職種別AI仕事術

総務の用語集をAIで作る方法

総務の用語集をAIで作る方法

この記事の要点

就業規則・慶弔規程・設備管理など総務業務に登場する専門用語の用語集をAIで効率よく作る手順を解説します。社内研修や規程整備にそのまま使えるプロンプト例付き。

結論

総務の用語集は、AIを使えば規程文書や手順書を渡すだけで用語の抽出から定義文の作成まで一気に進められます。担当者が一つひとつ調べて書く必要がなく、用語の抜け漏れも減ります。社内研修・規程整備・引き継ぎ資料のどれにも使える汎用性の高い成果物が、数時間ではなく30〜60分で完成します。


用語集を作るメリットと「作れない理由」

総務の業務には、一般社員には馴染みの薄い用語が大量に登場します。就業規則の「裁量労働制」「変形労働時間制」、慶弔規程の「忌引き休暇」「家族の範囲」、設備管理の「法定点検」「消防用設備」といった言葉です。

これらの用語集があれば、新入社員の研修が楽になり、規程の問い合わせが減り、担当者が変わっても業務の質が保たれます。

では、なぜ多くの総務担当者が用語集を「作りたいが作れていない」かというと、「全部の用語をリストアップして定義文を書く」作業の手間が膨大だからです。

AIを使えばこの「リストアップ」と「定義文の初稿作成」をほぼ自動化できます。


使うAIツール

ツール向いている用途
Claude 3.5 Sonnet規程文書を丸ごと渡して用語を抽出させる
ChatGPT(GPT-4o)用語の定義文を社員向けにわかりやすく書き直す
Microsoft 365 CopilotWordやExcelの規程文書と連携して用語集を作る

社内規程の内容はセキュリティリスクを考慮し、企業向けプランを使用してください。


手順:AIで用語集を作る流れ

ステップ1:用語集の対象範囲を決める

「どの業務領域の用語集を作るか」を先に決めます。全領域を一気に作ろうとすると途中で止まりやすいため、まず1領域に絞ることをすすめます。

対象の例:

  • 就業規則・労務管理の用語
  • 設備管理・法定点検の用語
  • 慶弔規程・福利厚生の用語
  • 社内申請手続きの用語

ステップ2:元になる資料を用意する

用語集の素材として、既存の規程文書や手順書を用意します。あればそのままAIに貼り付けます。資料がない場合でも「就業規則でよく使われる用語」とだけ伝えればAIが代表的な用語を提案します。

ステップ3:用語の抽出プロンプトを送る

以下の就業規則の文章を読み、一般社員が知っておくべき専門用語をすべて抽出してください。
抽出した用語について、以下の形式で説明を作成してください。

【出力形式】
用語名:
読み方:(難読の場合のみ)
意味:(社員向けに50字以内でわかりやすく説明)
規程での使われ方:(就業規則の文脈で一言)
関連する用語:(あれば)

【就業規則の文章】
(ここに就業規則の文章を貼る)

ステップ4:資料がない場合の用語一覧作成

元になる規程文書がない場合は、以下のプロンプトで代表的な用語一覧を作れます。

総務担当者向けの「就業規則・労務管理用語集」を作成してください。
以下の条件で出力してください。

【条件】
- 新入社員が理解できる平易な説明
- 用語数:30〜40語
- 各用語の説明は60字以内
- カテゴリ別(労働時間・休暇・給与・懲戒・退職)に分類すること
- あいうえお順で並べること

特に「法定」「協定」「みなし」のような修飾語が付く用語は、修飾語の意味も含めて説明してください。

ステップ5:定義文の読みやすさを調整する

AIが作った定義文は、正確だが硬い表現になりやすいです。読み手に合わせて調整します。

以下の用語集の定義文を、新入社員(入社1年目の社員)が読んで理解できるよう、
難しい言葉を使わず自然な日本語に書き直してください。
ただし意味は変えないでください。

(用語集の一覧をここに貼る)

