営業の資料・スライドをAIで仕上げる方法
この記事の要点
テキスト原稿をAIに渡してスライド構成・各ページの見出し・本文を生成する手順。GammaやGPTを使った具体的なプロンプト例と修正のポイント付き。
結論
営業資料・スライドの作成でAIが最も効果を発揮するのは、「テキストの生成と整形」の段階です。各スライドに何を書くかを決める構成案と、見出し・箇条書きの本文生成をAIに任せると、1時間で30ページ分の骨格が揃います。その後のデザイン調整・数値確認・顧客情報の差し込みを人間が行う分業が、時間短縮と品質維持を両立させます。
使うAIツール
テキスト生成:ChatGPT、Claude、Gemini。スライドの本文テキストを作成するのに使います。
スライド生成:Gamma。テキストを入力するとデザイン付きのスライドを生成します。日本語の対応状況と料金は変わることがあるため、最新情報は公式サイトで確認してください。
デザイン補助:Canvaには「マジック作文」や「AIプレゼンテーション」機能があります。テンプレートからAIでテキストを補完する使い方が実用的です。
社内の機密情報を含む資料を作成する場合は、企業向けプランの利用を検討してください。
スライド作成でAIを使うべき場面と使わない場面
AIを使うと効果的な場面
- 構成案の作成(何ページ・何を話すかの設計)
- 各スライドの見出しと箇条書きテキストの生成
- 文字が多すぎるスライドの圧縮・要約
- 既存の文書からスライド用のテキストへの変換
人間が行う必要がある場面
- 顧客ごとの固有情報の差し込み(業界特有の課題・担当者名・金額)
- 競合比較の事実確認
- デザインの最終調整と統一感の確認
- 発表時の流れと話すポイントの確認
手順
ステップ1:スライドの目的と対象を整理する
プロンプトを入力する前に、次の3点を決めます。
- このスライドを見る人は誰か(決裁者・担当者・複数部門が混在しているかなど)
- このスライドで伝えたいこと(決断を促したいのか・情報共有なのか・提案なのか)
- スライドを使う場面(対面プレゼン・メールで送付・会議後の共有)
この3点が明確だと、AIに「何のためのスライドか」を正確に伝えられます。
ステップ2:構成案を作らせる
まず全体の構成案を出させます。詳細なテキストを作る前に骨格を確認することで、方向性のズレを早期に修正できます。
あなたは営業プレゼンテーションのエキスパートです。
次の情報をもとに、顧客提案スライドの構成案を作成してください。
【プレゼンの情報】
・対象顧客:製造業(従業員1,000名規模)の情報システム部長
・テーマ:受発注業務のデジタル化提案
・プレゼン時間:30分
・目的:次回の社内検討会議への参加許可を取る
【現状の顧客課題】
・FAXと電話で行っている受発注処理に月80時間を消費している
・入力ミスによる発注遅延が月3〜5件発生している
・システム担当者の負担が増加していて、他のDX案件に手が回らない
【提案するソリューション】
・クラウド型受発注システム
・導入後6ヶ月で処理時間50%削減の実績(他社事例より)
・初期3ヶ月間は専任サポートが付く
【出力形式】
スライドのタイトルを12〜15枚分、番号付きで列挙してください。
各タイトルに「このスライドで伝えること」を1行で加えてください。
ステップ3:各スライドのテキストを生成する
構成案が確認できたら、スライドごとにテキストを作ります。1回のプロンプトで3〜5枚ずつ依頼すると精度が安定します。
上記の構成案をもとに、次の3枚のスライドのテキストを作成してください。
【対象スライド】
・スライド3:現状の課題(ファクト整理)
・スライド4:課題による影響(数字で示す)
・スライド5:あるべき姿のイメージ
【各スライドの出力形式】
・スライドタイトル(15字以内)
・サブタイトル(20字以内)
・本文:4点以内の箇条書き
・スライドの結論(1文、20〜30字)
【条件】
・数字は前の情報に記載したものだけを使う。推測で数字を追加しない
・箇条書きは1点25字以内でまとめる
・各スライドに「だから何か」の結論を必ず入れる
ステップ4:文字の多いスライドを圧縮する
既存の資料をスライド化する場合、テキストが多くなりがちです。AIに圧縮を依頼します。
