Copilotで報告書を作る手順
この記事の要点
Microsoft Copilotを使って業務報告書・月次レポートをAI生成する手順を解説。Word統合版での文書生成とブラウザ版のプロンプト活用法、構成テンプレートを網羅。
報告書作成の時間ロスは「書き出し」と「事実を文章に変換する」作業に集中している。Copilotに実績データと要点を渡せば、報告書の骨格が数分で完成する。
Copilotで報告書を作ると何が変わるか
月次報告や業務報告で費やす時間の大半は、実績データを文章にする作業と、読みやすい構成に整理する作業だ。Copilotは「これらのデータをもとに〇月の営業報告書を書いてください」という指示に応じ、分析・まとめ・提言の形式に整えた文章を生成する。
Word統合版(Copilot for Microsoft 365)では、Word上で直接生成・編集できる。ブラウザ版ではデータや箇条書きメモを貼り付けて文章化し、WordやGoogleドキュメントに転記する流れになる。
どちらのアプローチも、報告書作成にかかる時間を半分以下にできる。
前提:必要なプランとアクセス方法
Word統合版(Copilot for Microsoft 365)
- Microsoft 365 Business Standard以上のプランが必要
- Word上で「Copilotで下書き」機能が使える
- 既存報告書の改善・加筆も直接できる
- 最新のプラン・価格はMicrosoft公式サイトで確認すること
ブラウザ版(無料・有料)
- copilot.microsoft.com にアクセス
- 報告書の文章生成・構成作成は無料版でも可能
- 有料プラン(Copilot Pro)では応答品質と速度が向上する
手順1:Word統合版で報告書を作成する
ステップ1:新規Wordファイルを開く
Word(デスクトップアプリまたはMicrosoft 365 Web版)を開き、新規文書を作成する。ツールバー上部またはCopilotタブからCopilotアイコンをクリックし、Copilotパネルを開く。
ステップ2:「Copilotで下書き」を呼び出す
Copilotアイコンをクリックするか、本文エリアで「/」を入力してCopilotのプロンプト入力欄を表示させる(バージョンによって操作が異なる)。
ステップ3:報告書の要件と実績データを入力する
プロンプト例(月次営業報告書):
以下のデータをもとに、2026年5月の営業部月次報告書を作成してください。
【基本情報】
報告月:2026年5月
報告者:営業部 田中太郎
報告先:営業部長 山田一郎
【実績データ】
・売上:2,850万円(目標:3,000万円、達成率95%)
・新規受注件数:12件(前月比+3件)
・既存顧客フォロー訪問:42件
・新規商談獲得:8件(前月比+2件)
・失注件数:3件(競合に2件、予算凍結に1件)
【課題と特記事項】
・大型案件(A社:800万円)が6月以降に延期
・競合B社が価格攻勢を強めており、2件の失注につながった
・エリアCの担当者交代により、フォロー頻度を上げる必要がある
【来月の重点施策】
・A社案件のクロージングを最優先
・価格競争が激しいエリアでは付加価値提案にシフト
・エリアCに月2回訪問を追加
【構成】
1. 総括
2. 数値実績
3. 主な取り組みと成果
4. 課題と原因分析
5. 来月の方針と行動計画
文体:事実ベース、簡潔、ビジネス文書
ステップ4:生成された文章を確認・修正する
生成された報告書を確認し、修正が必要な箇所をCopilotに依頼する。
「4. 課題と原因分析」をもう少し具体的に書いてください。
競合B社との価格差がどの程度か(概算)を加え、対応の方向性を明確にしてください。
「3. 主な取り組みと成果」の新規商談獲得件数を前月比で比較した表を追加してください。
ステップ5:体裁を整えて完成させる
フォント・見出しスタイル・ページレイアウトをWordの機能で調整する。報告書のフォーマットが社内で決まっている場合は、そのテンプレートを開いた状態でCopilotを使うと体裁の調整が最小化できる。
手順2:ブラウザ版Copilotで報告書を作成する
ステップ1:報告書の元データを用意する
