Ramp調査 上位1%企業は社員1人年7400ドルをAIに支出
この記事の要点
決済大手Rampの8月AI指数で、支出上位1%の企業は7月に社員1人あたり月7400ドルをAIに使った。中央値は11.95ドルで差は大きい。高性能でも割高なモデルは支出が伸び悩む傾向も示された。
結論
決済と経費管理のRampが公表した8月のAI指数で、AI支出が上位1%の企業は7月に社員1人あたり月7400ドルを使ったことがわかった。上位10%は650ドル、中央値の企業は11.95ドルで、支出の差は非常に大きい。高性能でも割高なモデルは支出が伸び悩む傾向も出ており、AIの費用配分を見直す材料になる。
何がわかったのか
RampのAI指数は、同社を使う米国企業の実際の支出データから作られる。7月分では、上位1%が社員1人あたり月7400ドルという突出した水準に達した一方、中央値の企業は11.95ドルにとどまった。一部の先進企業が大きく張り、多くの企業はまだ小さく試している段階だという構図が読み取れる。
社員1人あたりの月間AI支出を階層ごとに並べると、差の大きさがわかる。
| 階層 | 社員1人あたりの月間AI支出 |
|---|---|
| 上位1% | 7400ドル |
| 上位10% | 650ドル |
| 中央値 | 11.95ドル |
上位1%と中央値の差はおよそ600倍にあたる。同じ「AIを使う企業」でも、支出の桁がまったく違う。
モデルごとの使われ方も示された。OpenAIの主力モデルは、同社のトークンの25%、支出の23%を占めたとされる。対して、より高性能で価格が2倍ほど高いモデルは、7月の支出がこの主力モデルの約75%にとどまった。1トークンあたりの単価が高いモデルには、企業が払う金額に上限が見えつつあるという見立てだ。高い性能が、そのまま支出の多さにつながるわけではない。生成AIの料金の基本は生成AIの料金の基礎 無料と有料プランの違いと費用感で整理している。数字は特定の顧客基盤に基づくため、最新は公式で確認してほしい。
現場の実務にどう効くか
この指数から推進担当が持ち帰れるのは、モデルを用途で使い分ける発想だ。要約、下書き、分類のような日常業務は、安いモデルで十分こなせる場面が多い。難しい推論や長文の処理だけ高性能モデルに回せば、全体の費用は下がる。すべてを最上位モデルで動かすと、上位1%のような支出に近づいてしまう。
具体的には、業務を「軽い処理」と「重い処理」に仕分け、それぞれに割り当てるモデルを決めておくとよい。加えて、部門別に月の上限を設けておくと、支出が一部に偏っても全体を管理できる。費用の考え方は生成AI導入の費用対効果の考え方、削減の打ち手は生成AIの費用が高いと感じたときの見直し方、モデルの選び方は生成AIモデルの選び方 ビジネス用途別の基準を合わせて確認しておくと、支出の設計が立てやすい。
出典
よくある質問
この数字は何をもとにしているのか
決済・経費管理のRampが自社データから作るAI指数の8月分です。米国企業の実際の支出をもとにしており、7月の社員1人あたりAI支出を集計しています。全業種を代表するものではありません。
高性能モデルほど使われているのか
必ずしもそうではありません。7月は割高な高性能モデルの支出が、より安いモデルの約75%にとどまったと報じられ、価格への感度が高いことがうかがえます。