広報の比較表をAIで作る方法
この記事の要点
メディア向け説明資料や社内報で使う比較表をAIで作ると、情報整理と表組みの時間を大幅に短縮できる。具体的なプロンプトと手順を解説する。
結論:AIで比較表の「骨格」を作ると情報整理の時間が半分になる
メディア説明会の前日に「競合製品との比較表を作ってほしい」と依頼が来る、記者発表用のFAQ資料に機能比較を入れたい——広報では比較表を急ぎで作る場面が頻繁にある。
AIに比較表を作らせる利点は2つある。1つ目は、比較軸の整理を任せられること。何を比べるべきかが整理されていれば、中身を埋めるのは人間の確認作業だけになる。2つ目は、表の見出し設計が速いこと。AIは「読者が知りたい順」に項目を並べる提案が得意だ。
使うAIツール
ChatGPT(GPT-4o)またはClaudeが選択肢として実用的だ。Markdownで表を出力できるため、NotionやWord、Excelへの転記がしやすい。
比較表を作成する際は、自社の未発表情報(未発表製品の仕様・価格)を含む場合に注意が必要だ。企業契約(ChatGPT EnterpriseかAnthropic APIの法人プラン)でデータが学習に使われない設定を確認してから入力する。
手順:記者向け機能比較表を作る
ステップ1:比較の目的と読者を決める
比較表は「誰が、何のために使うか」で設計が変わる。同じ製品比較でも、メディア向けと社内説明用では入れるべき情報が異なる。
- メディア向け:客観的な数値・機能の有無・価格帯。自社に有利な表現は避け、事実だけを並べる
- 経営層向け社内説明:市場シェア・導入実績・差別化ポイント。判断に必要な指標を絞る
- 社内研修用:機能の詳細・操作手順・サポート体制。実務担当者が知りたい情報を網羅する
ステップ2:比較項目の候補をAIに出してもらう
いきなり表を作るより、「比較項目の候補出し」を先に頼むと完成度が上がる。
広報担当者がメディア向けに作る製品比較表を設計しています。
製品カテゴリ:〇〇(例:ビジネスチャットツール)
読者:業界メディアの記者
目的:自社製品と競合2社の違いを記者に簡潔に伝える
この比較表に入れるべき比較項目を10〜15個提案してください。
項目ごとに「なぜこの項目が重要か」を1行で添えてください。
ステップ3:項目を確定して表の骨格を作る
AIが提案した項目から、実際に入れる項目を選ぶ。メディア向けなら5〜8項目程度が適切だ。多すぎると記者が読まない。
確定したら、表の骨格をAIに作らせる。
以下の比較項目で、3社を比較するMarkdown形式の表を作ってください。
比較対象:自社製品A、競合製品B、競合製品C
比較項目:
1. 月額費用(10名利用時)
2. 無料プランの有無
3. スマートフォンアプリ対応
4. 日本語サポート
5. セキュリティ認証(ISO 27001など)
6. 主な利用企業規模
各セルは空欄のままで構いません。骨格だけ作ってください。
ステップ4:各セルに情報を入力する
AIが作った骨格に、自社調査・公式情報をもとに数値や事実を埋めていく。この工程は人間が行う。AIが入力した内容を「事実確認なしに使う」のは、広報として最もリスクが高い行動だ。
特に以下の項目は公式情報を必ず確認する。
- 競合の価格情報(更新されていることが多い)
- セキュリティ認証の取得状況(失効している可能性がある)
- 利用企業規模(競合の公式発表以外のデータは使わない)
ステップ5:完成した表をAIに整形してもらう
情報を入力し終わったら、AIに見た目の調整を頼める。
以下の比較表を整えてください。
条件:
- 列の幅が均等になるようにMarkdownを調整する
- 自社製品の列を左から2番目に配置する
- 「○」「×」「△」の記号を使っている箇所を統一する(現在○と◯が混在)
- 表の下に注釈が必要な項目があれば「※」で追加してください
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【比較表をここに貼る】