以下のいずれかの形式でデータを用意する。
- Excelやシステムから書き出した数値データのテキスト版
- 手書きの実績メモ(箇条書きでよい)
- 週次報告などの短いメモをまとめたテキスト
ステップ2:Copilotを開いてプロンプトに入力する
copilot.microsoft.com を開き、以下のプロンプト形式で入力する。
プロンプト例(週次業務報告):
以下のメモをもとに、上司(部長)に提出する週次業務報告書を作成してください。
【報告週】2026年6月1日(月)〜6月5日(金)
【報告者】田中太郎
【今週の業務内容(メモ)】
月:A社訪問。提案内容に好感触。来週末に返答もらえる見込み
火:B社とのオンライン商談。競合比較資料を要求された→水曜中に作成して送付
水:B社向け資料作成と送付完了。C社から問い合わせ入電
木:C社に折り返し。5月末に新任担当者と面談設定
金:月次報告書の取りまとめ。内部レビュー
【実績】
・商談実施:3件
・提案書提出:2件
・新規問い合わせ対応:1件
【課題・懸念】
B社の競合比較を意識した提案が必要。来週中に上長と相談したい
【来週の予定】
A社フォロー、B社再提案、C社初回面談
構成:今週の業務サマリー→実績数値→課題→来週の予定
文体:簡潔、事実ベース、箇条書きを活用
文量:300字程度
ステップ3:修正指示を出す
「課題・懸念」のセクションを、問題点と対応策(誰が・いつまでに)の形式に書き直してください。
ステップ4:Wordに貼り付けて完成させる
生成した文章をコピーし、Wordや社内ドキュメントシステムに貼り付けて体裁を整える。
報告書の種類別プロンプト例
月次営業報告書
以下のデータをもとに月次営業報告書を作成してください。
報告月:〇月
売上実績:〇〇万円(目標比〇%)
商談件数:新規〇件・既存フォロー〇件
主な成約:〇〇社(金額〇〇万円)
主な失注・課題:(内容)
来月の方針:(方針)
構成:総括→数値実績→主な取り組み→課題→来月方針
プロジェクト進捗報告書
以下の進捗状況をもとにプロジェクト報告書を作成してください。
プロジェクト名:〇〇システム導入
報告日:〇月〇日
全体進捗:〇%(予定〇%)
今週の完了タスク:(箇条書き)
来週の予定タスク:(箇条書き)
課題・リスク:(内容)
スケジュールへの影響:(あり/なし・内容)
担当PM:〇〇
構成:進捗サマリー→詳細ステータス→課題とリスク→来週の計画
インシデント・障害報告書
以下の情報をもとに障害報告書を作成してください。
発生日時:〇月〇日〇時〇分
復旧日時:〇月〇日〇時〇分
影響範囲:(影響したシステム・ユーザー数)
発生原因:(根本原因)
対応経緯:(時系列で箇条書き)
再発防止策:(具体的な対策)
報告者:〇〇
構成:概要→発生状況→原因分析→対応経緯→再発防止策
文体:事実のみを正確に記述する形式
出張報告書
以下の出張内容をもとに出張報告書を作成してください。
出張先:〇〇(△△社)
出張日程:〇月〇日〜〇月〇日
目的:〇〇の商談・打ち合わせ
面会者:〇〇社 〇〇様、〇〇様
主な内容:(会議の要点を箇条書き)
成果・決定事項:(箇条書き)
次のアクション:(担当者・期限付き)
うまくいかない場合のポイント
データが文章に反映されない
数値データはプロンプトに直接貼り付ける。ExcelのデータはCSVやテキスト形式でコピーしてプロンプトに含める。「Excelを読んで」という指示はブラウザ版では機能しない。
報告書の文体が社内フォーマットと合わない
「弊社では報告書に以下の書き出しを使います:〇〇」のように社内のフォーマットや慣用表現をプロンプトに明示する。または既存の報告書を一部貼り付けて「このスタイルで書いてください」と指示する。
分析が浅い・原因説明が弱い
「課題の原因を『業務プロセス・人員・外部要因』の3軸で分析してください」のように分析の軸を指定する。または「なぜこの課題が発生したかを3段階の因果関係で説明してください」という指示も有効だ。
推測が混じる
Copilotは渡された情報の行間を補完しようとする場合がある。「渡した情報以外の推測は含めないでください。不明な点は『要確認』と記載してください」という一文をプロンプトに加えると抑制できる。
