総務の文字起こしをAIで整形する方法
この記事の要点
総務担当者が会議・説明会の文字起こしテキストをAIで読める議事録に仕上げる手順を解説。プロンプト例と整形のコツを紹介。
結論
総務担当者が音声認識ツールで取得した荒削りの文字起こしテキストは、AIに整形指示を与えるだけで読める議事録に仕上がる。話し言葉の「えー」「あの」の除去、発言者ごとの段落分け、決定事項と宿題の抽出まで、一度のプロンプトで対応できる。手作業で1時間かかっていた整形作業が、AIを使えば10〜15分に短縮できるケースが多い。
使うAIツール
文字起こし整形には以下のツールが使いやすい。
| ツール | 特徴 | 費用 |
|---|---|---|
| Claude | 長文処理が得意。1回の入力上限が大きく、長い会議録もまとめて処理できる | 無料プランあり(上限あり) |
| ChatGPT | 使い慣れた人が多く、導入ハードルが低い | 無料プランあり |
| Gemini | Google Workspaceとの連携が強い | 無料プランあり |
社内情報を扱う以上、どのツールでも「入力した内容が学習に使われる設定になっていないか」を確認してから使う。多くのツールは設定でオフにできる。
整形の手順
ステップ1:文字起こしテキストを用意する
まず音声認識ツール(Google 音声入力、Whisper、Notta、CLOVA Note など)で音声をテキスト化する。この段階では「えーっと」「あー」「そうですね」などの言いよどみが残っていて構わない。
ステップ2:会議の基本情報をまとめる
AIへの指示文(プロンプト)に以下を含めると整形精度が上がる。
- 会議の目的(例:備品購入の承認、社内規程の改定検討)
- 参加者の役割(例:Aさん=総務部長、Bさん=経理担当)
- 専門用語・固有名詞(例:プロジェクト名、社内システム名)
ステップ3:AIで整形する
以下のプロンプトをそのままコピーして使える。【】の中を実際の内容に差し替える。
以下は【会議名】の文字起こしテキストです。
参加者:【Aさん=総務部長、Bさん=経理担当、Cさん=施設管理担当】
次の形式に整形してください。
1. 言いよどみ(えー、あー、そうですね、など)を削除する
2. 発言者ごとに段落を分ける(発言者名:発言内容 の形式)
3. 文末を書き言葉に修正する(「〜だと思います」→「〜と考えられる」など)
4. 整形後の末尾に「決定事項」「宿題・確認事項」の2項目を箇条書きでまとめる
文字起こしテキスト:
【ここに文字起こしテキストを貼り付ける】
ステップ4:整形結果を確認・修正する
AIが出力したテキストを必ず読み直す。チェックポイントは次の通り。
- 数字(金額・日程・数量)が原文と一致しているか
- 人名・部署名・プロジェクト名の誤変換がないか
- 発言者の割り当てが入れ替わっていないか
- 宿題・確認事項の担当者が正しいか
数字と固有名詞は誤変換が起きやすい。この2点だけでも音声と突き合わせて確認するのが基本だ。
総務でよくある整形パターン
パターン1:全社説明会の質疑応答記録
全社説明会の質疑応答は、司会・登壇者・参加者の3者が入り交じって文字起こしが複雑になりやすい。整形の際は「登壇者の回答のみ抽出して箇条書きにする」という指示を加えると、後から確認しやすい資料になる。
例えば、オフィス移転説明会で「駐車場はどうなりますか」という質問が複数出た場合、回答部分だけをまとめた一覧表を作ると、後日社員から問い合わせが来たときに即答できる。
以下の文字起こしから、登壇者(総務部長)の発言のみを抽出し、質問への回答として箇条書きにまとめてください。各項目の冒頭に「Q:質問内容の要約」を付けてください。
文字起こしテキスト:
【ここに貼り付ける】
パターン2:設備管理の業者打ち合わせ記録
外部業者との打ち合わせでは、工事日程・金額・保証条件などの数字が頻出する。文字起こしの整形に加えて、「数字・金額・日程・担当者名を表形式で抽出する」という指示を組み合わせると、確認作業が効率化できる。
エアコン更新工事の打ち合わせ後、「工事日程・エリア・費用・保証期間・担当者」を表にまとめるプロンプト例は以下の通り。
以下の文字起こしから、工事に関する情報を抽出し、次の表を埋めてください。
不明な項目は「要確認」と記入してください。
| 項目 | 内容 |
|------|------|
| 工事対象エリア | |
| 工事予定日 | |
| 費用(税込) | |
| 保証期間 | |
| 業者担当者名 | |
| 次回確認事項 | |
文字起こしテキスト:
【ここに貼り付ける】
うまくいかない場合の対処
問題1:出力が途中で切れる
入力テキストが長すぎると、出力も途中で終わることがある。対処法は2つ。
- 文字起こしを前半・後半に分割して2回に分けて処理する
- 「まず前半を整形してください」と明示して、完了後に「続きを処理してください」と追加する
問題2:発言者の割り当てがバラバラになる
文字起こしに「発話者1」「発話者2」のようなラベルがある場合、AIに対応表を渡すと割り当て精度が上がる。
発話者の対応表:
- 発話者1 = 田中(総務部長)
- 発話者2 = 鈴木(経理)
- 発話者3 = 外部業者担当者
この対応表を使って以下のテキストを整形してください。
【テキスト】
問題3:専門用語が別の言葉に置き換えられる
会社独自のシステム名・略称・プロジェクト名は誤変換されやすい。プロンプトの冒頭に「以下の用語は変更しないでください:○○システム、△△プロジェクト」と明記する。
作業効率を上げるポイント
整形作業を継続的に効率化するには、会議の種類ごとにプロンプトをテンプレートとして保存しておくことが重要だ。社内Wikiやメモアプリに「備品購入検討会議用」「業者打ち合わせ用」「全社説明会用」などと分類して蓄積すると、次回から指示文を入力する手間がほぼゼロになる。
また、音声認識ツールの設定で「話者分離」機能がある場合はオンにしておく。文字起こしの段階で発言者が分かれていると、AIでの整形精度が大幅に上がる。
整形の完成度にこだわりすぎるより、「AIで7割仕上げて、人間が残り3割を目視修正する」という分担が現実的だ。完璧な文字起こし整形を目指してAIに何度も指示を重ねるより、一度で7割仕上げて素早く確認・修正するほうが総作業時間は短くなる。
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よくある質問
文字起こしの整形にはどのAIツールを使えばいいですか?
ChatGPT、Claude、Geminiのいずれも対応できます。長文の文字起こしを一度に処理する場合は、入力できる文字数の上限が多いClaudeが扱いやすいです。
文字起こしテキストをそのままAIに貼り付けていいですか?
社員の氏名や未発表の経営情報が含まれる場合は、社内のAI利用ポリシーを確認してから入力してください。固有名詞を仮名に置き換えてから処理する方法も有効です。
話し言葉が多くて誤認識だらけの文字起こしでも整形できますか?
ある程度は整形できますが、固有名詞の誤認識はAIでも補正しきれません。整形後に元の音声と照合して、数字・人名・製品名は必ず目視確認してください。
整形結果の精度を上げるために事前にできることはありますか?
プロンプトに会議の目的・参加者の役割・専門用語リストを加えると、整形精度が上がります。定期会議なら毎回使い回せるテンプレートを作っておくと効率的です。