Amazon、自社AIチップ事業が年200億ドル規模。外販を検討
この記事の要点
AmazonのCEOが、自社設計チップ事業の年間売上が200億ドル規模に達したと述べた。TrainiumなどAI向けチップが牽引し前年比100%超で伸びる。AWS限定だったTrainiumの外販も検討中で、Nvidia一強の調達構造に変化が起きつつある。
結論
Amazonのアンディ・ジャシーCEOは、自社設計チップ事業の年間売上が200億ドル規模に達したと明らかにした。GravitonやAI学習用のTrainiumなどが牽引し、前年比100%超で伸びている。さらにAWS限定だったTrainiumを外部のデータセンターへ売る検討も進む。NvidiaのGPUに調達が偏ってきたAI業界で、選択肢が増える動きだ。
何が起きているか
ジャシー氏はQ1の決算で、Graviton、Trainium、Nitroを合わせた自社チップ事業が年200億ドルの売上規模に乗ったと述べた。仮に独立した半導体会社として外販すれば、年間500億ドル規模になるとも語っている。
AI学習用のTrainiumは、最新世代のTrainium3が2026年前半から出荷を始めた。前世代より30〜40%効率が上がり、すでにほぼ予約で埋まっているという。次のTrainium4も約18カ月後をめどに準備が進む。AmazonはOpenAIから約2ギガワット、Anthropicから最大5ギガワットの計算需要を確保したと公表しており、上位のAI企業が自社チップの大口顧客になっている。Anthropicとの大型提携はAnthropicがAmazonと5ギガワットで協力で取り上げた。
これまでAWS内に限っていたTrainiumを、外部に売る交渉も始まった。AWSのAI責任者は、AIの計算需要は供給を大きく上回っており、外販がクラウド事業を損なうことはないと説明している。配車のUberはAWSのTrainium3を採用し、Nvidia比で約半分のコストになると報じられた。チップ自社開発の流れはOpenAIがBroadcomと独自チップを開発とも重なる。
現場の実務にどう効くか
直接チップを買う企業は限られるが、調達構造の変化は料金に効いてくる。AI計算の供給元がNvidia以外にも広がれば、クラウド各社の値下げ余地が生まれる。AIの利用コストを見直すうえで、調達先の多様化は追い風になる。
実務では、自社が使うクラウドにNvidia以外のチップを選ぶ枠があるかを確認しておくとよい。学習や推論を大量に回す部署では、TrainiumのようなAWS独自チップに対応したモデルへ寄せると、同じ予算で処理量を増やせる場合がある。ただし対応モデルや得意な処理はGPUと異なるため、自社の用途で性能を測ってから本番に乗せる。投資の全体像はゴールドマンのAI設備投資予測、コスト判断は生成AI導入の費用対効果の考え方が参考になる。
出荷数や提携の詳細は変動する。最新の数字は各社の公式発表で確認してほしい。
出典
よくある質問
Trainiumとは何ですか
AmazonがAI学習用に自社設計したチップです。NvidiaのGPUに代わる選択肢として、AWS上でAIモデルの学習や推論に使えます。安く大量に確保しやすい点が企業の関心を集めています。
企業の調達にどう影響しますか
AI計算の調達先がNvidia以外にも広がります。Trainiumを使えば同じ予算でより多くの計算を回せる場合があり、コスト削減につながります。性能や対応モデルは用途で異なるため、自社の処理に合うか検証が要ります。