Word統合版で期待どおりの出力にならない
Word上のCopilotは文書全体の文脈を読むため、すでに入力した内容に引きずられることがある。新しい文書で試すか、ブラウザ版Copilotで生成してからWordに貼り付ける方が意図した出力になりやすい。
Copilot特有の活用法
既存報告書の改善・添削 Word上で既存の報告書を開き、Copilotに「この報告書を、より簡潔で読みやすい表現に書き直してください」と依頼できる。特に文章が冗長になりがちな月次報告書の圧縮に有効だ。
報告書から要約メールを生成する 報告書が完成したら、Copilotに「この報告書の要点を上司へのメールで送れる分量(300字)に要約してください」と依頼できる。報告書の提出とメール送付を同時に効率化できる。
定型報告書のテンプレート化 毎月同じ構成の報告書を作る場合、プロンプト自体をテンプレートとして保存しておく。翌月は数値を差し替えてCopilotに渡すだけで、同じ品質の報告書が生成できる。
Teamsでの共有と承認フロー M365環境では、作成した報告書をTeamsのチャンネルに投稿してCopilotに「この報告書に対する想定コメントや質問を3点挙げてください」と依頼できる。提出前の事前確認に活用できる。
報告書に関連するメール作成は Copilotでメールを書く手順 を参照してほしい。会議で決定した内容をまとめる議事録は Copilotで議事録を作成する手順 に手順を整理している。
まとめ
Copilotで報告書を作る手順を整理する。
- Word統合版(M365):「Copilotで下書き」に報告期間・実績データ・課題・来月方針を渡し、構成を指定して生成する
- ブラウザ版:実績メモや数値データを copilot.microsoft.com に貼り付け、報告書形式・文体・構成を指定して生成する
- 数値・担当者名・日付は人間がプロンプトで提供し、生成後は原データと照合する
「データをどう文章にするか」という変換作業をCopilotに任せることで、報告書作成の時間を大幅に短縮できる。
よくある質問
Q. CopilotでWordに報告書を直接生成できますか? Copilot for Microsoft 365(M365プラン)があれば、Wordの「Copilotで下書き」機能から報告書を直接生成できます。詳細は公式サイトで確認してください。
Q. Excelのデータを参照して報告書を作成できますか? M365環境では、ExcelファイルをCopilotが参照して文章を生成できる場合があります。ただし複雑なデータ分析はExcel上のCopilotで行い、その結果をWordで報告書化する手順が確実です。
Q. 週次報告・月次報告のような定型報告書にも使えますか? はい。定型フォーマットをプロンプトに含めるか、過去の報告書をテンプレートとして渡すことで、毎回同じ形式の報告書を効率よく生成できます。
Q. 報告書の数値や実績データはCopilotが自動で入力しますか? いいえ。Copilotは文章の整形と構成を担当しますが、実績数値や業務データは人間がプロンプトに含めて渡す必要があります。
よくある質問
CopilotでWordに報告書を直接生成できますか?
Copilot for Microsoft 365(M365プラン)があれば、Wordの「Copilotで下書き」機能から報告書を直接生成できます。詳細は公式サイトで確認してください。
Excelのデータを参照して報告書を作成できますか?
M365環境では、ExcelファイルをCopilotが参照して文章を生成できる場合があります。ただし複雑なデータ分析はExcel上のCopilotで行い、その結果をWordで報告書化する手順が確実です。
週次報告・月次報告のような定型報告書にも使えますか?
はい。定型フォーマットをプロンプトに含めるか、過去の報告書をテンプレートとして渡すことで、毎回同じ形式の報告書を効率よく生成できます。
報告書の数値や実績データはCopilotが自動で入力しますか?
いいえ。Copilotは文章の整形と構成を担当しますが、実績数値や業務データは人間がプロンプトに含めて渡す必要があります。