職種別AI仕事術

経営企画のExcel作業をAIで自動化する方法

経営企画のExcel作業をAIで自動化する方法

この記事の要点

経営企画担当者がExcelの集計・数式作成・レポート整形をAIで効率化する具体的な手順を解説。数式生成・VBAマクロ作成・ピボット活用まで、プロンプト例付き。

結論

経営企画のExcel作業でAIを使うと、複雑な数式の作成・VBAマクロの自動化コード生成・大量データの整形という3つの作業が特に効率化できます。「この数式の書き方がわからない」「毎月手作業で繰り返している集計を自動化したい」という場面で、AIに作業手順とコードを生成させる使い方が実務にフィットします。


経営企画のExcel作業でAIが役立つ場面

経営企画が扱うExcelは、単純な表計算にとどまらず、複数のシートや外部データを組み合わせた複雑なファイルが多くなります。

月次の業績管理ファイルでは、各部門から送られてくるExcelの数値を親ファイルに転記・集計する作業が毎月発生します。以前は担当者が手作業で1時間かけて行っていたこの作業を、VBAマクロで自動化することで5分程度に短縮した事例があります。

また、予算対比レポートの整形作業も時間がかかりやすい業務です。数字の並びを変えたり、条件付き書式で閾値を超えた数値を色分けしたりする作業をAIが生成したコードで自動化できます。


使うAIツール

ツール用途特徴
ChatGPT(GPT-4o)Code InterpreterExcelデータの読み込み・処理・出力ファイルアップロードから直接処理
Claude.ai数式・VBAコード生成複雑な要件の言語処理が得意
GitHub Copilot / CursorVBAコードの補完・デバッグ大量のコードを扱う場合に有効
Microsoft 365 CopilotExcel上で直接操作Excel内でAIを呼び出せる

日常的なExcel作業にはChatGPTまたはClaudeで数式・VBAを生成してもらう方法が手軽で始めやすいです。


手順:数式をAIに生成させる

複雑な数式の作成

INDEX/MATCH、SUMIFS、配列数式など、書き方が複雑な数式はAIに生成してもらう方が確実です。

Excelで以下の数式を作成してください。

【シート構成】
- 「実績データ」シート:A列に部門名、B列に月(2025年1月〜12月)、C列に売上額(万円)
- 「集計」シート:縦に部門名、横に月が並ぶピボット形式の表を作りたい

【やりたいこと】
集計シートのB2セルに、「実績データ」シートから
A2(部門名)とB1(月)が一致する売上額を引っ張る数式を作ってください。
数式をB2セルに入れてC2以降・3行目以降にコピーしても正しく動くように$の位置を設定してください。

返ってきた数式はまず小さなサンプルデータで動作確認してから本番ファイルに適用します。

条件付き集計

SUMIFSやCOUNTIFSの条件設定に詰まることがよくあります。

Excelのデータ表(A列:部門名、B列:商品カテゴリ、C列:売上額、D列:日付)があります。

次の3つの条件をすべて満たす売上の合計を求める数式を作ってください。
- A列が「営業部」
- B列が「製品A」
- D列が2025年1月1日〜2025年3月31日の間

SUMIFS関数を使って、E2セルに入力する数式を書いてください。

手順:VBAマクロで月次作業を自動化する

月次レポートの自動集計マクロ

毎月複数部門からExcelを受け取り、親ファイルに集計する作業を自動化する例です。

Excelのマクロ(VBA)を作成してください。

【目的】
同じフォルダ内にある「部門A_実績.xlsx」「部門B_実績.xlsx」「部門C_実績.xlsx」を開き、
各ファイルの「実績」シートのB2:B13(1月〜12月の売上合計)を読み取り、
「集計.xlsx」の「全社集計」シートのB列(部門A)・C列(部門B)・D列(部門C)に転記して保存するマクロです。

【前提】
- 3つのファイルは「集計.xlsx」と同じフォルダに置かれています
- 転記先の2行目が1月、13行目が12月です
- マクロ実行後、3つのファイルは保存せずに閉じてください

