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銀行28社連合、AIチャットで資産運用を一括対応へ

銀行28社連合、AIチャットで資産運用を一括対応へ

この記事の要点

3メガバンクを含む銀行28社が、生成AIのチャットだけで資産運用の相談から商品の購入手続きまで完結させる仕組みを2028年度をめどに導入する方針を固めた。金融業界のAI活用が実務段階に入る動きを解説する。

三菱UFJフィナンシャル・グループを含む3メガバンクと地方銀行など、合計28社の銀行が連携し、生成AIのチャットだけで個人の資産運用相談から金融商品の購入手続きまでを完結させる仕組みを、2028年度をめどに導入する方針を固めたと報じられました。顧客はスマートフォンなどを通じて、年齢や収入、ライフプランに応じた投資商品の提案をAIとの自然な会話形式で受け、そのまま売買手続きまで進められるようになるとされています。

何が起きているのか

報道によれば、3メガバンクを含む28社は共同でAIエージェントの活用にあたっての課題を検討する枠組みをすでに動かしており、2027年3月をめどに論点整理を進めているとされます。今回の資産運用サービスの構想は、この一連の取り組みの延長線上にあるものです。目的として挙げられているのは、金融機関に共通する深刻な人手不足の解消と、新しいNISA制度などで関心が高まる投資初心者にとっての参入障壁を下げることです。これまで対面や電話が中心だった資産運用相談を、AIチャットという低コストで常時対応できる窓口に置き換えることで、相談できる顧客層を広げる狙いがあるとみられます。

これは1行単独の取り組みではなく、業界横断の連合として進められている点が特徴です。個々の銀行がばらばらに似た仕組みを開発するのではなく、共通の基盤や論点整理を通じて足並みをそろえることで、開発コストを抑えつつ規制対応も含めた体制を整えやすくする狙いがあるとみられます。具体的にどの生成AI技術を採用するか、各行がどこまで独自にカスタマイズするかといった詳細は、今後の発表を待つ必要があります。

なぜ銀行が足並みをそろえて動くのか

金融業界では近年、3メガバンクがそれぞれAIモデルへのアクセス権を確保する動きや、独自にAIを活用した与信審査を始める地方銀行の事例なども報じられてきました。個々の銀行が競い合ってAI活用を進める一方で、資産運用相談のように顧客保護や説明責任が強く問われる領域では、業界全体で足並みをそろえて検討する必要があるという判断が働いているとみられます。金融庁を含む関係機関との調整も必要になる分野であるため、1行だけで先行して仕組みを作るよりも、業界横断の枠組みで論点を整理しながら進める方が、後々の規制対応がしやすいという事情もありそうです。人手不足という共通の経営課題を抱える点も、競合関係にある銀行同士が協調する動機になっています。

他業界への波及をどう見るか

金融業界は本人確認や説明義務など、他業界と比べて規制が厳しい分野です。その金融業界でさえAIチャットによる一貫対応が現実的な検討段階に入ったという事実は、規制の緩やかな業界であればすでに同様の仕組みを導入できる余地があることを示唆しています。保険や不動産、士業など、専門的な相談業務を抱える他業界の企業にとっても、今回の動きは自社領域での応用可能性を考えるきっかけになります。ただし業界ごとに求められる説明責任の水準は異なるため、金融業界の設計をそのまま流用するのではなく、自社の業界特性に合わせた役割分担を検討する必要があります。

現場の実務にどう効くか

金融業界に限らず、対面や電話が中心だった相談業務をAIチャットに置き換える動きは今後さらに広がっていくとみられます。今回の28社連合の取り組みは、規制の厳しい金融分野でもAIによる商品提案から契約手続きまでの一貫対応が現実的な検討段階に入ったことを示しています。自社の業務でも、顧客対応の中でどこまでをAIに任せられるかを検討する際の参考事例になります。カスタマーサポート全般にAIを活用する際の基本的な考え方はカスタマーサポート向けAIツール比較と導入のコツにまとめています。ノーコードでAIチャットボットを構築する方法についてはAIチャットボット作成ツール比較も参考になります。

金融商品のように専門性と規制対応が求められる分野でAIチャットを導入する場合、誤った情報提供が顧客の資産に直接影響するリスクがあるため、対面や有人窓口とどう役割分担するかの設計が特に重要になります。自社の業界でAIチャットボットを導入する際も、AIが単独で完結できる範囲と、人が介在すべき範囲を最初に線引きしておくことが、トラブルを避けるうえで欠かせません。顧客対応の品質を高める視点はカスタマーサポートでのAI活用でも扱っています。

2028年度という実施時期はまだ数年先ですが、これだけ多くの銀行が共同で動き出したこと自体が、AIチャットによる高度な顧客対応が実務レベルで通用する段階に入ってきたことの表れです。自社の業界でも同様の変化が起きる前提で、いまのうちから対応方針を検討しておくことをおすすめします。

出典

よくある質問

いつから使えるようになりますか。

各行の報道によれば2028年度をめどに実用化を目指す方針です。実際の開始時期や対応する金融機関は今後変わる可能性があるため、各行の公式発表で最新の状況を確認してほしい。

対面での相談は無くなるのですか。

現時点の報道では、AIチャットは投資初心者や日常的な相談への対応を担う位置づけで、対面相談を全廃するとは説明されていません。詳細な役割分担は各行の公式情報を確認する必要がある。