職種別AI仕事術

人事のFAQをAIで作る方法

人事のFAQをAIで作る方法

この記事の要点

入社手続き・評価制度・研修案内など、人事部門が繰り返し受ける質問のFAQをAIで作る手順を解説。質問の洗い出しから回答作成までのプロンプト例つき。

結論

人事部門に届く「入社手続きはいつ完了しますか」「有給は何日使えますか」「評価はどのように決まりますか」といった繰り返しの問い合わせは、FAQ一つで削減できます。AIを使うと、「よくある質問の洗い出し」から「回答の文章化」まで半日かかっていた作業が1〜2時間に短縮されます。ただし、回答の事実関係は人事担当者が必ず確認する必要があります。

人事FAQが必要になる典型的な場面

入社・入職手続きの問い合わせ集中

採用内定から入社までの間、内定者から「書類はいつまでに提出しますか」「健康診断は自分で予約しますか」「入社前研修に参加できない場合はどうすればいいですか」などの質問が担当者に集中します。FAQ一本を用意して内定者ポータルや案内メールに掲載するだけで、同じ質問への個別対応がほぼなくなります。

評価制度の説明に関する質問

評価期間の終わりに「自己評価はどこに入力しますか」「評価結果はいつ分かりますか」「目標設定の面談は上司からアポが来ますか」といった質問が毎期届きます。制度説明資料とは別にFAQをまとめておくと、担当者の説明コストが下がります。

新しい制度・福利厚生を導入したとき

テレワーク制度や新しい育児支援制度を導入した直後は、「対象者の条件は?」「いつから使えますか?」「申請はどこでしますか?」という問い合わせが急増します。制度設計と並行してFAQを作っておくと、周知と同時に配布できます。

使うAIツール

ツールFAQでの活用ポイント
ChatGPT(GPT-4o)質問の洗い出しと回答の下書き作成が得意
Claude(Sonnet/Opus)長い制度説明文を読み込んでFAQを抽出するのに向いている
Gemini AdvancedGoogle サイトやドキュメントとの連携で公開しやすい

いずれのツールも、AIが知っているのは一般的な知識までです。自社の制度・規定・フロー・担当部署の情報は人間が入力・確認する必要があります。

手順:AIでFAQを作る流れ

ステップ1 FAQの対象と目的を決める

FAQは対象が決まっていないと質問の粒度がばらばらになります。最初に以下を確認します。

  • 誰向けのFAQか(内定者・在籍社員・管理職・候補者など)
  • どのタイミングで使うか(入社前・評価期間中・制度変更時など)
  • どこに掲載するか(社内ポータル・案内メール・採用サイトなど)

ステップ2 AIに「よくある質問の洗い出し」を依頼する

自社の状況をプロンプトに入力して、想定されるQ&Aの質問リストを作らせます。

以下の状況で内定者が人事部門に送ってきそうなよくある質問を
15〜20問リストアップしてください。

【状況】
- 内定通知から入社まで約2ヶ月
- 内定者は中途採用(社会人経験3〜10年)
- 入社前に提出が必要な書類は複数ある
- 入社前研修が2日間ある
- リモートワーク制度あり(入社後3ヶ月は原則出社)

質問は「〜はいつですか」「〜はどうすればいいですか」
のように具体的な疑問形で書いてください。
解答はまだ不要です。

ステップ3 質問リストを取捨選択する

AIが出した質問リストを確認し、自社に関係ない質問を削除、足りない質問を追加します。この作業は担当者にしかできません。

ステップ4 回答の下書きをAIに書かせる

取捨選択した質問リストと、回答に必要な情報をセットで入力します。

以下の質問リストについて、FAQ形式の回答を作成してください。

【回答作成の条件】
- 回答はできる限り簡潔に(2〜4文が目安)
- 「問い合わせは担当者まで」で終わらせない(できる限り具体的に答える)
- 情報が不足している場合は「★要確認:○○の情報が必要」と記入する
- 敬体(です・ます調)で統一

【自社情報】
入社日: 4月1日
提出書類の締め切り: 入社2週間前
健康診断: 会社指定クリニックで自分で予約(費用会社負担)
入社前研修: 3月27〜28日(参加必須)
担当窓口メール: 〇〇@example.com

【質問リスト】
1. 必要書類の提出期限はいつですか?
2. 健康診断はどこで受ければいいですか?
3. 入社前研修を欠席したい場合はどうすればいいですか?
(以降の質問を続ける)

