Oracle、話し言葉で業務アプリを作るAIビルダー公開
この記事の要点
OracleがFusion Applications向けにAIネイティブなアプリ開発機能を公開した。自然な言葉の指示で業務アプリを組め、ノーコードから本格開発まで対応する。現場が自分でアプリを作る流れが加速する。
結論
Oracleが、Fusion Applications向けのAI Agent Studioに、自然な言葉の指示で業務アプリを組み立てるAIネイティブな開発機能を公開した。ノーコード、ローコード、専門開発の三つの進め方に対応し、話し言葉で入力した要件から画面や処理を生成する。狙いは、アプリ開発の複雑さを下げ、現場の担当者が自分の業務に合うツールを短時間で用意できるようにすることだ。情報システム部門に依頼して数週間待つ、という従来のやり方が変わる可能性がある。
いつ・誰が・何を発表したか
The CODEWが2026年7月28日に伝えたところによると、OracleはFusion Applications向けのAI Agent Studio内に、新しいAIネイティブのアプリビルダー体験を導入した。利用者は自然な言葉のプロンプトで企業向けアプリを開発でき、ノーコード・ローコード・プロフェッショナル開発のいずれのワークフローも支えるという。Oracleは生成AIを業務アプリケーションへ直接埋め込み、組織にとってのソフト開発の複雑さを下げる方針を続けている。
この動きは、業務システムそのものが「操作する対象」から「指示すれば動くもの」へ変わりつつある流れの一部だ。SAPはエージェントの管理基盤を整え、MicrosoftはCopilotに業務データを直結させている。後者はMicrosoft、業務データをCopilotへ直結 MCPにも対応で扱った。エージェント基盤をどう選ぶかは企業エージェント基盤が四つ巴 選定はモデルより統治で決まるも参考になる。
現場の実務にどう効くか
話し言葉でアプリを作れる機能は、現場の困りごとを自分で解決する道を開く。たとえば、在庫の棚卸し記録をスプレッドシートで回している部署が、「品番と数量を入力し、閾値を下回ったら通知する画面を作って」と指示すれば、試作が数分で立ち上がる。これまで外注や情シスへの依頼で数週間かかっていた小さな改善が、現場の手元で回り出す。
使いこなす鍵は、要件を具体的な言葉で渡すことだ。誰が使い、何を入力し、どんな結果を出し、どこに保存するか。この四点を先に決めてから指示すると、手戻りが減る。プロンプトの基本的な組み立てはAlphaEvolveの一般提供のような開発支援AIの活用例とも共通する考え方だ。
一方で、現場が自由にアプリを作ると、管理が追いつかなくなる危険もある。誰がどのデータにアクセスできるか、作ったアプリを誰が保守するか、使わなくなったアプリをどう畳むか。この設計を抜くと、把握できないアプリが社内に増える。エージェントやAI機能の統治が遅れがちな点はSAP、AIエージェント統合基盤を公開 乱立を一元管理でも指摘した。現場の試作は歓迎しつつ、本番に上げる前の審査ルールを情シスと決めておくとよい。
誰が得をするか
この機能が効くのは、業務が細かく分かれ、標準ツールでは痒いところに手が届かない組織だ。営業、経理、人事の各部署が抱える「ちょっとした自動化」を、専門の開発者を待たずに片づけられる。Oracleにとっては、Fusion Applicationsの利用者を囲い込み、AI機能の追加提案につなげる導線になる。
ただし、話し言葉で作れることと、安全に運用できることは別だ。生成されたアプリの動作確認、権限設定、データの取り扱いは人が詰める必要がある。最新の対応範囲や制限は公式情報で確認してほしい。手軽さに引きずられず、試作と本番の線引きを最初に決めることが、この種のツールを長く使うコツになる。
出典
よくある質問
何ができる機能ですか。
OracleのFusion Applications向けAI Agent Studioに追加された、自然な言葉の指示で業務アプリを作る機能です。ノーコード、ローコード、専門開発のいずれの進め方にも対応すると説明されています。
現場の担当者でも使えますか。
話し言葉での指示から画面や処理を組める設計なので、専門知識が浅くても試作は可能です。ただし本番運用では権限や監査の設計が要るため、情報システム部門との役割分担を決めておくことが重要です。