Copilotで人事評価コメントを下書きする手順
この記事の要点
Microsoft Copilotを使えば、人事評価コメントの下書きを素早く作れる。プロンプト例と手順を解説。M365版・ブラウザ版の違いも説明する。
結論
Copilotに評価対象者の業績・行動・課題をテキストで渡せば、評価コメントの下書きを数分で生成できる。毎回ゼロから文章を考える必要がなくなり、評価期間中に数十人分のコメントを書く管理職の負担が大幅に減る。M365のライセンスがあればWordやOutlookから直接使え、なければcopilot.microsoft.comのブラウザ版で同様の作業ができる。
前提:必要なプランとアクセス方法
ブラウザ版(copilot.microsoft.com) Microsoftアカウントでサインインすれば無料で使える。1日あたりのメッセージ数に上限がある。有料のCopilot Proプランでは制限が緩和される。詳細な料金・制限は公式サイトを確認してほしい。
Copilot for Microsoft 365(Word / Outlook統合版) WordやOutlookのリボンからCopilotを呼び出せる。評価シートをWordで管理している場合、文書内にCopilotパネルを表示して直接下書きを挿入できる。このためには、Microsoft 365の対象ライセンスが必要だ。どのプランで使えるかは組織のライセンス担当者または公式サイトで確認が必要だ。
手順:ブラウザ版Copilotで評価コメントを作る
ステップ1:評価情報を手元に用意する
プロンプトに含める情報を整理する。
- 評価対象者の役職・職種・担当業務
- 評価期間
- 主な業績・成果(数値があれば理想的)
- 目立った行動・姿勢・コミュニケーション面の特徴
- 課題・改善が必要な点(あれば)
- 評価の総合感(期待以上、概ね期待通り、要改善など)
- コメントの文字数の目安(社内評価フォームで決まっている場合)
記憶に頼らず、日頃からメモしておいた観察記録があると、より具体的なコメントが生成できる。
ステップ2:プロンプトを入力する
copilot.microsoft.com を開き、以下のようなプロンプトを入力する。
以下の情報をもとに、人事評価コメントを書いてください。
【対象者】営業部 主任(勤続5年)
【評価期間】2025年度下期(2025年10月〜2026年3月)
【主な業績・成果】
・担当エリアの新規顧客獲得件数:目標12件に対して16件(達成率133%)
・既存顧客の売上継続率:98%(部内トップ)
・大口案件(年間500万円)のクロージングに単独で成功
【行動・姿勢面の観察】
・チームの後輩に対して自発的にロールプレイの練習相手になっていた
・月次報告書を毎回締め切り前日に提出していた
・顧客からの急な仕様変更にも冷静に対応していた
【課題・改善点】
・新サービス領域の知識が不足しており、専門的な提案ができない場面があった
・上長への報告よりも自己判断で進めることが多く、情報共有のタイミングが遅い
【総合評価】期待以上
【コメント文字数の目安】250〜300字
マネージャーが部下に渡す評価コメントとして、成果を具体的に示しつつ今後の期待も盛り込んだ文章にしてください。
ステップ3:生成結果を確認・修正する
生成されたコメントを読み、以下の点を確認する。
- 事実と異なる記述がないか
- 自社の評価制度のトーンや文体と合っているか
- 改善点の伝え方が建設的になっているか
- 文字数が評価フォームの制限に収まっているか
調整が必要な場合はチャット上で追加指示を出す。
課題の部分をもう少し前向きな表現に変えてください。「不足している」ではなく「伸びしろとして期待している」という視点で書き直してください。
ステップ4:最終確認して評価フォームに貼り付ける
出来上がったコメントをコピーし、HR システムや評価フォームに貼り付ける。送信前に必ず自分で読み返し、最終判断を下す。評価コメントは対象者に渡る公式文書だ。内容の妥当性は管理職自身が責任を持って確認しなければならない。
手順:Word統合版Copilotで評価コメントを作る(M365環境)
ステップ1:WordでCopilotを呼び出す
評価シートをWordで管理している場合、Wordを開いてリボン上のCopilotボタンをクリックする。もしくは、文章を入力したい箇所で「/」を入力するとCopilotの入力欄が表示される環境もある(バージョンにより異なる)。
ステップ2:Copilotパネルに指示を入力する
ブラウザ版と同様に、評価情報をテキストで貼り付けてコメント生成を依頼する。Wordの場合、生成結果をそのまま文書内に挿入できる。
ステップ3:既存の文書を参照させる
M365 Copilotでは、OneDriveやSharePointに保存された文書を参照してコメントを生成できる機能がある。過去の評価シートや業績データのExcelをCopilotに参照させ、それをもとに今期のコメントを作ることも可能だ。ただしこの機能の可否は組織の設定によって異なる。
プロンプトの書き方:よく使うパターン集
パターンA:目標超過の高評価コメント
以下の情報をもとに、目標を大幅に超えた部下へのポジティブな人事評価コメントを書いてください。
役職:マーケティング担当(3年目)
