Copilotでリリースノートを作る手順
この記事の要点
Microsoft CopilotをWordやスタンドアロン版で活用し、開発変更点を整理してリリースノートを短時間で作成する手順を解説。プロンプト例と失敗時の対処も網羅。
結論
Copilotに変更点の箇条書きを渡すと、読み手に応じた文体・構成のリリースノートを数分で生成できる。手動で書く場合に比べて初稿作成時間を大幅に削減でき、技術担当者がレビューと加筆に集中できる体制が整う。
前提:必要なプランとアクセス方法
Copilotには利用できる場所が複数あり、できることが異なる。
スタンドアロン版(copilot.microsoft.com) ブラウザからアクセスし、チャット形式でテキストを生成する。Microsoftアカウント(無料)で基本的な利用が可能。有料のCopilot Proプランでは回答品質・速度が向上する。最新の機能制限・料金は公式サイトで確認してほしい。
Copilot for Microsoft 365(M365統合版) Microsoft 365のCopilotアドオンを契約した組織が対象。Word・Outlook・TeamsなどのアプリにCopilotボタンが表示され、開いているドキュメントのコンテキストを読んだうえで操作できる。リリースノートの文脈では、WordでCopilotを呼び出し「このドキュメントの変更履歴セクションをリリースノート形式に整えて」と指示するような使い方が可能になる。
本記事では両方の手順を説明する。スタンドアロン版から試すのが最もハードルが低い。
手順1:変更点の情報を整理する
Copilotはコンテキストが多いほど精度が上がる。リリースノートを作る前に、次の情報をテキストで手元にまとめておく。
- バージョン番号(例:v2.4.1)
- リリース日
- 変更の種類ごとの箇条書き(新機能 / 改善 / バグ修正 / 廃止・非推奨)
- 対象読者(エンドユーザー向けか、開発者向けか、社内向けか)
- 特記事項(破壊的変更がある場合の注意など)
この情報を準備しておくと、後述のプロンプトへそのまま貼り込める。
手順2:スタンドアロン版での操作
2-1. copilot.microsoft.comにアクセスしてサインイン
Microsoftアカウントでログインする。無料プランの場合、1日に使えるメッセージ数に上限がある点に注意。
2-2. プロンプトを入力する
チャットボックスに次のようなプロンプトを貼り付ける。変更点の箇条書きはそのままコピーして貼り込んでよい。
以下の変更点をもとに、プロダクトのリリースノートを作成してください。
【バージョン】v2.4.1
【リリース日】2026年6月5日
【対象読者】社外のエンドユーザー(技術的知識は不要)
【変更点(箇条書き)】
- ダッシュボードの読み込み速度を約40%改善
- レポートのCSVエクスポート機能を追加
- ログイン画面で二要素認証をサポート
- Safariでグラフが正しく表示されなかった問題を修正
- iOS 17未満のデバイスでのサポートを終了
【形式】
- セクション:新機能 / 改善 / バグ修正 / 廃止・非推奨
- 各変更点は1〜2文で簡潔に説明
- 専門用語は平易な言葉に言い換える
- 全体で400字前後
2-3. 出力を確認・修正する
Copilotが生成した文章を読んで、次の観点でチェックする。
- 技術的な内容が正確か(Copilotは誤記することがある)
- 社外向けに適した文体・表現になっているか
- 重要な変更点が抜け落ちていないか
内容に不満があれば、同じチャット内で「もう少し簡潔にまとめてください」「バグ修正セクションをより親しみやすい文体にしてください」と追加指示を出す。
手順3:Word(M365統合版)での操作
Copilot for Microsoft 365を利用できる環境であれば、Wordに直接入力して整えることができる。
3-1. Wordを開いて叩き台を貼り付ける
まず変更点の箇条書きをWordドキュメントに貼り付ける。このとき「新機能:〜」「バグ修正:〜」のように手動で分類しておくと、Copilotの出力精度が高まる。
3-2. Copilotを呼び出す
「ホーム」リボンの「Copilot」ボタン、もしくはドキュメント内の空白行で「ALT+I」を押してCopilotを起動する。呼び出し方はWordのバージョンによって異なる場合がある。
3-3. 指示を入力する
このドキュメントの箇条書きをリリースノートの形式に整えてください。
対象読者はエンドユーザーです。
セクションは「新機能」「改善」「バグ修正」「廃止・非推奨」に分けてください。
各変更点は1〜2文の平易な日本語で説明してください。
Copilotがドキュメント内の内容を読み取り、整形した文章を提案する。「挿入」ボタンをクリックして文書に反映させる。
3-4. 手動で最終調整
WordのCopilot機能は変更を提案として表示する。承認する前に内容を必ず確認し、固有名詞の誤りや技術的な不正確さがないか確認する。
手順4:開発者向けリリースノートを作る場合
