営業のExcel作業をAIで自動化する方法
この記事の要点
毎月繰り返す商談管理表の更新・数式作成・フォーマット整備をAIで自動化する手順。VBAコード生成からGPT-4o Code Interpreterの活用まで、コピペで使えるプロンプト例つき。
結論
AIに「○○の数式を作って」「この作業を自動化するVBAを書いて」と頼むだけで、毎月1〜2時間かけていたExcel作業が数分に縮まります。VBAやプログラミングの知識は不要で、エラーが出ても「このエラーを直して」と貼り付ければ対処できます。
受注管理表の月次更新、VLOOKUP数式の作成、フォーマットを統一するマクロ——こうした作業はAIが全てコードを書いてくれます。コピペして実行するだけです。
使うAIツール
**ChatGPT(GPT-4oシリーズ)**がExcel作業の自動化に最も向いています。Code Interpreterを使えばExcelファイルを直接処理でき、VBA・Pythonコードの生成にも対応しています。
Microsoft 365 CopilotはExcelを開いた状態で「このデータを集計して」と話しかけられるため、ファイルをアップロードする手間がありません。ただし有料のMicrosoft 365 Business PlusまたはCopilot M365ライセンスが必要です。導入状況はIT部門に確認してください。
**Claude(claude.ai有料プラン)**も数式生成・VBAコード作成に対応しています。
手順:Excel作業をAIで自動化する
パターン1:数式をAIに作ってもらう
VLOOKUP・SUMIFS・IFERRORなど、関数の書き方を毎回調べている時間をなくします。
以下のExcelファイルで使う数式を作ってください。
【シートの構造】
- シート名:商談管理
- A列:商談ID(文字列)
- B列:顧客名(文字列)
- C列:商品名(文字列)
- D列:商談金額(数値、円)
- E列:受注日(日付)
- F列:結果(テキスト:受注/失注/継続)
【作ってほしい数式】
1. G2セルに「F列が"受注"の場合にD列の金額を表示し、それ以外は空白にする」数式
2. 別シートの集計表で「商品名ごとの受注金額合計」を出すSUMIFS数式(集計シートのA2に商品名が入る)
3. H2セルに「受注日から今日までの経過日数」を計算する数式
各数式のセルへの入力方法と、式の意味を一緒に説明してください。
出力された数式をそのままコピーして、対象セルに貼り付けます。
パターン2:VBAマクロをAIに書いてもらう
毎月手作業でやっていたフォーマット整備をマクロ化します。
以下の作業を自動化するExcel VBAコードを書いてください。
【自動化したい作業】
- 「商談管理」シートのA列からF列のデータを読み込む
- F列が「受注」の行だけを新しいシート「受注一覧」にコピーする
- 受注一覧シートのヘッダー行を太字・グレー背景にする
- 受注一覧シートを受注日(E列)の昇順で並び替える
【前提】
- Excel for Windows、VBA(マクロ)で動くコードにすること
- 毎月実行するボタンをシートに設置する方法も教えること
- コードの各行に日本語コメントをつけること
VBAのコードを実行する手順
- ExcelでAlt+F11を押してVBAエディタを開く
- 左のツリーから対象のブック→「挿入」→「標準モジュール」を選択
- 出力されたコードを貼り付けてF5キーで実行
エラーが出た場合はエラーメッセージをそのままAIに貼ります。
以下のエラーが出ました。原因と修正したコードを教えてください。
【エラーメッセージ】
(エラーの文面をコピー)
【実行したコード】
(エラーが出たコードを貼る)
パターン3:ChatGPT Code InterpreterでExcelを直接処理する
ファイルをアップロードして、数式なしで集計・分析を終わらせます。
添付のExcelファイルの「商談管理」シートを処理してください。
1. F列(結果)が「受注」の行だけ抽出して新しいシートを作成する
2. D列(商談金額)の合計・平均・最大値・最小値を計算する
3. C列(商品名)別の受注件数と合計金額を集計した表を作る
処理後のExcelファイルをダウンロードできる形で出力してください。
営業固有の活用場面
場面1:SFAからエクスポートした生データを報告書フォーマットに整形する
毎月SFAから受注データをCSVでダウンロードするが、列の順番がバラバラで、部長用の報告書フォーマットに合わせるのに毎回30分かかっている場面です。