業績:月間SNSフォロワー目標200人に対して430人増加。広告費単価を前期比20%削減しながら達成。
行動:チーム全員に自分のノウハウをまとめたドキュメントを作成・共有した。
今後の期待:チームリーダーとしての役割も担ってほしい。
文字数:200字程度
パターンB:改善が必要な点を含むコメント
目標は概ね達成しているが、協調性に課題がある部下への評価コメントを書いてください。
成果面:目標80%達成
課題:他部門との連携場面で自分のやり方に固執し、摩擦が起きた
改善期待:来期は相互理解を意識した動き方を求めたい
トーン:本人が前向きに受け取れるよう、課題を成長の機会として伝える
文字数:250字以内
パターンC:育成中の若手へのコメント
入社2年目で成長途上にある若手へのコメントを書いてください。
現状:指示された業務は確実にこなせるが、自律的な提案や問題提起はまだ少ない
良い点:ミスが少なく、丁寧な仕事ぶりが信頼につながっている
今後の期待:業務に慣れてきた今期からは、自分なりの改善提案を積極的に出してほしい
文字数:200字程度
パターンD:複数人分を一括で作る場合
以下の3名分の評価コメントをそれぞれ200字以内で書いてください。
1人目:【役職】経理スタッフ【業績】月次決算を毎月3日前倒しで完了【課題】特になし【総合】期待以上
2人目:【役職】営業担当【業績】目標達成率90%【課題】顧客報告の質を高める必要がある【総合】概ね期待通り
3人目:【役職】カスタマーサポート担当【業績】対応件数業界トップ【課題】複雑なクレームへの対応力強化が必要【総合】期待以上
一括処理も可能だが、人数が多くなるとCopilotの出力精度が落ちることがある。5人程度を上限に分けて処理する方が品質が安定する。
うまくいかない場合のポイント
問題1:コメントが抽象的すぎる
「主体性がある」「コミュニケーションが取れる」のような抽象的な表現しか出てこない場合、プロンプトに具体的なエピソードが不足している。観察した行動の例(「月1回の部門横断会議に毎回発言した」「締め切り前日に必ず確認の連絡を入れていた」など)を追加すると改善する。
問題2:毎回同じパターンの文章になる
複数人分を続けて生成すると、構成や表現が類似してくる。「これまでと違う構成で書いてください」「出だしを変えてください」「エピソードを中心に書いてください」と変化を求める指示を加えると、バリエーションが生まれやすい。
問題3:社内評価制度の語彙と合わない
社内に固有の評価軸(たとえば「チャレンジ」「ワンチーム」などの自社バリュー)がある場合は、プロンプトに「自社のバリューである〇〇の観点も反映してください」と明示する。社内で使われる言葉をそのまま入れると、文体が統一しやすい。
問題4:改善点の伝え方がきつくなる
Copilotは課題を直接的に書きすぎることがある。「相手が前向きに受け取れる表現で」「課題ではなく伸びしろとして伝える」といった指示を加えると、建設的なトーンに変えやすい。
M365統合版とブラウザ版の使い分けまとめ
| 場面 | 向いている経路 |
|---|---|
| WordのテンプレートにそのまmaInsertしたい | Word統合版(M365が必要) |
| 過去の評価書・業績データを参照させたい | Word/Copilot統合版(OneDrive連携が必要) |
| M365ライセンスがない環境 | ブラウザ版 |
| 複数パターンを試してから選びたい | ブラウザ版(会話形式で試しやすい) |
| 複数人分をまとめて下書きしたい | ブラウザ版(1つの会話で続けて指示できる) |
注意点:評価コメントとCopilotの使い方
評価コメントはCopilotが自動で完成させるものではない。人事評価は対象者のキャリアや処遇に影響する重要な判断だ。
- Copilotが生成した内容をそのまま提出しない。必ず自分で確認・修正する。
- 個人情報や機密情報をプロンプトに含める際は、社内のAI利用ポリシーを確認する。
- 最終的な評価の妥当性と表現の責任は、コメントを提出する管理職にある。
Copilotはあくまで「文章の土台を作るツール」として使い、内容の判断は人間が行う運用を徹底することが重要だ。
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よくある質問
CopilotはHRシステムの評価フォームと連携できますか?
一般的なHRシステムとの直接連携はありません。Copilotで生成した文章をコピーしてHRシステムに貼り付ける運用になります。
評価コメントをCopilotで生成することに倫理的な問題はありますか?
AIが生成したコメントをそのまま提出するのではなく、管理職自身が内容を確認・修正し、最終的な判断を下すことが重要です。Copilotはあくまで下書きツールとして使い、最終承認は必ず人間が行ってください。
評価コメントが毎回似たような表現になる場合の対処法は?
プロンプトに「前回とは違う表現で」「体験談を中心に具体的なエピソードを使って」などの制約を加えると、パターンを変えやすくなります。また、複数案を出させて選ぶ方法も効果的です。
ネガティブな評価コメントも書けますか?
書けます。改善が必要な点を伝えるコメントを依頼する際は、具体的な行動や結果を根拠として示し、建設的なフィードバックになるよう指示してください。