貼り付ける
受け取った英文メールをそのままChatGPTやClaudeに貼り付け、以下のプロンプトを使う。
以下の英文メールを日本語で要約してください。
・送信者の要求や確認事項を箇条書きで
・返信が必要な項目は「要返信:」とラベルを付けて
---
[メール本文をここに貼り付け]
---
ステップ2:返信が必要な項目を特定する
AIが「要返信:」として出した項目を確認し、どう答えるかを日本語で整理する。この時点でAIには頼らず、自分で判断する部分。
手順2:英文メールを返信する
ステップ1:返信内容を日本語でまとめる
返信したい内容を日本語で箇条書きにする。
- 打ち合わせは6月15日(月)午後2時に対応可能
- 参加者は自分と部長の2名
- 場所はZoomを希望
- 議事録は自分が作成する
ステップ2:AIに英文を生成させる
以下の内容を、丁寧なビジネスメールの英文に翻訳してください。
■ 返信先:Mr. John Smith(取引先の担当者)
■ 件名:Re: Meeting Schedule Confirmation
■ 返信内容(日本語):
- ご連絡ありがとうございます
- 6月15日(月)午後2時に打ち合わせが可能です
- 参加者は私と部長(田中)の2名です
- Zoom会議を希望します
- 議事録は私が作成しメールにてお送りします
- 何かご不明点があればお気軽にご連絡ください
条件:
- 丁寧で自然なビジネス英語
- 長くなりすぎず、簡潔に
- 件名と本文の両方を出力すること
ステップ3:出力を確認する
AIが出力した英文を読み、以下を確認する。
- 名前・日付・時刻に誤りがないか
- 要求していない情報が含まれていないか
- 全体のトーンが適切か
不自然に感じた部分は「この表現を〇〇に変えてください」と追加指示で修正できる。
手順3:英語の書類・資料を翻訳する
ステップ1:DeepLで下訳を作る
英語の書類(PDF、Wordファイルなど)はDeepLにアップロードして翻訳する。DeepL Pro では書式を保持したまま翻訳できる。
ステップ2:専門用語・固有名詞を確認する
AI翻訳は一般的な表現には強いが、業界特有の用語や商品名は誤訳が起きやすい。翻訳結果の専門用語を拾い出し、正式な表記を確認する。
ステップ3:ChatGPTで文体を調整する
以下の翻訳文を読みやすく整えてください。
・固い表現を自然な日本語に修正
・一文が長すぎる場合は区切る
・専門用語は()で原語を添える
[翻訳後テキストをここに貼り付け]
具体例1:海外サプライヤーへの発注確認メール
月に数回、海外サプライヤーへ発注確認メールを送る事務担当者が、毎回ChatGPTを使って英文を作成しているケースがある。
発注内容(品名・数量・希望納期)を日本語で箇条書きにし、「海外サプライヤーへの発注確認メールとして英文にしてください」と指示するだけで、品番・数量・日付が整理された英文が出力される。1通あたり10分以上かかっていた作業が2〜3分に短縮されたとのこと。
具体例2:英文の問い合わせへの対応
国内企業のウェブサイトに英語の問い合わせフォームがある場合、英語での返信が必要になることがある。英語が得意でない担当者が「まず日本語で言いたいことをまとめ、AIに英文化してもらい、DeepLで逆翻訳して意味を確認する」という方法を取るケースがある。
逆翻訳とは、AIが出力した英文をDeepLで日本語に戻してチェックすること。日本語で意図した内容と大きくずれていなければ、英文として問題ない可能性が高い。完璧な手法ではないが、英語に自信がない場合の確認方法として実践的。
うまくいかない場合
翻訳がぎこちなく、ネイティブらしくない
プロンプトに「ネイティブが書いたような自然な表現で」と追記する。または「この英文をより自然なビジネス英語に書き直してください」とAIに修正を依頼する。
専門用語や業界固有の表現が誤訳される
問題のある表現を特定し、「〇〇は□□と訳してください」と個別に修正指示を出す。また、よく使う専門用語の日英対訳リストを手元に作っておくと、プロンプトに参照情報として追加できる。
長いメールの要点がうまく要約されない
「このメールで相手が求めていることを3点以内で教えてください」のように、出力の量と形式を明確に指定する。「要約してください」より「3点以内で」のほうが精度が上がることが多い。
相手の英文メールのニュアンスがよくわからない
「このメールの送信者は怒っていますか、それとも通常のビジネストーンですか?」のように、AIにトーン分析を依頼することができる。英語のビジネスメールは言い回しによって温度感が大きく変わるため、「このフレーズはどういう意味ですか」と個別に聞くのも有効。
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よくある質問
英語が苦手でも、AIを使えば英文メール対応ができますか?
できます。受け取った英文メールをAIに貼り付けて「日本語で要約してください」と指示するだけで内容を把握できます。返信も日本語で内容を指示すれば英文を生成してくれます。
DeepLとChatGPTはどちらが英文メールに向いていますか?
文章全体の翻訳精度はDeepLが高い。ビジネスメールのニュアンス調整や「丁寧なトーンで」といった指定はChatGPTやClaudeが得意です。目的に応じて使い分けるか、両方試すと良いでしょう。
機密情報を含む英文メールをAIに貼り付けても大丈夫ですか?
会社のAI利用ポリシーを必ず確認してください。機密情報や個人情報を含む文章をAIサービスに送信することには情報漏洩リスクがあります。社内導入済みの安全なAI環境を使うのが理想です。
英文の請求書や契約書もAIで翻訳できますか?
できます。ただし法的・財務的な文書は翻訳の誤りが重大な問題につながることがあるため、AIの翻訳をベースに専門家(弁護士・会計士など)の確認を経ることを推奨します。