職種別AI仕事術

広報のExcel作業をAIで自動化する方法

広報のExcel作業をAIで自動化する方法

この記事の要点

広報担当が行うメディアリスト管理・掲載実績集計・報告書作成などのExcel作業をAIで効率化する手順を解説。関数生成・VBA作成・データ整理のプロンプト例付き。

結論

広報担当が毎月こなすExcel作業、メディアリストの更新、掲載件数の集計、報告書用の数値整理をAIで大幅に効率化できます。関数の書き方がわからなくても、「やりたいこと」を日本語で説明すればそのまま使える数式やVBAコードが返ってきます。繰り返しの定型作業は自動化してしまうと、月次作業が半分以下の時間になります。

広報のExcel作業でAIが使える場面

広報がExcelで繰り返す作業には共通のパターンがあります。

  • メディアリストの整理:重複削除・媒体種別の分類・更新
  • 掲載実績の集計:件数カウント・媒体別集計・月次比較
  • アンケートデータの整理:自由回答の分類・集計
  • 月次レポート用の数値成形:複数シートからの集計・グラフ用データ作成

これらはすべて「毎月同じ手順を繰り返す」という特徴があります。手順が定型化できるものは、AIに関数やVBAを作らせて自動化するのに向いています。

使うツール

ツール用途
Claude / ChatGPT関数作成・VBAコード生成・エラー解説
Excel / Googleスプレッドシート実際の作業環境
Copilot in Excel(Microsoft 365)Excelと直接連携したAI補助

Microsoft 365を契約している場合は、Excel内でCopilotが使える機能があります。対応状況は組織の契約内容と最新の公式情報で確認してください。

手順:AI活用のExcel作業フロー

ステップ1:やりたいことを日本語で書く

AIに依頼するときに大事なのは「シートの構造」と「何をしたいか」を一緒に伝えることです。たとえば「関数を作って」だけでは不十分で、「A列に媒体名、B列に掲載日、C列に媒体種別が入っています。D列に媒体種別ごとの今月の掲載件数を自動計算する数式を教えてください」のように具体化します。

ステップ2:関数・コードを受け取り、テスト環境で確認する

AIが出してくれた数式やVBAコードをコピーします。いきなり本番データに使わず、別シートやバックアップコピーで動作確認してから本番に適用します。VBAの場合は特に、元データが変更・削除されないかを確認します。

ステップ3:エラーが出たらエラー内容をAIに返す

動かない場合は「#VALUE!というエラーが出ます」「実行時エラー1004が出ます」とエラーの内容を貼り付けてAIに伝えます。「どこが間違っているか教えてください」と聞くと、原因の説明と修正版が返ってきます。

場面別プロンプト例

メディアリストの重複削除と整理

広報が管理するメディアリストは、担当者が変わるたびに記者の情報が重複して蓄積されることがあります。定期的に整理する必要があります。

ExcelのメディアリストにあるCOUNTIFを使った重複チェック方法を教えてください。

シートの構造:
- A列:記者名
- B列:媒体名
- C列:メールアドレス
- D列:担当分野

やりたいこと:
1. A列の記者名とB列の媒体名の組み合わせが重複している行を見つけたい
2. 重複している行をE列に「重複」と表示したい
3. 後で重複行を一括削除したい

D列の担当分野が空白の行には「未設定」と表示する数式も合わせて教えてください。

掲載実績の媒体別・月別集計

月次広報レポート用に、掲載実績を媒体種別・月別に自動集計する仕組みを作る場面です。

以下のExcelシートに掲載実績データがあります。月次集計シートを自動化するための数式を教えてください。

「掲載実績」シートの構造:
- A列:掲載日(2026/05/01 形式)
- B列:媒体名
- C列:媒体種別(全国紙・地方紙・Web媒体・雑誌 のいずれか)
- D列:トーン(ポジティブ・中立・ネガティブ のいずれか)

作りたい集計:
1. 月別の掲載件数(COUNTIFS を使う)
2. 媒体種別別の今月の件数
3. トーン別の今月の件数

集計シートのA1セルに「2026/05」と入力したら、その月のデータだけを集計する数式にしてください。

アンケートの評価点を集計する

イベントや施策のアンケートで、5段階評価の平均点を媒体種別や属性で分けて集計する場面です。

アンケート結果のExcelデータを分析するための数式を教えてください。

シートの構造:
- A列:回答者番号
- B列:回答者種別(記者・ブロガー・インフルエンサー・その他)
- C列:満足度(1〜5の数値)
- D列:再参加意向(1〜5の数値)

