CopilotでRFPを作る手順
この記事の要点
Microsoft CopilotでRFP(提案依頼書)の構成から本文まで作成する手順を解説。WordやTeamsとの連携方法、要件定義とプロンプト設計のポイントをプロンプト例付きで紹介。
結論
RFPの作成は、記載すべき項目が多く構成設計から時間がかかる。Copilotに自社の調達目的・課題・条件を渡すと、セクション構成の提案から各セクションの文章生成まで対応できる。WordのCopilot統合版を使うと、文書を開いたまま各セクションを順番に埋める作業が効率化される。作成したRFPをTeamsで共有して関係者レビューを回す流れも、M365環境ではスムーズに組める。
前提:利用できるプランとアクセス場所
スタンドアロン版(copilot.microsoft.com) ブラウザから無料でアクセスできる。RFPの構成案や各セクションの文章をチャットで生成し、自社Wordテンプレートに転記して活用する。
Word統合版(Copilot for Microsoft 365) Microsoft 365のCopilotアドオンが必要。Wordで文書を開いたままCopilotに各セクションの文章を生成・挿入させることができ、文書全体の一貫性が保ちやすい。最新のプラン・料金は公式サイトで確認してほしい。
RFPの基本構成
一般的なRFPに含まれる主要セクションは次のとおり。プロジェクトの規模や業種によって追加・削除が必要になる。
- 発行情報:タイトル・発行日・発行者(会社名・担当部署)・提案締切日
- 背景と目的:なぜこの調達が必要か、現状の課題と解決したいこと
- 調達概要:調達するシステム・サービス・業務の概要
- 要件定義:機能要件・非機能要件(性能・セキュリティ・可用性など)
- プロジェクト要件:スケジュール・体制・マイルストーン
- 提案要件:提案書に含める内容・形式・提出方法
- 評価基準:提案をどのように評価するか
- 契約・支払い条件:予算規模・支払い方法・契約形態(SES・請負・月額など)
- 守秘義務と取り扱い:提案内容の機密扱いについて
- 問い合わせ先:RFPに関する質問の窓口
Copilotへの指示は、このセクション構成を念頭に置いて作ると出力が整理されやすい。
手順1:スタンドアロン版でRFPの構成を作る
1-1. copilot.microsoft.comにアクセスしてサインイン
1-2. まず構成案を依頼する
全文を一度に生成するより、まず構成を固めてからセクションごとに文章を作る方が精度が上がりやすい。
以下の調達について、RFP(提案依頼書)の構成案を作成してください。
【調達の目的】
現在、社内の経費精算が紙ベースで行われており、処理に時間がかかっている。
クラウドベースの経費精算システムを導入し、申請から承認・仕訳までのプロセスを自動化したい。
【会社の状況】
・従業員数:約300名
・現在のシステム:なし(手書き申請書→経理に提出)
・予算規模:初期費用200万円以内、月額15万円以内
・希望スケジュール:2027年1月稼働
【構成案の条件】
・一般的なRFPの構成をベースにしつつ、このプロジェクト固有のポイントを反映させる
・各セクションのタイトルと、含めるべき内容を3〜5行で説明してほしい
1-3. 各セクションの本文を順番に生成する
構成案が出力されたら、セクションごとに続けて依頼する。
上記の構成案のうち「2. 背景と目的」セクションの本文を作成してください。
以下の情報を必ず含めてください。
- 現状の課題:申請から承認まで平均5日かかっている
- 申請書の紛失が月に数件発生している
- 経理担当者が集計に毎月丸2日かけている
- 目的:申請〜承認を当日中に完結させる
300字程度のビジネス文書の文体で。
同様に「3. 調達概要」「4. 要件定義」と順番に生成する。
手順2:要件定義セクションを詳細に作る
要件定義はRFPの中で最も重要なセクションであり、記載の詳細さが提案の質を左右する。機能要件と非機能要件を分けて指示を出す。
以下の条件で、クラウド経費精算システムのRFP用「要件定義」セクションを作成してください。
【機能要件(必須として記載してほしい項目)】
- スマートフォンからの領収書撮影・申請
- 承認フローのカスタマイズ(1段階〜3段階承認に対応)
- 仕訳データの出力(自社の会計システムとのCSV連携)
- 申請状況のリアルタイム確認
【非機能要件】
- 稼働率:99%以上
- データ保存期間:7年以上
- ISO 27001またはISMS認証を取得していること
- 日本語サポートが対応していること
- 300名同時利用での応答速度:3秒以内
【形式】
- 機能要件・非機能要件を分けて箇条書き
- 必須要件と推奨要件を区別する
- 各項目は判断しやすいよう具体的な基準を含める
手順3:Word統合版でRFP全文を作成する
3-1. 自社のRFPテンプレートをWordで開く
テンプレートがない場合は、空白のWord文書に手順1で作った構成案を見出しとして入力しておく。