以下のことを自動化するVBAを書いてください。
【現在の状況】
- SFAからエクスポートしたCSVを「raw_data」シートに貼り付けている
- 列の構成:(列名を列挙)
【報告書フォーマット】
- 「report」シートに以下の順で並べ直す:(必要な列名を列挙)
- 日付列をYYYY年MM月DD日の形式に変換する
- 金額列に3桁カンマを付ける
- 合計行を最終行の下に自動追加する
このマクロを実行するボタンを「report」シートに設置する方法も教えてください。
一度作成すれば毎月実行するだけで自動整形されます。30分の作業が5分になります。
場面2:顧客別の提案履歴を横断検索できる表を作る
顧客A社にこれまで何を提案したかを、複数のExcelファイルをまたいで確認したい場面です。
複数のExcelファイルのデータを1つにまとめて検索できる仕組みを作りたいです。
【状況】
- 2023年度〜2025年度の受注管理表が年度ごとに別ファイルになっている
- 各ファイルの構成は同じ(A列:顧客名、B列:商品名、C列:金額、D列:受注日)
【やりたいこと】
- 3年分のデータを1つのシートに統合するVBAを書いてほしい
- 統合後に顧客名で絞り込めるようにしたい(オートフィルタでよい)
- ファイルは同じフォルダに入っている前提
コードの実行手順も教えてください。
顧客への提案履歴が一覧で見えるようになり、商談前の準備での過去提案確認が大幅に速くなります。
よく使うExcel作業のプロンプト集
毎回ゼロからプロンプトを書かず、以下を状況に合わせて使います。
(数式の質問)
A列に顧客名、B列に売上があります。
「顧客名ごとの売上合計」を別シートのA2セルに入力する数式を作ってください。
シート名も明示して、コピーして貼り付けるだけで動く形にしてください。
(条件付き書式)
D列の値が10万円以上のセルを赤背景にする条件付き書式の設定手順を教えてください。
Excel for Windowsでの操作手順を画面の項目名で説明してください。
(ピボットテーブル)
A列:担当者名、B列:商品名、C列:売上金額、D列:受注月のデータがあります。
「担当者×月別の売上合計」を見るピボットテーブルの作成手順を教えてください。
(データクレンジング)
A列の文字列に余分なスペースや全角・半角が混在しています。
統一する方法(関数またはVBA)を教えてください。
うまくいかないときの対処
コードの実行で「マクロが無効」というメッセージが出る:Excelの「セキュリティセンター」でマクロを有効にする必要があります。IT部門の設定で制限されている場合は相談が必要です。
ファイルを開いたときに「コンテンツを有効にする」が出る:マクロを含むファイルへの警告です。自分で作成したファイルであれば有効化して問題ありません。
同じ操作を複数シートに適用したい:「すべてのシートに同じ処理を適用するVBAを書いてください」と追加指示します。
数式がエラーになる:セルの書式(文字列・数値・日付)が想定と異なる場合に起きます。「A列は文字列として入力されています」のように実際の書式をAIに伝えると修正されます。
Excel作業の自動化と並行して営業データの集計・分析も確認してください。集計結果を報告書にまとめる手順は報告書作成で解説しています。
よくある質問
VBAのプログラミング知識がなくても自動化できますか?
はい。AIに「○○を自動化するVBAコードを書いて」と指示するだけで、コピペして使えるコードが出ます。どこに貼り付ければ動くかも説明してくれます。
AIに作ってもらったVBAコードが動かない場合はどうすればよいですか?
エラーメッセージをAIにそのまま貼り付けると、原因と修正コードを返してくれます。「この行でエラーが出ます」とコードの行番号を添えると精度が上がります。
ChatGPTとExcelはどうやって連携しますか?
主に3通りあります。①ChatGPTにExcelファイルをアップロードして処理させる ②ChatGPTに書いてもらった数式・VBAをコピーしてExcelに貼る ③ExcelのMicrosoft 365 CopilotがExcel内で直接使える(有料プラン)。まずは②から試すのが手軽です。
機密データを含む商談管理表をAIに送っても問題ありませんか?
社外秘データを送る前に社内の情報セキュリティポリシーを確認してください。顧客名・個人情報を含む場合は仮名化または削除してから渡すのが基本です。Microsoft 365 Copilotを使う場合は社内データのまま使えますが、IT部門の利用方針を確認してください。