NVIDIA、自律エージェント向け基盤を発表。SAPらが採用
この記事の要点
NVIDIAは6月1日のGTC Taipeiで、自律的に動くAIエージェントを企業が作るためのソフト群を発表した。安全に動かす実行基盤OpenShellをSAPやServiceNowが採用し、エージェントを業務で動かす土台が整う。
結論
NVIDIAは6月1日のGTC Taipeiで、自律的に動くAIエージェントを企業が作るためのソフト群を発表した。中心は、モデルを業務で使えるエージェントへ変えるための仕組みと、エージェントを安全に動かす実行基盤のOpenShellだ。OpenShellはSAPのAI基盤やServiceNowの自律デスクトップエージェントに組み込まれる。生成AIを単なる対話の道具から、業務を任せられる働き手へ変える土台が、業務ソフトの側に整っていく。
何が発表されたのか
NVIDIAは、エンジニアリングやヘルスケア、ソフト開発、業務全般にまたがる自律エージェントを各社が作れるよう、ソフトとオープンソースのモデル、提携を打ち出した。主要なソフト企業は、NVIDIAのAgent Toolkitを使い、長時間動き続ける安全なエージェントを作っている。AppleやGoogleのような大手も含め、各社が同じ言葉でエージェントを説明し始めた。エージェントには、計画や記憶、ツールの利用、安全管理といった機能をモデルに足す「ハーネス」と呼ぶソフトの層が要る、という整理だ。
安全に動かす側の要がOpenShellだ。これは方針に沿ったセキュリティやネットワーク、プライバシーの制限をエージェントにかける、オープンソースの実行基盤にあたる。SAPはこれを自社の業務向けAI基盤の実行環境に組み込み、ServiceNowは自律デスクトップエージェントのProject Arcに組み込んで、方針に基づく管理を加えた。エージェントは強力なほど、勝手にデータへ触れたり外部へ送ったりする危険も増す。その制御を実行基盤の層で担う考え方だ。各製品の対応範囲や提供時期は変わりうるため、自社で使うソフトが対象かは最新の公式情報で確認してほしい。
現場の実務にどう効くか
効くのは、AIエージェントを業務に組み込もうとしている推進担当だ。エージェントの議論は「何ができるか」に目が行きがちだが、本番で使うには「勝手なことをさせない」統制が欠かせない。今回のように、安全に動かす実行基盤が業務ソフトへ組み込まれていけば、各社が一から作らずに、統制つきでエージェントを運用しやすくなる。エージェントを本番で動かす際の検証を標準にする流れはAWSのStrands強化、統制が不十分という実態は企業の72%がエージェント統制不足という調査とあわせて見ると、なぜ各社が安全層を急いで整えているかがわかる。
導入を検討するなら、エージェントに与える権限を業務ごとに絞り、どのデータに触れてよいかを先に決めておきたい。エージェントの基本はAIエージェントとは何かで押さえたうえで、実行基盤がどの操作を許し、どれを止めるかを自社の方針と突き合わせるとよい。安全層は便利だが、設定を緩いまま広げると意味をなさない。最初は限られた業務でログと挙動を確かめ、許す操作を一つずつ広げる進め方が現実的だ。
FAQ
Q. OpenShellはNVIDIAのハードがないと使えませんか。 オープンソースの実行基盤として提供されますが、対応環境や要件は製品により異なります。導入前に最新の公式情報で確認してください。
Q. すぐに自社のエージェントへ組み込めますか。 SAPやServiceNowのように、まず業務ソフト側への組み込みが進んでいます。自社開発のエージェントへ適用する場合の手順は、提供元のドキュメントで確認するのが確実です。
出典
よくある質問
今回の発表は誰に関係しますか。
自社でAIエージェントを開発・運用する企業や、SAP・ServiceNowなどの業務ソフトを使う企業に関係します。エージェントを安全に動かす実行基盤が、既存の業務ソフトに組み込まれていく動きです。
OpenShellとは何ですか。
自律的に動くAIエージェントに対し、方針に沿ったセキュリティやネットワーク、プライバシーの制限をかける、オープンソースの実行基盤です。エージェントを安全に動かすための土台にあたります。