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Together AI、8億ドル調達。オープンモデル利用が1年で3倍

Together AI、8億ドル調達。オープンモデル利用が1年で3倍

この記事の要点

オープンソースAI基盤のTogether AIが7月1日、Aramco Ventures主導で8億ドルのシリーズCを発表。評価額83億ドル、年間受注10億ドル超。オープンモデルへの企業移行が資金面でも裏づけられた。

結論

オープンソースAIの実行基盤を提供するTogether AIが7月1日、8億ドルのシリーズC調達を発表しました。評価額は83億ドルで、主導したのはサウジアラビア国営石油会社の投資部門Aramco Venturesです。同社の年間受注は10億ドルを超え、プラットフォーム上のオープンモデル利用は1年で3倍に増えました。企業のAI利用が商用API一辺倒からオープンモデル併用へ移る流れが、資金面でも裏づけられた形です。

発表の中身

公式発表によると、ラウンドにはVista Equity Partners、General Catalyst、Emergence Capital、Nvidia、March Capital、Pegatronなどが参加しました。約16カ月前のシリーズBは3.05億ドル・評価額33億ドルだったため、評価額は2.5倍になりました。

Together AIはNvidia製GPUクラスターを貸し出す新興クラウドで、LlamaやDeepSeekなどのオープンモデルを企業が学習・推論に使うための基盤を提供します。モデルを自社管理下で動かせるため、データを外部APIに出せない企業や、推論コストを細かく最適化したい企業に採用が広がっています。

オープンモデル移行の背景

企業がオープンモデルに向かう理由はコストです。AI支出が使い放題から効率重視へ転じた業界の変化のなかで、DeepSeekが入力100万トークン0.44ドルの恒久値下げに踏み切るなど、オープン系の価格破壊が続いています。バイトダンスのSeed 2.1も商用上位モデル並みの性能で費用8割減をうたうなど、性能差の縮小も移行を後押ししています。どのモデルを選ぶかの考え方はオープンソースSLMの主要モデルと選び方が参考になります。

中東の政府系資金がAI基盤に入った点も注目されます。Aramco Venturesの主導は、AIインフラが石油に代わる長期投資先として扱われ始めたことを示します。

Together AIの成長を数字で整理すると次のとおりです。

項目シリーズB時点今回のシリーズC
調達額3.05億ドル8億ドル
評価額33億ドル83億ドル
年間受注非公開10億ドル超
オープンモデル利用基準1年で3倍

商用APIとオープンモデル基盤の使い分けにはそれぞれ向き不向きがあります。商用APIは導入が速く、最高性能のモデルをすぐ使えます。オープンモデル基盤は、処理量が多いほど単価の優位が効き、モデルの挙動を自社で固定できるため、出力の一貫性が求められる定型業務に向きます。運用の手間は基盤側が肩代わりするため、以前のように機械学習エンジニアの採用が前提になるわけではありません。

現場の実務にどう効くか

自社のAI費用を見直す際、商用APIとオープンモデル基盤の併用は現実的な選択肢になっています。判断の目安は月間の処理量です。処理量が多く定型的なタスクはオープンモデルに寄せ、精度が最優先の業務だけ商用の最上位モデルを使う構成にすると、同じ予算で処理できる量が数倍になる場合があります。まずは要約や分類など失敗コストの低い1業務で、現行APIとオープンモデルの精度と単価を比べる小さな検証から始めるのが安全です。

検証の進め方は単純です。現在商用APIで処理している業務から、過去の入力と出力のサンプルを100件ほど抜き出します。同じ入力をオープンモデルに与えて出力を比較し、業務担当者が合格と判定した割合と、1件あたりの処理単価を記録します。合格率が商用モデルの9割水準に達し、単価が半分以下なら、移行候補として本格検証に進む価値があります。この判定を四半期ごとに繰り返せば、モデルの進化に合わせて最適な構成を保てます。

今後の見通し

新興GPUクラウドの競争も激しくなっています。Together AIのほかにもCoreWeaveやLambdaといった同業が大型調達を重ねており、価格競争は利用企業にとって追い風です。一方で、こうした企業の収益は少数の大口顧客と借入によるGPU調達に支えられており、AI需要の変調に弱い構造も指摘されています。基盤選定では、単価だけでなく事業の継続性も評価軸に入れておくべきです。オープンモデルと商用モデルの性能差は縮小と拡大を繰り返しており、現在の単価優位が続く保証はありません。料金とモデルの提供状況は変化が速いため、最新は各社の公式情報で確認してください。

出典

よくある質問

Together AIとはどんな会社か?

オープンソースのAIモデルを企業が動かすためのGPUクラウドと推論基盤を提供する米国企業。Nvidia製GPUクラスターを貸し出し、モデルの学習や推論を自社のデータ管理下で実行できる。年間受注は10億ドルを超えたと発表している。

オープンソースモデルの企業利用はなぜ増えているのか?

コストとデータ管理が主因。商用APIより処理あたりの費用を抑えやすく、自社環境で動かせばデータを外部に出さずに済む。性能面でも商用モデルとの差が縮まり、用途によっては十分な水準に達している。