AIがコンサル業界の稼ぎ方を揺らす 企業の内製化が進む
この記事の要点
FTによると、企業がAIツールでコーディングや調査を内製化し、外部コンサルへの依存を減らしている。人数と時間で稼ぐモデルが崩れ、コンサル各社はAI導入やガバナンス支援へ軸足を移す。発注側にも仕事の任せ方の見直しを迫る。
結論
企業がAIツールを使って、これまで外部コンサルに任せてきた作業を社内でこなし始めている。Financial Timesによると、コーディング、ソフト導入、調査、分析といった仕事が内製化され、人数と時間で稼ぐコンサルのモデルに圧力がかかっている。業界全体は今年も成長が見込まれるが、仕事の中身は動いている。発注する企業にとっては、どの作業を社内で回し、どこを外に頼むかを引き直す機会だ。
何が起きたのか
Financial Timesの報道では、生成AIが調査、プレゼン資料、コード、文書の作成にかかる人手を減らし、コンサルを支えてきたピラミッド型の人員構成を弱めているという。若手を多く抱えて時間単価で稼ぐ構造が、AIによって前提から崩れつつある。
コンサル各社は、AI導入支援、セキュリティ、組織変革へと軸足を移して対応している。同時に、企業がAIで自前の実装や運用を進めるほど、製品に付随するシステム連携やコンサル案件も減りうる。一方で、ガバナンス、データ設計、大規模展開を理解する専門家の需要は増える。外部の知見が本当に価値を生む場所が、作業代行から専門判断へと移っていく。
この流れは、コンサル自身のAI活用とも重なる。8月末にはBainがコンサル業務にClaudeを全社導入する動きも出た。職種の観点では、コンサルタントの提案業務をAIで支える方法や、FDEとコンサルタントの役割の違いが参考になる。
現場の実務にどう効くか
発注側の実務では、まず「AIで内製できる作業」と「外に頼む価値がある作業」を分けることから始める。市場調査の一次情報集め、たたき台の資料、定型の分析は社内のAIで回せる場合が多い。ここを内製に寄せるだけで、外注費を数割単位で削れることがある。
外部に残すのは、業界特有の判断、複数部門にまたがる設計、法規制やデータ基盤の見極めなど、失敗した際のコストが大きい領域だ。契約でも「成果物の点数」ではなく「意思決定の質」で価値を測る発想に切り替えたい。既存のコンサル契約があるなら、次の更新時に、AIで置き換わった作業を洗い出して発注範囲を絞り込む。社内にAIで資料や分析を任せる担当を置くと、内製の精度が安定する。
FAQ
Q. すべてのコンサル案件が減るのか。 いいえ。作業代行に近い案件は減りやすい一方、AI導入、ガバナンス、大規模展開の支援は需要が増えます。
Q. 内製化の第一歩は何か。 調査や資料作成など、失敗コストが小さく量の多い作業から社内のAIに寄せることです。外注は専門判断に絞ります。
まとめ
AIはコンサルの稼ぎ方を、人数と時間から専門判断へと押し出している。発注側は内製できる作業を切り分け、外部依頼を意思決定の質で測る運用へ移したい。
出典
よくある質問
コンサル業界はなくなるのか
なくなるという話ではありません。人数で課金する従来型の案件が減り、AI導入やガバナンス、大規模展開の支援へ需要が移るという変化です。
発注する企業は何をすべきか
調査や資料作成、簡単な開発など、AIで内製できる作業を切り分けます。外部に頼む範囲を、専門判断や大規模な設計に絞ると費用対効果が上がります。