プロンプト技術

業種別プロンプト集 経理・財務編 月次から報告まで使える例文

業種別プロンプト集 経理・財務編 月次から報告まで使える例文

この記事の要点

経理・財務業務で使える生成AIプロンプトを、月次締め・経費精算・レポート作成・分析コメントの4領域に分けて整理した。数値そのものはAIに処理させず、文書化・説明作成に絞って使う方法を示す。

経理でAIが使える領域と使えない領域

経理・財務業務でAIが有効なのは「文書化」「説明の作成」「照会への回答文」だ。数値の計算や転記はExcelや会計ソフトが担い、AIはその結果を人に伝えるための文章を作る補助として使う。

入力してはいけないのは、未公開の決算数値、取引先の口座情報、未発表の財務計画だ。社内の会計システムに直接接続されるわけでもないため、数値は自分で確認したものを必要な範囲で渡す。

月次:差異コメントのたたき台

以下の月次実績データをもとに、経営会議向けの差異分析コメントを作成してください。

【売上実績】3,200万円(予算比 +8%、前月比 -3%)
【主な差異要因】
- 新規顧客からの受注が予算比+15%(新施策の効果)
- 既存顧客の追加発注が前月比-10%(季節要因による一時的な落ち込み)

【費用実績】2,100万円(予算比 -3%)
【主な差異要因】
- 採用費が予算より200万円下回った(採用計画の一部を次期に延期)

以下の観点を含めて300字以内でまとめてください。
- 今月の全体評価(一言)
- 売上・費用それぞれの差異と要因
- 来月への見通し

ポイント: AIに渡す数値は正確に確認してから入力する。コメントのたたき台が出たら、事実と合っているか自分で確認して使う。

月次:部門長への実績報告メール

以下の情報をもとに、各部門長への月次実績報告メールを作成してください。

【報告対象月】2026年5月
【送信対象】各部門長
【伝えたい内容】
- 5月の全社売上は予算達成(3,200万円)
- 費用は予算内に収まった
- 来月の月次報告会は6月15日(月)14時を予定
- 部門別の詳細は添付のExcelを確認してほしい

【トーン】簡潔・事務的。読む時間を取らせない形にする。
件名も含めて作成してください。

経費精算:差し戻し理由の通知文

以下の経費精算を差し戻す際の通知文を作成してください。

【差し戻し理由】
- 領収書が不鮮明で金額と日付が確認できない
- 用途の説明が「会議費」のみで、参加者と目的が記載されていない

【依頼事項】
- 鮮明な領収書の再提出
- 参加者名と会議の目的の追記

丁寧な文体で、相手が何をすればいいか明確に伝わる通知文にしてください。

予算:ヒアリングシートのコメント整理

各部門から集めた予算ヒアリングシートの回答を整理してください。

【営業部門の回答】
来期は新規顧客開拓に注力したい。外部セミナー参加費として100万円程度。
採用も2名計画しているので人件費の増加見込みあり。

【マーケ部門の回答】
広告予算を今期比+30%で申請したい。デジタル広告の運用改善のため。
ツール費も新規で20万円程度追加したい。

上記の回答を以下の表形式に整理してください。
| 部門 | 主な追加予算項目 | 概算金額 | 理由 |

分析:グラフ説明文の作成

以下のグラフの内容を、経営会議のプレゼンで使う説明文として作成してください。

【グラフの内容】過去12か月の月別売上推移
【データの特徴】
- 1月〜3月:前年同期比+5%で安定成長
- 4月〜6月:前年同期比+15%(新製品投入効果)
- 7月〜9月:前年同期比+2%(競合の新製品発売による影響)
- 10月〜12月:前年同期比+10%で回復

以下の構成で200字以内にまとめてください。
- 全体のトレンド(1文)
- 特筆すべき変化とその要因(2〜3文)
- 今後の見通し(1文)

監査・税務:質問への回答文の下書き

外部監査法人からの以下の質問に対する回答文の下書きを作成してください。

【質問】売上計上のタイミングについて、役務提供完了基準と検収基準のどちらを採用しているか、および例外的な処理が発生した場合の対応手順を説明してください。

【当社の実際の運用】
- 基本は役務提供完了基準を採用
- 顧客からの検収確認が得られた時点で計上する場合もある(長期プロジェクト案件)
- 例外処理は都度、財務部長の承認を得て処理

上記の運用を、正確・簡潔に説明する回答文を作成してください。回答後、自分で事実確認します。

社内FAQ:経費精算ルールの案内文

経費精算に関するよくある質問への回答文を作成してください。

【Q1】交通費は何日以内に申請すればいいですか
【A1の情報】当社は発生月の翌月末が締め切り。遅延は別途申請が必要。

【Q2】飲食費は1人いくらまで経費になりますか
【A2の情報】社外接待は1人あたり1万円が上限。社内は5,000円が上限。

【Q3】領収書を紛失した場合はどうすればいいですか
【A3の情報】支払証明書を発行してもらうか、立替金申請書に詳細を記載して申請。

上記3つを、社員が迷わず読める短い回答文にしてください。

機密情報の取り扱い

経理業務では特に機密情報の入力に注意が必要だ。

入力してはいけない情報:未公開の決算数値・利益計画、取引先の口座番号や取引条件、未発表の財務目標、M&Aや組織再編に関する情報。

仮名化の方法:「A社との取引で●万円の差異が発生した」という形で会社名を伏せる。「部門Xの予算が○万円超過」と具体的な部門名を避ける。コメントや文章化の段階で自分が固有名詞を戻す。

詳しい機密情報の扱い方は機密情報を守りながら生成AIを使うプロンプトの注意点を参照してほしい。

まとめ

経理・財務でのAI活用は「数値の計算はツールに任せ、文書化・説明作成をAIで速める」が基本だ。差異コメント、報告メール、差し戻し通知、回答文の下書きなど、毎回形は決まっているが書くのに時間がかかる業務が対象になる。未公開の財務情報は入力せず、仮名化して使う。出力は必ず自分で事実確認してから使う。

他の部門向けのプロンプト集として、業種別プロンプト集 人事・採用編そのまま使えるビジネスプロンプト集もあわせて参考にしてほしい。

よくある質問

経理業務でAIを使うときの注意点は何ですか

未公開の財務数値や顧客の口座情報は入力しません。数値の計算はExcelや会計ソフトに任せ、AIは説明文・コメント・メール文書の作成補助に使います。

AIが出した数字や計算結果を信用してもいいですか

信用しないでください。AIは計算ミスをします。数値の計算・検証は必ず専用ツールで行い、AIは文章化・整理・説明の補助に限定します。

月次報告コメントの作成にAIを使えますか

使えます。数値は自分で正確に入力し、コメントのたたき台をAIに作らせて、自分で事実確認・修正して使います。