次のスライドテキストを読んで、1スライドあたり「見出し1つ+箇条書き3点以内」に
圧縮してください。情報の優先度が低いものは削除してかまいません。
【圧縮前のテキスト】
(ここに現在のスライドテキストを貼り付ける)
【条件】
・残すべき情報:数字と決定事項と次のアクション
・削っていい情報:背景説明の繰り返し・一般論
・各スライドの結論を最後の箇条書きに入れること
ステップ5:全体を読み直して修正する
AIが生成したスライドテキストを通して読み、次の点を確認します。
- 前半のスライドと後半のスライドで言っていることが矛盾していないか
- 顧客が一番気にしているポイントが一番目立つ位置に来ているか
- 数字の根拠が明確か(「他社3社平均」など出典が分かる形になっているか)
- 発表者が話すポイントとスライドの内容が一致しているか
実際の活用例
ケース1:前日に資料依頼が来た場合
「明日の午前中までに15枚のスライドが欲しい」という依頼が夕方に来た場面。ステップ1〜3の流れで、当日の夕方2時間でテキスト骨格を完成させ、翌朝1時間でデザインを整えて間に合わせられます。
通常の作り方では、構成を考えるだけで1〜2時間、テキストを書くだけでさらに2〜3時間かかります。AIを使うと構成と本文の骨格合わせて1時間以内に収まります。
ケース2:同じ提案を別の顧客向けにカスタマイズする場合
既存の提案スライドを別の業種・規模の顧客向けにカスタマイズする場面。AIに「このスライドの内容を、(新しい顧客の業種と課題)に合わせて書き換えてください」と指示すると、業界特有の言葉や課題感に置き換えたテキストが出てきます。数字や固有名詞だけ正確に差し替えれば、ゼロから作るより大幅に速く仕上がります。
うまくいかない場合のポイント
「スライドの内容がどれも似たようになる」
各スライドで「このスライドで伝えること」を変えていないことが原因です。プロンプトに「このスライドでだけ言うこと」を明示してください。
「箇条書きが長くなりすぎる」
「1点25字以内」のように字数制限を入れると守られます。それでも長い場合は「さらに短くしてください」と続けて依頼します。
「Gammaで日本語が崩れる」
Gammaでの日本語スライドは、英語に比べてレイアウトが崩れることがあります。テキスト生成はChatGPT/Claudeで行い、デザインはPowerPointかCanvaで整える組み合わせの方が安定する場合があります。
「生成したスライドと発表の流れが合わない」
スライドのテキストを作り終えてから「このスライド構成で30分の発表をする場合の話す順序と各スライドで2〜3分話すポイントを整理してください」と追加依頼すると、発表の流れを確認するのに役立ちます。
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提案書の本文テキスト作成については営業の提案書をAIでつくる進め方で説明しています。商談のトークスクリプトについては営業のトークスクリプトをAIで作る方法も参考にしてください。
よくある質問
AIはPowerPointファイルを直接作成できる?
ChatGPTやClaudeはPowerPointを直接書き出す機能は標準搭載していません。テキストの骨格をAIで作り、PowerPointへの貼り付けは人間が行うのが現実的です。Gammaなどのスライド特化ツールはAIで直接スライドファイルを生成できますが、日本語対応の精度は変わることがあるため公式サイトで確認してください。
何ページ分のスライドまでAIに任せられる?
テキスト生成であれば20〜30ページ分でも対応できます。一度に全部頼むより、章ごとに分けて5〜7ページずつ依頼する方が精度が上がります。
スライドのデザインもAIに任せられる?
GammaやCanvaのAI機能を使うと、テキストを入力するだけでデザイン付きのスライドが生成されます。ただし完全に任せると画像の使い回しや配色の偏りが出ることがあるため、最終的なデザイン確認は人間が行ってください。
スライドの文字が多くなりすぎる問題をAIで解決できる?
できます。作成済みのスライド原稿をAIに渡し、「各スライドを1見出し+3箇条書き以内に要約してください」と指示すると、情報密度を下げた読みやすいスライドになります。