やりたいこと:
1. 回答者種別ごとの満足度平均を別シートに出す(AVERAGEIF を使う)
2. 満足度が4以上の回答者の比率
3. 回答者数の合計と種別内訳

AVERAGEIF の数式例と一緒に、C列が空白の場合に備えたエラー対策も教えてください。

VBAで月次レポートの転記を自動化する

毎月、複数のシートから数値を引っ張って報告書用シートに貼る作業を自動化する場面です。

以下の処理を自動化するVBAコードを書いてください。

やりたい処理:
1. 「掲載実績」シートのB列(媒体名)・C列(媒体種別)・D列(トーン)を読み込む
2. 媒体種別別の件数を「報告書」シートのB3:B6セルに転記する(全国紙→B3、地方紙→B4、Web→B5、雑誌→B6)
3. トーン別の件数を「報告書」シートのB9:B11セルに転記する(ポジティブ→B9、中立→B10、ネガティブ→B11)

実行方法:「報告書」シートのボタンをクリックしたら動く形にしてほしい。

注意:
- 元データのシートは変更・削除しない
- エラーが起きた場合はメッセージボックスでエラー内容を表示する
- コードには各処理の意味をコメントで書く

VBAコードを使う際は必ずバックアップを取り、テスト環境で確認してから本番に適用してください。

うまくいかない場合のポイント

数式がエラーになる

最初に確認することはシートの構造が説明通りになっているかです。日付の形式(文字列として入っていないか)、空白セルの有無、数式で参照している列番号がずれていないかをチェックします。確認後、「A列には○○が入っています。数式を実行したら#VALUE!が出ます」とエラーの詳細をAIに伝えると修正版が返ってきます。

VBAが動かない

セキュリティ設定でマクロが無効になっているケースがあります。Excelの「オプション」→「セキュリティセンター」でマクロの設定を確認します。それ以外のエラーは、VBAのエラーメッセージ全文とコード全体をAIに渡して「このエラーの原因と修正方法を教えてください」と聞きます。

毎月少しずつシートの構造が変わって使えなくなる

担当者が変わるたびにシートの構造が少し変わり、作った数式やVBAが動かなくなることがあります。シートの構造を変えない運用ルールを決めておくか、数式・VBAに「A列に媒体名が入っている前提」のような構造の前提条件をコメントで残しておくと対処しやすくなります。

Excelデータを広報報告書に活用する

Excelで集計したデータを月次報告書やプレゼン資料にまとめる作業は、データ分析のAI活用と組み合わせて行います。

数値が揃ったあとのレポート文章生成については広報のデータ集計・分析をAIで行う手順で手順を解説しています。

月次報告の数値から社内向けのニュースレターを作る場合は広報がAIで社内報を作る方法も参照してください。

まとめにかえて

広報のExcel作業をAIで効率化するには、「やりたいこと」と「シートの構造」をセットで伝えることが出発点です。関数やVBAのコードは完成品をそのままもらえますが、本番データへの適用前のテストは省略できません。繰り返しの定型作業を自動化してしまえば、月次の集計・報告作業にかかる時間を恒常的に減らせます。

よくある質問

ExcelのことをAIに聞けば関数を作ってくれますか?

はい。「〇〇という処理をする関数を教えてください」と状況を説明すれば、そのまま使える数式を返してくれます。シートの構造(A列に媒体名、B列に掲載日など)を一緒に伝えると精度が上がります。

VBAを書いたことがなくてもAIでマクロを作れますか?

作れます。「〇〇という処理を自動化したい。VBAコードを書いてください」と依頼すると動くコードが返ってきます。ただし自社環境での動作確認は必ず行い、本番データに適用する前にバックアップを取ってください。

AIが作ったExcel関数が動かない場合はどうすればよいですか?

エラーの内容(#VALUE!など)とシートの構造をAIに伝えて「なぜエラーが出るか教えてください」と聞くと、原因と修正版を返してくれます。

広報のExcel作業でAIが特に役立つのはどんな場面ですか?

メディアリストの整理・重複削除、掲載実績の集計・分類、月次レポート用のデータ成形、アンケート集計の自由回答整理など、繰り返し行う定型的な加工・集計作業に向いています。