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Anthropic、初の渉外統括を任命 政策対応を経営中枢に

Anthropic、初の渉外統括を任命 政策対応を経営中枢に

この記事の要点

Anthropicが8月4日、元カリフォルニア州最高裁判事のTino Cuéllar氏を初の最高渉外責任者に任命した。世界の政策と政府対応を統括し、社長直属で動く。AI各社が規制対応を経営の中核に据える流れが鮮明になった。

結論

Anthropicが8月4日、Mariano-Florentino Cuéllar氏を初の最高渉外責任者に任命したと発表した。世界の政策、国際的な折衝、政府との関係を統括し、社長のDaniela Amodei氏に直属する。Cuéllar氏は元カリフォルニア州最高裁の判事で、7月まで国際平和の研究機関を率いていた。AI大手が政策と政府対応の専任幹部を経営の中枢に据えたことは、規制対応がAI事業の前提になったことを示す。

何が決まったか

Cuéllar氏はカーネギー国際平和財団を7月まで率い、以前はオバマ政権で大統領補佐官も務めた。Anthropicとは今年1月から長期利益信託の受託者として関わっており、今回そこを退いて経営に加わった。役割は、各国の首脳や政策担当との折衝を主導し、技術を民主的な統制のもとに置くという方針を掲げる。背景には、米政権との輸出規制をめぐる緊張や訴訟もある。詳細はAnthropicの発表にある。

この人事は、規制の動きが具体化している時期と重なる。米政府がAI大手を集めた協議は米政府とAI大手が安全協議 30日前審査が動き出す、欧州の規制の施行はEU AI法の透明性義務が施行 企業が今すべき実務対応にまとめた。AIを提供する側が、技術や営業と並べて渉外を経営の柱に据えたことは、規制が事業の成否を左右する段階に入った表れだ。

現場の実務にどう効くか

AIを提供する側が政策対応を経営課題に格上げしているなら、利用する側にとっても規制対応は避けて通れない。とくにEUの規制のように、対象が採用や与信など幅広い業務に及ぶものは、日本の企業でも無関係とは言えない。取引先や海外拠点を通じて影響が及ぶ場面があるからだ。

推進担当が今できるのは、大きく二つだ。一つは、自社が使うAIがどの国のどの規制の対象になりうるかを把握し、リスクの高い用途を洗い出すこと。もう一つは、社内のAI利用ポリシーを整え、法務と連携して確認する体制を作ることだ。ポリシーの作り方はAI利用ポリシーのテンプレートと作り方、法務との進め方は法務とAI推進の協働 契約・規制を踏まえた進め方が使える。海外大手の人事そのものは直接の実務ではないが、そこから読み取れるのは、規制対応を後回しにできる時期は終わりつつあるという事実だ。

出典

よくある質問

人事のニュースがなぜ業務に関係するのですか

AI大手が政策と政府対応の専任幹部を経営の中枢に置いた事実は、規制対応がAI事業の前提になったことを示します。利用側の企業にとっても、EUや各国の規制、社内ルールの整備は先送りできない課題になりつつあります。

利用企業は今から何をすべきですか

まず自社が使うAIが、どの国のどの規制の対象になりうるかを把握することです。EUの規制のように、対象が広がるものもあります。社内のAI利用ポリシーを整え、法務と連携して確認する体制を作っておくと、規制が動いても慌てずに済みます。