ステップ6:表形式に変換する

用語集はWordやExcel、社内ポータルで管理することが多いです。表形式に変換するよう指示します。

上記の用語集を、以下の列を持つ表形式に変換してください。
列:No. / 用語 / 読み方 / 意味(60字以内) / カテゴリ / 関連用語

具体例1:就業規則の用語集

就業規則の改定時期に合わせて、社員向けの用語解説集を作成する場面です。

就業規則の条文をそのままAIに貼り付け、「この条文に含まれる専門用語のうち、一般社員が理解に苦しむと思われるものを抽出してください」と依頼します。

「変形労働時間制」「裁量労働制」「フレックスタイム制」「コアタイム」など、AI側から「これも説明が必要では?」という提案が出てくることがあり、担当者が見落としていた用語をカバーできます。

用語集を作ったら就業規則の改定版と一緒にイントラネットに掲載すると、同じ内容の問い合わせを防げます。実際に、用語集を並べて掲載したことで「有給の申請方法」への問い合わせが大幅に減ったという総務担当者の例もあります。


具体例2:慶弔規程の用語解説

慶弔見舞金や忌引き休暇のルールは、実際に使う場面が突然やってくるため、担当者に問い合わせが集中しやすい分野です。

「忌引き休暇」「弔慰金」「見舞金」「家族の範囲(1親等・2親等など)」「社葬」といった用語について、社員が「自分が使うとき」に参照できる解説集をAIで作ります。

プロンプトに「社員が慶弔の際に焦らず参照できるよう、用語の意味だけでなく申請のタイミングと手続きの流れも一言添えてください」と加えると、用語解説+手順案内が一体になった実用的な資料が出来上がります。


うまくいかない場合の対処法

AIが一般的な定義を出してくるだけで社内ルールが反映されない場合

「以下の用語の定義文を、当社の就業規則の規定に沿って書き直してください。社内規定の内容は以下の通りです」として、規程の該当箇所を追加で貼り付けます。

用語の説明が長すぎて用語集として使いにくい場合

「各用語の説明を30字以内に短縮してください。詳細が必要な場合は補足として別行に書いてください」と指示します。

用語間の関連性が見えにくい場合

「上記の用語のうち、密接に関連するもの同士を線でつないだ概念図(テキスト形式で表現)を作成してください」と依頼すると、用語間の関係をわかりやすく整理できます。

法令の条文と齟齬がある可能性が不安な場合

「この定義文に法律の条文と矛盾する可能性がある記述があれば指摘してください。また、最新の法改正で変更されている可能性がある用語があれば教えてください」と確認します。法令の最新情報は公式ソースで必ず確認するようにしてください。


用語集を長く使い続けるための管理方法

用語集は「一度作ったら終わり」ではなく、法改正・規程改定のたびに更新が必要です。

更新の手順をAI活用で効率化するには、「改定前の規程と改定後の規程を両方渡し、用語の定義が変わっている箇所を指摘してください」と依頼する方法が有効です。差分を一つひとつ読む手間が省けます。

また、社員から「この言葉がわからない」という問い合わせが来た際に、その用語を用語集に追記していく運用にすると、自然と充実した用語集になっていきます。AIに「この用語を上記の用語集に追加してください」と依頼するだけで追記できます。


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よくある質問

用語集の作成にどのAIが向いていますか?

Claude 3.5 SonnetやChatGPT(GPT-4o)が適しています。既存の規程文書を渡して用語を抽出させる場合はClaude 3.5 Sonnetが長文処理に優れています。用語の定義文を社内向けにわかりやすく書き直す作業も両者が得意です。

法律用語の定義はAIに任せても大丈夫ですか?

法律用語の一般的な意味の説明はAIが対応できますが、自社の規程における具体的な運用は必ず確認が必要です。AIの出力は「一般的な解説」として使い、法令の条文や社内規程の条文と照合する作業は担当者が行ってください。

用語集はどこに公開するのが効果的ですか?

社内ポータルや規程集のそばに置くと参照頻度が上がります。入社時の研修資料に含める、新しい制度の説明会資料に添付するといった使い方も有効です。

用語の数が増えすぎた場合はどう整理しますか?

AIに『カテゴリ別(労務・設備・慶弔・会計など)に分類し、各カテゴリ内をあいうえお順に並べてください』と指示すると、大量の用語でも参照しやすい構成になります。