エンドユーザー向けとは別に、APIの変更やデプロイ手順など技術的な詳細が必要な開発者向けリリースノートも同様に作成できる。プロンプトで対象読者と必要な情報を明示するのがポイント。
以下の変更点をもとに、社内エンジニア向けのリリースノートを作成してください。
【バージョン】v2.4.1
【リリース日】2026年6月5日
【変更点】
- APIエンドポイント /users/{id} のレスポンス構造変更(fieldname: user_id → id)
- 認証トークンの有効期限を1時間から8時間に変更
- Pythonクライアントライブラリをv3.2.0に更新
- staging環境のDBマイグレーション手順の変更
【形式】
- セクション:Breaking Changes / 変更点 / 対応が必要な作業
- Breaking Changesは先頭に目立つ形で記載
- 対応期限がある場合はその日付を含める
- Markdown形式で出力
開発者向けの場合、「Breaking Changes(後方互換性がない変更)」を冒頭に明記するフォーマットにしておくと、読み手が対応の緊急度を判断しやすい。
手順5:複数バージョンのリリースノートをまとめて作る
新機能や修正が多いリリースでは、変更点の箇条書きが長くなる。Copilotに一度に処理させる際は、バージョンごとに区切りをつけて渡すと整理しやすい。
以下の3バージョン分の変更点を、それぞれ独立したリリースノートとしてMarkdown形式で作成してください。
対象読者はエンドユーザーです。
## v2.4.1(2026-06-05)
- ダッシュボード読み込み速度40%改善
- CSV エクスポート機能を追加
- Safariのグラフ表示バグを修正
## v2.4.0(2026-05-20)
- AIによる自動レポート生成機能を追加
- 多言語対応(英語・中国語・韓国語)
- アカウント設定UIを刷新
## v2.3.5(2026-04-30)
- パスワードリセットのメール送信が遅延していた問題を修正
- APIのレート制限を引き上げ(毎分100件→200件)
Copilotがバージョンごとにセクションを分けて出力する。1回のメッセージで複数バージョンをまとめて処理できるため、溜まったリリースノートを一気に整理するときにも有効。
うまくいかない場合のポイント
固有名詞・製品名が変換される Copilotが社内の製品名や機能名を言い換えることがある。プロンプトに「以下の固有名詞は変換せずそのまま使用してください:○○、△△」と明記すると改善することが多い。
出力が短すぎる・長すぎる 「各変更点を2文以内で」「全体で500字前後」のように文字数・文数の目安をプロンプトに含める。
変更の重要度の区別がつきにくい プロンプトで「Breaking Changesは★マークをつけて先頭に配置」「重要な変更には注意書きを加える」と明示する。
出力がMarkdownにならない 「Markdown形式で出力してください。コードブロックで囲まずにMarkdownテキストとして出力してください」と追記する。
スタンドアロン版で添付ファイルが使えない Copilot Proプランではファイルアップロードが可能になる場合があるが、機能の有無はプラン・時期によって異なる。最新情報は公式サイトで確認してほしい。
活用シーンの広げ方
リリースノートが完成したら、同じCopilotセッションで次のような二次利用も可能。
- 「このリリースノートをもとに、Teamsに投稿する200字の告知文を作成してください」
- 「エンドユーザー向けリリースノートを、英語のGitHub Releases用に翻訳してください」
- 「このリリースノートの変更点をFAQ形式(Q&A5問)に変換してください」
一度作成したリリースノートを入力として渡すだけで、複数の配信先向けコンテンツを派生させることができる。
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よくある質問
CopilotでリリースノートをWordで作るにはどのプランが必要ですか?
WordのCopilotボタンを使うにはMicrosoft 365のCopilotアドオン(Copilot for Microsoft 365)が必要です。copilot.microsoft.com経由のスタンドアロン版は無料プランでも利用できますが、機能に制限があります。最新のプラン・料金は公式サイトで確認してください。
変更点の箇条書きを貼るだけでリリースノートになりますか?
変更点の箇条書きをプロンプトに含めると、Copilotが文章化・分類・要約を行います。ただし技術的な内容の正確性はCopilotが保証するものではないため、最終確認は人が行ってください。
英語と日本語の両方のリリースノートを一度に作れますか?
プロンプトで『日本語版と英語版の両方を作成してください』と指示すると1回のやり取りで両言語版を出力させることが可能です。翻訳精度は確認が必要ですが、作業の起点として有効です。
Copilotが社内用語や固有名詞を誤記することはありますか?
あります。プロンプトに製品名・コンポーネント名・略語などを明示的に記載し、出力後は必ずレビューしてください。