ツール比較・レビュー

Copilotで用語集を作る手順

Copilotで用語集を作る手順

この記事の要点

Microsoft Copilotを使って業務用語集・プロジェクト用語集を短時間で作る手順を解説。プロンプト例付きで、専門用語の定義・難易度別整理・社内独自用語の整備方法まで説明する。

結論:Copilotに用語リストを渡せば、整理された用語集の初稿が15分で出る

新しいプロジェクトを始めるたびに用語の認識がずれる。中途入社のメンバーに業界用語を一から説明する。研修資料に毎回同じ用語解説を書き直す。こうした非効率をCopilotで解消できる。用語のリストや説明のメモをCopilotに渡すだけで、定義・例文・関連用語をセットにした用語集の形に整理してくれる。

以下では、スタンドアロン版とM365統合版(Word・Excel)での操作手順を、状況別のプロンプト例とともに解説する。


前提:使えるプランとアクセス方法

スタンドアロン版

copilot.microsoft.com にMicrosoftアカウントでサインインして無料で使える。用語集の生成・整形・翻訳まで無料版で対応できる。

M365 Copilot(組織向け有料ライセンス)

WordやExcelでCopilotを使う場合は、組織テナントにCopilotライセンスが必要だ。ライセンスの有無は社内IT部門に確認する。最新のプラン情報はMicrosoft公式サイトで確認してほしい。


手順:用語集を作る5ステップ

ステップ1:収録する用語と目的を決める

用語集を作る前に、以下を決めておく。

  • 収録用語の範囲:業界用語か、プロジェクト固有の用語か、社内略称か
  • 想定読者:新入社員か、特定の職種か、外部パートナーか
  • 用語集の使い方:研修資料として印刷するのか、Wikiやイントラに掲載するのか、契約書の別紙として使うのか

使い方によって定義の詳しさや文体が変わるため、プロンプトに含めておく。

ステップ2:用語を洗い出す(すでにある場合は整理する)

用語の候補リストがない場合は、まずCopilotに「洗い出し」から依頼する。

以下の業務領域でよく使われる専門用語・略称を30個リストアップしてください。

【業務領域】
BtoB向けのSaaSプロダクトのカスタマーサクセス業務

【条件】
- 業界標準の英語略称(CS・NPS・ARR・MRR・チャーンレートなど)を含める
- 日本語でよく使われるカタカナ用語も含める
- 同義語や類似語がある場合は代表的な用語を一つ選んでリストに含める

すでに用語リストがある場合は次のステップに進む。

ステップ3:用語集の形式でプロンプトを送る

用語のリストが揃ったら、定義・例文・関連用語をセットにした用語集形式に展開する。

パターンA:業界・職種別の用語集

以下の用語について、カスタマーサクセス業務の担当者(業務経験1年未満)向けの用語集を作成してください。

【用語リスト】
- NPS(ネットプロモータースコア)
- チャーンレート(解約率)
- オンボーディング
- タッチモデル(ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチ)
- ヘルススコア
- EBR(エグゼクティブビジネスレビュー)
- ARR(年間経常収益)
- ライフタイムバリュー

【各用語の出力形式】
## [用語名]
**読み方**:(カタカナ読みがあれば)
**一言定義**:(30字以内で核心を表す)
**詳細説明**:(100〜150字。なぜ重要か・どう使うかを含む)
**具体例**:(実際の業務場面での使用例)
**関連用語**:(紐づく用語を1〜3個)

パターンB:プロジェクト固有の用語集

以下の社内用語について、新しいプロジェクトメンバー向けの用語集を作ってください。
各用語について私が提供する説明をもとに、正式な定義文として整形してください。

【用語と説明(担当者メモ)】
- PJキックオフ:プロジェクト開始時に全関係者が集まる最初の会議。アジェンダ・役割・スケジュールを共有する
- ステコミ:ステアリングコミッティの略。月1回の経営層向け進捗報告会議
- WBS:作業分解構造。プロジェクト全体のタスクをツリー形式で分解したもの
- バッファ:予備時間のこと。予想外のトラブルに備えてスケジュールに組み込む余裕
- リスクログ:洗い出したリスクと対応策を一覧で管理するシート

【出力形式】
各用語は「用語名 / 定義(100字以内) / 使用場面(1文)」の3行で出力してください。

パターンC:研修資料向けの難易度付き用語集

以下の用語について、社内AI活用研修の受講者向け用語集を作成してください。
用語の難易度を「基礎・中級・応用」の3段階で分類してください。

【用語リスト】
生成AI、LLM、プロンプト、トークン、ハルシネーション、RAG、ファインチューニング、
コンテキストウィンドウ、温度パラメータ、マルチモーダル

【各用語の出力形式】
| 用語 | 難易度 | 定義(60字以内) | 研修での登場場面 |
|------|-------|----------------|---------------|

定義はIT専門知識のない社員が読んで理解できる表現にしてください。

ステップ4:定義の正確さを確認する

Copilotが生成した定義は必ず業務担当者が確認する。特に以下の点に注意する。

  • 業界慣行と一致しているか:同じ用語でも業界や企業によって定義が異なる場合がある
  • 最新の情報か:技術用語・法律用語は定義が変わっていることがある
  • 社内の実際の使われ方と合っているか:公式の定義と社内での慣用的な使い方がずれていることがある

