最新動向

Ciscoが全社員約9万人に専用AIエージェントを配布

Ciscoが全社員約9万人に専用AIエージェントを配布

この記事の要点

Ciscoが社内向けプログラムMyAgentを全世界約9万人の従業員に展開した。役割やチーム、直近の業務状況に合わせて情報を出し、定型作業を自動化する。試験導入から全社標準への転換を示す事例。

結論

Ciscoが社内向けAIエージェントのプログラム「MyAgent」を、全世界の従業員およそ9万人へ展開した。各エージェントは従業員の役割、チームの文脈、直近の業務状況を読み取り、必要な情報を出し、社内ツールとナレッジベースをまたいで定型作業を自動化する。少人数の試験導入で終わらせず、会社全体の標準ツールとして配ったことが、この発表の核心にある。

ここで押さえたいのは、エージェントの配布規模ではなく「配り方」だ。全員に同じチャットボットを渡すのではなく、役割ごとに文脈を与えた個別のエージェントを配った点が、これまでの社内AIとの違いになる。

何が発表されたか

Ciscoは、MyAgentプログラムを約9万人の全従業員に拡大したと明らかにした。従来、多くの企業では部署ごとにばらばらのチャットボットが乱立し、社員はどれを使えばよいか分からない状態に陥りがちだった。MyAgentはこれを、社内の複数システムを横断する一つの助手にまとめる設計を取る。

各エージェントは、その社員の役割や所属チーム、最近の活動履歴を手がかりに、関連しそうな情報を先回りして提示する。問い合わせ対応や資料の下調べ、社内ナレッジの検索といった、日々繰り返される作業を肩代わりする。

全社に配ることには、部門ごとのチャットボット乱立を解消する狙いもある。社員がツールを選ぶ手間が消え、どこで何を尋ねればよいかという迷いが減る。役割に応じた文脈をあらかじめ持たせることで、汎用のチャットボットにありがちな「一般論しか返さない」状態も避けやすくなる。社内文書を横断して探す仕組みの選び方は社内文書を検索できるAIツール比較 導入のポイントにまとめてある。

社内エージェントを全社に配る動きは、Ciscoに限らない。業務アプリの4割がAIエージェントを標準搭載へ向かうという見立てもあり、詳しくは業務アプリの4割がAIエージェント搭載へ 実験から標準へで扱っている。試験導入から全社展開への移行は、2026年のAI活用の大きな流れになっている。

現場の実務にどう効くか

自社で同じことをするなら、Ciscoの進め方が参考になる。まず役割ごとの文脈を定義する。営業なら担当顧客と案件、経理なら締め処理と経費規程というように、その職種がふだん参照する情報とアクセスしてよい権限を先に決める。次に、頻度の高い作業を数個だけ選び、質問への回答から実際の処理まで、端から端まで自動化する。全業務を一気に置き換えようとせず、範囲を絞ることが失敗を避ける近道になる。

同時に、エージェントがどのデータに触れられるかを制御するルールが欠かせない。役割に応じた権限設計は生成AIのアクセス権限管理 誰がどのAIを使えるかを組織で制御するにまとめてある。全社に配るほど、権限の設計ミスが広い範囲に響く。

導入効果を測る視点も忘れてはならない。エージェントの節約時間と本番稼働率には差が出やすく、AIエージェント調査 週6.4時間を節約 本番稼働は31%どまりが示すように、配っただけでは成果に直結しない。どの作業でどれだけ時間が減ったかを継続して計測し、使われていないエージェントは作り直す前提で運用したい。なお各社の提供機能や条件は更新が早いため、最新は公式で確認してほしい。

まとめ

Ciscoの発表は、社内AIが一部門の実験から全社の基盤へ移る段階に入ったことを示す。規模を追うより、役割ごとの文脈設計と権限管理、そして効果測定の3点を先に固めることが、自社導入の分かれ目になる。

出典

よくある質問

CiscoのMyAgentは何をするのか

従業員の役割やチームの文脈、直近の活動をもとに、必要な情報を提示し、社内ツールやナレッジ横断の定型作業を自動化する社内向けAIエージェントです。全世界の従業員約9万人に配布されました。

自社で同じ仕組みを作るには何から始めればよいか

役割ごとに参照する情報と権限を定義し、頻度の高い定型作業を数個選んで端から端まで自動化するところから始めます。エージェントが触れてよいデータの範囲を先に決めることが要点です。