エラーハンドリング(ファイルが見つからない場合のメッセージ表示)も含めてください。

返ってきたVBAコードはExcelの開発タブからコードエディタを開き、貼り付けてテスト実行します。本番ファイルに適用する前に、必ずバックアップを取ってください。

繰り返し作業の自動化

毎月手動で行っているフォーマット整形作業をマクロ化する例です。

以下の作業をExcel VBAで自動化するコードを作ってください。

【処理したい作業】
1. 「集計」シートのA1:Z1(ヘッダー行)を太字・背景色グレー(RGB: 200,200,200)に設定
2. B列〜Z列の数値セルで、値が0未満のものを赤字・太字に変更(条件付き書式ではなくVBAで処理)
3. 全セルの列幅を内容に合わせて自動調整(AutoFit)
4. シートを「月次レポート_印刷」という名前でPDFとして同じフォルダに保存

このマクロをボタンに割り当てることを想定しています。

ChatGPTのデータ分析機能でExcelを直接処理する

ChatGPTのデータ分析(Code Interpreter)機能を使うと、ExcelファイルをアップロードしてPythonで処理した結果ファイルを受け取れます。

添付のExcelファイル(月次業績データ)を使って、以下を実行してください。

1. 各部門の売上合計と前月比を計算した新しい列を追加
2. 売上上位5部門のランキング表を作成
3. 全社売上の月次推移グラフを作成

処理結果をExcelファイルとしてダウンロードできるようにしてください。

この方法は数十行のVBAを書かなくても、大量データの処理結果をExcelファイルとして受け取れます。ただし機密情報を含むファイルをアップロードする際は必ずセキュリティポリシーを確認してください。


ピボットテーブルとダッシュボード設計のヒント

経営企画でよく使うピボットテーブルの構造設計もAIに相談できます。

次の経営会議向けダッシュボードをExcelで作りたいです。
最適なピボットテーブルの設計案を教えてください。

【元データの列】
日付・部門名・商品カテゴリ・担当者名・売上額・目標額・顧客区分

【ダッシュボードで表示したいこと】
1. 部門別・月別の売上実績と目標比
2. 商品カテゴリ別の売上構成比の推移
3. 顧客区分(新規・既存)別の売上内訳

各ビューに必要なピボットテーブルの行・列・値の設定と、
スライサーを使う場合の推奨設定を説明してください。

うまくいかない場合のポイント

生成された数式が#REF!や#VALUE!エラーになる: セル参照の範囲指定が実際のデータと合っていない可能性があります。シートの構成と列・行の番号をより具体的にAIに伝えて再生成を依頼します。

VBAコードを貼り付けたが動かない: エラーメッセージと、エラーが出た行のコードをAIに伝えます。「○○行目で『○○エラー』が出ました。このコードの文脈でエラーの原因と修正方法を教えてください」のように聞くと修正案が得られます。

マクロが途中で止まる: データ量が多い場合は処理を分割するか、Application.ScreenUpdating = FalseとApplication.Calculation = xlCalculationManualをマクロの冒頭に追加して処理速度を改善する方法を試してください。これもAIに「処理が遅い場合の高速化対応を追加してください」と頼めばコードを修正してもらえます。


Excelで集計したデータを経営分析に使う手順は経営企画のデータ集計・分析をAIで行う手順で詳しく扱っています。また、分析結果を役員向けの資料に落とし込む方法については経営会議資料をAIで作成する方法を参考にしてください。

よくある質問

AIに数式を作ってもらったが正しく動かない。どうすればよいか?

数式の動作確認は必ず小さいサンプルデータで行ってから本番データに適用してください。エラーが出た場合は、エラーメッセージとセル参照の状況をAIに伝えると修正案を出してもらえます。

ChatGPTやClaudeはExcelファイルを直接編集できるか?

ChatGPTのCode Interpreter(データ分析機能)はExcelを読み込んで処理結果ファイルを出力できます。ClaudeはExcelファイルを直接編集する機能を持っていませんが、数式やVBAコードを生成して渡すことができます。

VBAマクロをAIに書かせてよいか?セキュリティ上の問題はあるか?

AIが生成したVBAコードを使う前に、コードの内容を確認してから実行してください。外部への通信や不審なファイル操作を行うコードが含まれていないか確認することが重要です。信頼できる環境でテスト実行してから本番に使う手順を守ってください。

月次のKPIレポートExcelを毎回手作業で更新している。AIでどう効率化できるか?

データ取り込みからレポート整形までの作業をVBAマクロで自動化する方法が有効です。AIにマクロのコードを生成してもらい、月次作業をボタン1つで完了できる状態を目指すと時間を大幅に削減できます。