3-2. Copilotを起動してセクションを埋める
WordのCopilotを呼び出し、各見出しに対して文章を挿入していく。カーソルを「背景と目的」の下に置いた状態でCopilotを呼び出し、次のような指示を出す。
このセクション(背景と目的)に以下の内容を挿入してください。
現状:経費申請が紙ベースで処理に5日かかっている。申請書の紛失も月数件発生。
経理担当者が集計に毎月2日費やしている。
目的:申請〜承認を当日完結にし、経理工数を削減する。
ビジネス文書の文体、300字程度。
同じ操作を各セクションで繰り返すことで、Wordに文書全体が積み上がっていく。
3-3. 全体の整合性を確認する
すべてのセクションが入力できたら、通し読みして内容の矛盾・表現のばらつき・情報の重複をチェックする。Copilotに「このドキュメント全体の文体と表現を統一してください」と依頼することで、全体の読みやすさを整える提案をしてもらうことも可能。
手順4:評価基準セクションを作る
評価基準のセクションは、発注者がどの観点でベンダーを選ぶかを明示する重要なセクション。点数配分の考え方も含めて作成できる。
以下の条件で、RFPの「評価基準」セクションを作成してください。
【評価観点と重み(合計100点)】
- 機能の充足度:30点
- 費用(初期+ランニング):25点
- 導入実績・サポート体制:20点
- セキュリティ・信頼性:15点
- 導入スケジュールの現実性:10点
【条件】
- 各観点について「何を評価するか」を1〜2文で補足する
- 点数と観点を表形式でまとめる
- 「本評価基準はあくまで参考であり、総合的に判断する」旨の注記を末尾に入れる
手順5:提案書提出要件・問い合わせ先セクションを作る
以下の情報をもとに、RFPの「提案要件・提出方法」と「問い合わせ先」セクションを作成してください。
【提案書に含める内容】
1. 会社概要・実績
2. 提案する製品・サービスの概要
3. 機能要件への適合状況(機能一覧に対して可否を記載)
4. 導入スケジュール案
5. 費用(初期費用・月額費用・オプション費用の内訳)
6. サポート体制
【提出方法】
- PDF形式
- 提出先メールアドレス:rfp@example.co.jp
- 締切:2026年7月31日 17:00まで
- ファイル名:「会社名_経費精算RFP提案書.pdf」
【問い合わせ先】
- 担当:総務部 情報システム課 鈴木花子
- メール:rfp@example.co.jp
- 質問受付期間:2026年7月1日〜7月15日
- 回答方法:メールで全社に一括回答
ビジネス文書形式で。
うまくいかない場合のポイント
要件定義が抽象的になる プロンプトに「定量的な基準を含める(例:応答速度3秒以内・稼働率99%以上)」と明示する。
セクション間で情報が重複する 全セクション生成後に「このドキュメント内の重複している箇所を整理してください」とCopilotに依頼する。
業種・システムに合わない文章になる プロンプトの冒頭に業種・調達対象・発注側の規模を明記する。
文書が長くなりすぎる 各セクションに「○字程度」と文字数を指定するか、「骨格だけを記載し、詳細はベンダーとの対話で補う方針で簡潔にまとめてください」と指示する。
技術仕様の正確性が心配 Copilotはシステム要件のひな形は出力できるが、自社のインフラや既存システムとの整合性はCopilotには判断できない。IT担当者・情報システム部門が精査する前提で使う。
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よくある質問
RFPとはどんな書類ですか?
RFPはRequest for Proposalの略で、発注者がシステム・サービス・業務委託などの調達にあたり、複数のベンダーや提案者に対して提案内容・価格・実績などを示すよう求める文書です。提案依頼書とも呼ばれます。
CopilotはRFPの要件定義からサポートしてくれますか?
Copilotに自社の課題や目的を伝えると、要件定義の観点をリストアップしたり、記載すべき項目の構成案を提示したりできます。ただし要件の内容は自社固有のビジネス判断が必要なため、あくまで起点として活用し、最終的には担当者が内容を精査してください。
WordのCopilotでRFPの全文を作成できますか?
Copilot for Microsoft 365のアドオンが必要ですが、Wordでセクションごとに指示を出しながらRFPを積み上げることができます。自社のテンプレートを開いてCopilotに各セクションの文章を埋めさせる形が実用的です。
RFPの技術的な要件(システム要件・セキュリティ要件など)もCopilotで作れますか?
Copilotはシステム要件やセキュリティ要件のひな形を生成できますが、具体的な技術仕様(API連携の要件・SLAの数値・データ保持期間など)は自社の要求に合わせて人が追記・修正する必要があります。Copilotの出力を出発点として、ITや情報システム担当者が精査することを推奨します。