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予防医療のNeko Health、7億ドル調達

予防医療のNeko Health、7億ドル調達

この記事の要点

全身をスキャンする予防医療サービスのNeko Healthが7億ドルを調達し、評価額は約70億ドルに達した。ザッカーバーグ氏らも出資し、米国進出も本格化する。

結論

全身をスキャンして病気の兆候を早期に見つける予防医療サービスを展開するスウェーデンのNeko Healthが、7億ドルのシリーズC資金調達を実施した。評価額は約70億ドルとなり、2025年1月のシリーズBから4倍に膨らんだ。音楽配信サービスSpotifyの創業者ダニエル・エク氏が立ち上げた企業で、調達資金を米国進出に充てる。

何が起きたのか

今回の調達はLightspeed Venture Partnersが主導し、O.G. Venture Partnersが共同で主導した。既存投資家のAtomico、General Catalyst、Lakestarに加え、Liberty City VenturesやPositive Sum、BDT & MSDが新たに参加し、Meta最高経営責任者のマーク・ザッカーバーグ氏とプリシラ・チャン氏、起業家のティム・フェリス氏、元プロテニス選手のマリア・シャラポワ氏、ミュージシャンのウィル・アイ・アム氏、そしてOpenAIも出資者に名を連ねた。

Neko Healthは、画像診断用のハードウェアから臨床用ソフトウェア、クリニックの運営まで自社で手がける垂直統合型のビジネスモデルを取る。看板サービスのNeko Health Scanは、放射線を使わない60分間の全身検査で、皮膚のほくろや斑点、糖尿病予備群を示す血液の指標、代謝異常や脳卒中、心筋梗塞につながるリスク要因まで、数百万件の健康データを一度に収集する。料金は英国で299ポンド、スウェーデンで2750クローナに設定されている。過去の検査で重篤な症状が見つかった利用者のうち、4人に3人が次回の検査までに状態を改善させたという臨床結果も報告されている。世界で35万人が利用登録の順番待ちをしており、年内には米国第1号店をニューヨークのマンハッタンに開く予定だ。

ハードウエアも自社開発する理由

Neko Healthが画像診断機器から自社で開発している背景には、既存の医療機器メーカーの製品では、大量の健康データを短時間で集めて分析するという同社の狙いに合わなかった事情があるとみられる。検査機器とソフトウエア、クリニック運営までを1社で垂直統合することで、検査結果の分析にAIを使う際のデータの一貫性を保ちやすくなり、改善のたびに機器とソフトウエアを同時に更新できる。この設計思想は、医療分野に限らず、AIを前提にした製品開発を一から手がける企業に共通する発想として参考になる。

現場の実務にどう効くか

日本企業にとって直接の取引先になる話ではないが、AIを使った予防医療への投資が急拡大している事実は押さえておきたい潮流だ。健康診断や人間ドックを福利厚生として提供している企業では、AIを使った検査サービスの精度や対応範囲が今後数年で大きく変わる可能性がある。人事・総務部門が福利厚生の見直しを検討する際は、こうした海外の動向も判断材料に加えておくとよい。医療・介護分野でのAI活用の現状は/articles/healthcare-ai-implementation-cases//articles/healthcare-admin-with-ai/で扱っている。

投資家の顔ぶれにも注目したい。著名な経営者や有名人が個人として出資する動きは、AIを使ったヘルスケア領域への期待の高さを示している。/articles/news-20260705-crunchbase-h1-vc-record/で触れたAI投資全体の拡大とあわせて見ると、ヘルスケアはAI資金が最も集まりやすい分野の一つになりつつあることがわかる。

評価額4倍という急成長の背景

シリーズBからわずか1年半で評価額が4倍になった背景には、健康診断や人間ドックの需要そのものが世界的に伸びていることに加え、AIによる画像解析や検査結果の統合分析が、従来の検査より短時間で幅広い項目を扱えるようになったことがある。350万人規模の順番待ちリストは、供給よりも需要が先行している状態を示しており、資金調達の主な目的も新規クリニックの開設によって供給能力を追いつかせることにある。予防医療への投資が一巡した後、同様のモデルが日本を含む他の市場に広がるかどうかも注目される。

出典

よくある質問

Neko Health Scanとはどんな検査か

放射線を使わない60分間の全身検査で、皮膚や血液の指標から代謝異常や脳卒中などのリスク要因まで幅広く調べる。料金や提供国は公式サイトで確認してほしい。

日本でもNeko Healthのサービスは使えるか

2026年7月時点では英国とスウェーデンが中心で、今後米国のニューヨークに拠点を開く計画が明らかになっている。日本展開の有無は公式発表で確認してほしい。