確認後、修正が必要な用語は個別に修正を依頼する。

「ハルシネーション」の定義を書き直してください。
現在の定義では「誤情報を生成すること」とありますが、より正確には「AIが事実に基づかない内容を、あたかも事実であるかのように生成する現象」です。この説明を基に、60字以内で定義し直してください。

ステップ5:フォーマットを整えて書き出す

用語集の最終的な見た目を指定して出力させる。

これまで作成した用語集を以下の形式に整えてください。

1. 五十音順(またはアルファベット順)に並べ替える
2. 用語名は太字にする
3. 全用語をまとめた一覧インデックスを冒頭に付ける
4. 各用語には「p.[ページ番号]」の代わりに「#[用語名]」のアンカー形式で参照できるようにする

出力はマークダウン形式でお願いします。

マークダウン形式で出力させると、Wordに貼り付けたときに見出しスタイルが適用されやすく、SharePointやNotionへの転記も容易になる。


M365統合版(Word・Excel)での操作

WordでCopilotを使って用語集を作る

  1. 用語集用のWordファイルを新規作成(またはテンプレートを使用)
  2. リボンの「Copilot」アイコンをクリック
  3. 「以下の用語について用語集を作成してください」と用語リストを添えて送信
  4. 「文書に挿入」で本文に追加
  5. スタイルの適用や見出し整形を行う

WordのCopilotは文書全体のスタイル(見出し1・本文・表)を意識した出力をするため、テキストだけでなく表形式の用語集を直接文書に作れる。

ExcelでCopilotを使って用語マスタを作る

  1. Excelを開き、列見出しを「用語名」「難易度」「定義」「関連用語」のように設定する
  2. Copilotペインを開き「この表の形式で用語集のデータを入力してください」と用語リストを渡す
  3. 行データとして挿入される
  4. フィルター・並び替えでメンテナンスしやすい用語マスタとして管理できる

ExcelのCopilotはデータの並び替えや重複チェックも依頼できるため、用語集のメンテナンスにも活用できる。


うまくいかない場合のポイント

定義が曖昧または不正確

Copilotが知識を持っていない用語、または社内固有の意味を持つ用語は、定義の正確さに限界がある。その場合は「私が提供する説明を基に整形してください」という使い方にシフトする。Copilotを定義の「生成者」ではなく「整形者」として使う方が品質が安定する。

定義が長すぎて使いにくい

「各定義は50字以内でまとめてください」のように長さの上限を設ける。用語集は「辞書を引く感覚で使える短さ」が重要で、詳しい説明が必要な場合は本文中の別ページにリンクを貼る構造にするのが読みやすい。

用語が多すぎて一度に処理できない

100語を超える場合は20〜30語ずつに分割して入力する。一度のプロンプトに詰め込みすぎると、後半の用語の定義が雑になる傾向がある。

英語と日本語の表記がバラバラになる

「英語略称がある場合は、見出しを『日本語名(英語略称)』の形式に統一してください」と表記ルールを最初に指定しておく。後から一括変換も依頼できる。


用語集の品質を上げる3つのポイント

定期的なメンテナンスを設計に組み込む:業界・技術の変化で用語の定義は変わる。用語集ファイルに「最終更新日:〇年〇月」を必ず入れておき、6か月〜1年ごとに見直しサイクルを設ける。更新時もCopilotに「新しい用語を追加し、既存定義を現在の業界標準に照らして確認してください」と依頼できる。

「使わない用語」も記録する:社内で「正式には使わないが現場で飛び交っている言葉」を注記付きで残しておくと、混乱を防ぐ効果がある。Copilotに「以下の用語は非推奨・非公式です。正式名称への言い換えを示してください」と依頼して注記を追加できる。

対象読者ごとに版を分ける:同じ用語集でも、新入社員向けと業務熟練者向けでは深さが変わる。Copilotに「新入社員向けに詳しい説明で」「上級者向けに定義のみ簡潔に」という2パターンを出させることで、対象者別の用語集を効率的に作れる。


関連記事

よくある質問

Copilotで業界専門用語の用語集を作れますか?

可能ですが、Copilotが学習したデータに含まれていない最新用語や社内固有の略称は、正確に定義できない場合があります。生成した定義は必ず業務担当者が確認してから使用してください。

社内固有の用語(社内略称・プロジェクト名など)をCopilotで定義させるには?

プロンプトに「以下の社内用語について、私が提供する説明文を整理・標準化して用語集の形にしてください」と伝え、各用語の説明を箇条書きで渡すのが最も確実です。Copilotに一から定義を考えさせるのではなく、担当者が持つ知識を整形する用途に使う方が精度が上がります。

用語集をWordやExcel、SharePointに保存するには?

スタンドアロン版の場合はCopilotの出力をコピーして貼り付けます。M365 CopilotのWordやExcel統合版では直接挿入できます。SharePointのページ編集機能でも貼り付けて管理できます。

多言語(日英バイリンガル)の用語集も作れますか?

可能です。「各用語について、日本語の定義と英語表記を並べて出力してください」と指示します。ただし英語の専門用語が業界標準と一致しているかは専門家に確認してください。