職種別AI仕事術

人事の資料・スライドをAIで仕上げる方法

人事の資料・スライドをAIで仕上げる方法

この記事の要点

人事担当者が採用説明会・研修・評価制度説明などのスライド資料をAIを活用して効率よく仕上げる手順を解説。構成案の生成からスライド原稿の作成まで具体的なプロンプト付きで説明する。

結論:スライドの構成と原稿作成が大幅に速くなる

人事担当者がスライドを作る場面は幅広い。採用説明会の会社説明、入社前研修のオリエンテーション、評価制度の変更説明、役員向けの採用進捗報告——いずれも、構成を考えてテキストを書いてレイアウトを整えるまでに数時間かかる。

AIを使うと、「目的・対象者・主要メッセージ」を入力するだけでスライド構成案が出力され、各スライドのテキスト原稿も生成できる。スライドファイルそのものをAIが作れるわけではないが、テキスト部分の作業時間を60〜70%削減できる。


使うAIツール

スライド作成に役立つAIツールは役割によって使い分ける。

テキスト・構成生成

  • ChatGPT / Claude / Gemini: スライドの構成案・各スライドのタイトルと本文テキストを生成する。無料プランでも十分使える。

スライドファイルの自動生成

  • Gamma(gamma.app): テキスト入力からスライドのデザインまで一括生成できる。日本語対応。
  • Beautiful.ai: テンプレートとAI補完の組み合わせでデザイン作業を効率化。
  • Canva AI: Canvaのデザインアシスタント機能で文章生成・デザイン調整が可能。

この記事では、汎用AIでテキストを生成し、それをPowerPoint・Googleスライドに貼り付けるフローを中心に説明する。


手順:人事スライド作成のプロセス

ステップ1:目的と対象者を明確にする

スライドの失敗パターンの多くは「誰に何を伝えたいかが曖昧なまま作り始める」ことだ。プロンプトを書く前に次を決める。

  • このスライドの目的(採用応募を増やす、研修内容を伝える、制度変更への理解を得るなど)
  • 対象者(就活生、中途応募者、全社員、経営層など)
  • 伝えたい核心(1つのスライドに1つのメッセージ)
  • 全体のスライド枚数の目安

ステップ2:構成案をAIに生成させる

あなたは採用担当者です。
以下の条件で会社説明会用スライドの構成案を作成してください。

【目的】新卒就活生に会社の魅力を伝え、本選考への応募を促す
【対象者】就活生(大学3〜4年生)
【スライド枚数】15〜20枚
【伝えたい核心】
1. 会社の事業内容と社会的な価値
2. 働く環境(成長機会、チームカルチャー)
3. 選考フローと次のアクション

【構成の形式】
各スライドにタイトルと、そのスライドで伝えるポイントを1〜2行で書いてください。

ステップ3:各スライドのテキストを生成する

構成案が固まったら、スライドごとにテキストを生成する。一度に全部生成させるより、2〜3枚ずつに分けて生成させるほうが品質が安定する。

以下のスライドのテキストを書いてください。

【スライド番号】4
【タイトル】私たちが解決しようとしている課題
【このスライドのポイント】
- 社会課題の具体的な説明
- 自社がその課題にどうアプローチしているか

【制約】
- 本文は箇条書き3〜4点
- 1点あたり30〜40字以内
- 専門用語を避け、就活生にわかる言葉で
- 「弊社は〇〇を実現する」のような断定よりも「〇〇を目指している」「〇〇に取り組んでいる」の表現を使う

ステップ4:スライドファイルに貼り付けて整える

生成したテキストをPowerPointやGoogleスライドに貼り付ける。このとき次の点を調整する。

  • 1スライドのテキスト量が多すぎないか(口頭説明で補う分は削除)
  • グラフ・図表・写真を挿入する箇所のテキストプレースホルダーを確認
  • デザインテンプレートとの整合性(フォントサイズ、余白)