広報固有の場面での使い方
場面1:記者発表後の「よくある比較質問」への対応表
新製品の記者発表後、「競合製品と何が違うんですか」という質問が来ることは確実だ。発表前に「想定される比較質問と回答」をAIで整理しておくと、その場での対応が速くなる。
新製品の記者発表で、記者から比較質問が来る想定をしています。
自社製品の特徴:〇〇(箇条書きで入力)
競合として挙げられそうな製品:△△、□□
記者が聞きそうな「比較質問」を10問挙げ、
各質問に対して「広報担当者が答えるべきポイント」を
1問あたり3行以内でまとめてください。
表形式(質問 | 回答ポイント)で出力してください。
場面2:危機対応時の「事実と報道の比較表」
誤報や批判的な報道が出た際に、「報道されている内容と事実の違い」を整理する対応表を急いで作る必要がある場面がある。
以下の報道内容と、当社が把握している事実を比較する表を作ってください。
表の構成:
| 報道内容 | 当社の事実 | 出典・根拠 |
【報道内容(箇条書きで入力)】
【当社の事実(箇条書きで入力)】
「出典・根拠」欄は空欄にしておいてください。後で社内確認して埋めます。
この表は危機対応の社内共有や、メディアへの反論資料の下地になる。情報を整理する時間を15分から5分に縮めるだけで、初動対応のスピードが変わる。
うまくいかない場合のポイント
表の項目が多すぎて使いにくい AIは項目を多く出す傾向がある。「最大6項目に絞ってください」と上限を指定する。または「メディアの記者が30秒で読める量に収めてください」という条件を加える。
Markdownの表が崩れる 一部のツールでMarkdown表が正しく表示されない場合は、「CSV形式で出力してください」と指定するとExcelに貼り付けやすくなる。
競合情報が古い・間違っている AIの学習データには時差がある。競合の情報はAIに「知っていること」を出させるのではなく、人間が収集した最新情報をAIに「整理させる」使い方が正確だ。入力情報の正確さが出力の正確さを決める。
自社に有利な比較表になってしまう 広報が作る比較表でも、メディアに渡すものは客観性が求められる。「自社製品が劣っている可能性がある項目も含めて、公平に整理してください」と指示すると、信頼性の高い資料になる。
比較表を広報の「資産」として使い回す
一度作った比較表は、プレスリリースへの添付、社内説明会、採用広報など複数の場面で転用できる。AIを使えば、同じ情報からフォーマットだけ変えた版を数分で作れる。
- メディア向け:簡潔版(5〜6項目)
- 詳細版:全項目掲載(社内共有用)
- SNS掲載版:3項目に絞った縦型テキスト表
AIに「メディア向け版をSNS用に圧縮してください」と頼むだけで、3種類の版を10分以内に揃えられる。
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よくある質問
AIが作った比較表の内容はそのまま使えますか?
使えません。AIは提供した情報を整理するのは得意ですが、競合情報や数値の事実確認はしません。表の骨格をAIに作らせ、各セルの内容は公式情報と照合してから使うのが前提です。
ExcelやNotionで使える比較表を出力できますか?
AIにMarkdown形式の表を出力させ、それをExcelやNotionに貼り付ける方法が実用的です。Markdown表はほぼすべての表計算ツールにコピペできます。
比較表に含める項目はAIに考えてもらえますか?
できます。『〇〇の比較表を作りたい。どんな比較項目を入れるべきか提案してください』と先に聞いてから、項目を確定して表を作る手順にすると精度が高くなります。
競合製品の情報をAIに入力してもいいですか?
公開情報なら問題ありません。ただし競合の内部情報や未発表情報を入力するのは避けてください。また、AIが持つ競合の知識は古い場合があるため、自社で収集した最新の公開情報を入力する形を取るのが正確です。