ステップ5 出力を確認・修正して確定する

AIが「★要確認」とした箇所に情報を補い、事実として誤っている回答を修正します。修正後に最終版を整形して公開します。

評価制度FAQのプロンプト例

評価期間中に毎期届く質問を集めたFAQを作る例です。

以下は当社の評価制度の概要です。
この制度についてマネージャーや一般社員から寄せられやすい質問と
その回答をFAQ形式で10〜15問作成してください。

【評価制度概要】
- 評価は年2回(4月と10月に結果通知)
- 自己評価入力期間: 結果通知の1ヶ月前の2週間
- 上司評価期間: 自己評価締め切り後2週間
- 評価面談: 上司との1on1を30分以上
- 評価ツール: 社内システム(○○)にログインして入力
- 評価結果は給与・賞与に反映(詳細は賃金規程)

【出力形式】
Q(質問): 〇〇ですか?
A(回答): 〇〇です。〇〇してください。

の形式で並べてください。

採用候補者向けFAQのプロンプト例

採用サイトや採用面接前後に使うFAQの例です。

以下の採用ポジションについて、
候補者から面接前後によく寄せられる質問と回答を
FAQ形式で12〜15問作成してください。

【ポジション概要】
- 職種: 人事労務担当(正社員)
- 主な業務: 給与計算・社会保険手続き・人事システム管理
- 勤務地: 東京都○○区(リモート週2日可)
- 選考フロー: 書類→1次面接(人事)→2次面接(部長)→内定

【候補者が気にしやすいポイント】
- リモートワークの実態
- 残業時間の目安
- 入社後の教育体制
- チームの人数・雰囲気

情報が不足する場合は「★記入が必要」と書いてください。

うまくいかない場合のポイント

回答が「担当者にお問い合わせください」ばかりになる場合

AIは判断できない情報については安全な回答をしようとするため、具体的な情報が不足しているとこうなります。自社情報をプロンプトに追加するか、「情報が足りない場合は『★記入が必要』とだけ書き、それ以外は具体的に回答してください」と指示します。

質問が漠然としすぎている場合

「給与について」「評価について」のような大きなカテゴリで質問を作ると、回答が的外れになります。「給与の振り込み日はいつですか」「給与明細はどこで確認しますか」のように質問を具体化させることが重要です。

FAQが多くなりすぎて使いにくくなる場合

30問を超えるFAQは読まれません。AIに「最もよく聞かれると想定される10問に絞ってください」と依頼すると優先度付きで整理してくれます。カテゴリで分類する場合は「入社手続き」「勤怠・休暇」「評価・給与」など3〜5カテゴリに分けると探しやすくなります。

古いFAQの更新を効率化したい場合

既存のFAQと変更後の制度概要を一緒に入力して「この変更を踏まえてFAQを更新してほしい」と依頼します。変更が必要な箇所だけを修正した出力が得られるので、全文を見直すより時間が短縮されます。

FAQの管理・更新サイクル

FAQは一度作って終わりではなく、制度変更・よくある問い合わせの変化に合わせて更新する必要があります。

タイミング更新すべき内容
制度変更・規程改定時変更された条件・手続き・担当窓口
入社シーズン(毎年)入社手続きFAQの日程・条件
評価期間ごとシステムのUIが変わった場合の操作手順
問い合わせが集中したとき繰り返し来た新しい質問を追加

更新作業もAIに手伝わせることができます。問い合わせメールを一定期間分まとめてAIに入力し、「これらの質問からFAQに追加すべき項目を抽出してほしい」と依頼する方法が使いやすいです。

内部リンク

研修案内に付けるFAQの作成は人事の研修資料をAIで作る方法と合わせて読むと効果的です。入社案内メールの本文作成には人事のメール文書をAIで作る方法が参考になります。評価制度のFAQを制度説明資料全体の中で位置づけるには人事の評価コメントをAIで作る方法も参照してください。

よくある質問

AIに作らせたFAQの回答内容は正確ですか?

AIは自社の制度・規定・ルールを知りません。AIは質問の洗い出しと文章の整形を担い、回答の内容は人事担当者が入力・確認する必要があります。事実関係はすべて人間が検証してから公開してください。

社内FAQと採用候補者向けFAQでプロンプトの作り方は変わりますか?

変わります。社内FAQ(在籍社員向け)は制度の具体的な手順・条件・締め切りを明確にすることが重要で、採用FAQ(候補者向け)は職場の雰囲気・文化・成長機会を伝えることが目的になります。対象読者をプロンプトに明示してください。

既存のFAQを更新するのにも使えますか?

使えます。古いFAQを貼り付けて「制度変更に伴いこの内容を更新してほしい」と変更点を添えて指示すると、修正が必要な箇所だけを書き直した出力が得られます。