ステップ5:発表者ノートを生成する

スライドが完成したら、発表者ノート(話す内容のメモ)をAIに生成させる。

以下のスライドの発表者ノートを書いてください。

【スライドタイトル】私たちが解決しようとしている課題
【スライド本文】
・日本の中小企業の55%が後継者不在という課題を抱えている
・〇〇業界では人材の定着率が業界平均の半分以下
・私たちはこの課題に〇〇という手法でアプローチしている

【発表時間】このスライドに2〜3分かけたい
【注意】読み上げる原稿ではなく、話すポイントのメモとして書く

人事固有のシナリオ:具体例2つ

シナリオ1:全社向けの評価制度変更説明資料

評価制度の変更を全社員に説明するスライドは、内容が複雑で誤解が生じやすく、作成に時間がかかる資料の一つだ。このとき、AIを使って「変更内容の整理→スライド構成案→各スライドのテキスト」を順番に生成させると、説明漏れや論理の飛躍が起きにくくなる。

評価制度変更の全社説明資料のスライド構成を作成してください。

【変更内容の概要】
- 年2回の評価を年4回に変更(四半期評価の導入)
- 評価項目に「行動指標」を追加(従来の「成果のみ」から変更)
- 評価面談の記録義務化

【対象者】全社員(管理職・一般社員)
【目的】変更の理由と内容を正確に伝え、運用への協力を求める
【枚数】10〜12枚以内

各スライドのタイトルと伝えるポイントを書いてください。
変更への疑問・懸念をFAQとして1枚含めること。

シナリオ2:中途採用向け入社前オリエンテーション資料

中途採用で複数名が同時入社するとき、人事が入社初日に会社の仕組み・ルール・カルチャーを説明するオリエンテーションを行う。この資料は毎回内容が似ているため、AIで骨格を作り、アップデートだけ手動で行う運用が効率的だ。

中途入社者向けオリエンテーション資料のスライド構成と各スライドのテキスト原稿を作成してください。

【対象者】中途入社者(バックグラウンド・職種が異なる複数名)
【目的】入社初日に会社の基本情報を伝え、初日から自律的に動けるようにする
【含める内容】
1. 会社概要(事業・ビジョン)
2. 組織図と主要部署の役割
3. 社内ルール(服装・勤怠・PC利用)
4. よく使うツール一覧
5. 最初の1週間に確認してほしいこと
6. 困ったときの相談先

【枚数】12〜15枚
【スライドごとに】タイトル+箇条書き本文3〜5点を書いてください

うまくいかない場合のポイント

スライドのテキストが長すぎる場合

AIが生成するテキストはデフォルトで説明的になりがちだ。「各箇条書きは20字以内」「キーワードのみ・口頭補足前提」のように文字数を厳しく制限すると、スライドらしい簡潔な表現になる。

専門用語が多くて対象者に合わない場合

「この文章を〇〇(就活生・一般社員・経営層)が読んでわかるように書き直してください」と指示するだけで対象者に合った表現に変わる。対象者の知識レベルをプロンプトの最初に明記するのがより確実だ。

複数のスライドで論旨が揃わない場合

セクションごとにAIに生成させると、前後の脈絡がずれることがある。「前のスライドでは〇〇と書いた。それを踏まえて次のスライドを書いてください」と前後関係を毎回明示するか、最初に全体構成を確定させてから個別生成に移るフローを守る。


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よくある質問

AIはPowerPointのファイルを直接作れますか?

現時点では、多くの生成AIはスライドファイルそのものを生成することはできません。AIはスライドの構成・各ページのタイトルと本文テキストを生成し、それをもとに人がPowerPointやGoogleスライドに貼り付ける運用が一般的です。Gammaなど一部ツールはスライドファイルの直接生成に対応しています。

スライドの構成をAIに考えてもらう方法は?

「目的・対象者・伝えたい結論」をプロンプトに入力し、「スライドの構成案(目次)を作って」と指示します。各スライドのタイトルと1〜2行のポイントが出力されたら、それを承認・修正してから本文を生成させます。

スライドのデザインはAIで自動化できますか?

デザインの自動化はGamma、Beautiful.ai、Canvaのようなデザイン特化ツールが担当します。テキスト生成AIはテキスト内容と構成を担当し、デザインツールと組み合わせることで全体の作業時間を短縮できます。