職種別AI仕事術

経営企画の業務チェックリストをAIで作る方法

経営企画の業務チェックリストをAIで作る方法

この記事の要点

経営企画担当者が予算策定・KPI報告・経営会議・中期計画などの業務チェックリストをAIで作成・管理する手順を解説。抜け漏れゼロに近づくプロンプト例付き。

結論:チェックリストは「一度作れば繰り返し使える資産」であり、AIが初版作成のコストを9割削る

経営企画の業務は繰り返しサイクルが多い。月次の業績報告、四半期の予算修正、年一度の予算策定、中期経営計画の更新。いずれも「毎回似たような手順で動くが、一つでも抜けると大きな問題になる」業務だ。

チェックリストがない状態では、担当者の記憶と経験に依存することになる。担当者が変わったとき、繁忙期に複数の業務が重なったとき、抜け漏れが発生しやすくなる。

AIを使えば業務フローの箇条書きを渡すだけで、30分かかっていたチェックリストの初版が5分で出る。社内固有の情報を補完するだけで即日使える形になる。


使うAIツール

  • ChatGPT(GPT-4o) または Claude(claude.ai): チェックリストの構造化・文章整理に使う
  • Notion AI: Notionのドキュメント内でチェックリストを直接生成・管理できる
  • スプレッドシート + AIプロンプト: GoogleスプレッドシートやExcelに転記する場合、AIにMarkdownまたはCSV形式で出力させると貼り付けが楽になる

手順:5ステップで業務チェックリストを完成させる

ステップ1:対象業務を決め、スコープを明確にする

すべての業務を一気にチェックリスト化しようとすると手が止まる。まず1業務に絞る。経営企画で優先度が高いのは以下だ。

業務チェックリスト化の優先度理由
取締役会・経営会議の事前準備抜け漏れが直接役員対応に影響
年度予算策定プロセス関係者が多く進行管理が複雑
月次KPI報告書の作成毎月繰り返す定型業務
中期経営計画の更新年1〜2回だが作業量が大きい
役員向け資料の作成・確認フローフォーマット・確認ルートが属人化しやすい

ステップ2:業務の流れをラフに書き出す

チェックリストに含めたい作業を思いつくままに書き出す。順序や文体は問わない。AIが整理してくれる。

月次KPI報告書作成の場合の例:

  • BIから前月データを抽出(毎月第2営業日)
  • 売上・利益・KPI項目を前月・計画・前年と比較
  • 差異 ±5%超の項目に原因コメント記入
  • 所定Excelテンプレートに貼り付け
  • 上長に送付(第4営業日12:00締め切り)
  • 承認後、経営会議スライドに転記
  • 最終ファイルをSharePointに保存

ステップ3:AIにチェックリストを生成させる

手順2の内容をプロンプトに貼り付けて、整理されたチェックリストを出力させる。

以下は「月次KPI報告書の作成」業務のフローをラフに書いたものです。
これをもとに、担当者が確認しながら進められるチェックリストを作成してください。

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(手順2の箇条書きをここに貼り付ける)
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以下の形式で作成してください:

【準備・前提確認】
□ (前提条件の確認項目)

【作業手順】
□ ステップ1: (具体的な作業)
□ ステップ2: ...

【完了確認(送付前)】
□ (送付前の確認項目)

【完了後の処理】
□ (ファイル保存・報告等)

社内固有の情報が不明な箇所は【要確認】と記載してください。
各確認項目には、目安の所要時間も(括弧)で添えてください。

括弧書き補足の禁止については、本文中に補足を入れる場合は地の文で説明するルールを守るが、チェックリスト内の所要時間表記はコードブロック外の表組みで対応するよう調整が必要な場合は修正する。

ステップ4:実態に合わせて修正する

AIの出力を受け取り、以下を修正する。

  • 【要確認】箇所の補完: ツール名・フォルダパス・承認者の役職などを実際の情報に書き換える
  • 順序の確認: 実際の作業順とチェックリストの順が一致しているかを確認する
  • 例外ケースの追加: 期限が祝日に重なる場合の対応、担当者が不在時の代理手順など

修正後、実際に次回の業務でチェックリストを使いながら動作確認する。1〜2回使った後で追加修正をするのが現実的だ。

ステップ5:定期更新と管理場所を決める

チェックリストは作成場所と更新ルールを決めておかないと形骸化する。

  • 格納場所: Notion・SharePoint・Google Drive等のチームで見られる場所
  • 更新頻度: 業務フローが変わったとき、年度の変わり目など
  • オーナー: 誰がメンテナンスするかを明記する

具体例1:年度予算策定プロセスのチェックリスト

年度予算策定は3〜4ヶ月かけて進む大型プロセスだ。経営企画がコントロールタワーとなり、全事業部・財務・HR・法務の動きを束ねる必要がある。このプロセスの管理チェックリストは、プロセスの開始前に完成させておくことが理想だ。

年度予算策定プロセスの管理チェックリストを作成してください。

【前提】
- 対象期間:7月〜10月(翌年度4月始まり)
- 関係者:経営企画(全体管理)、各事業部(計画案提出)、財務部(財務モデル)、CFO(審査・承認)、取締役会(最終承認)

【プロセスの主なフェーズ】
1. 経営方針・目標設定(7月)
2. 各事業部からの計画案収集(8月)
3. 財務シミュレーション・審査(9月)
4. 経営会議・取締役会での承認(10月)

以下の形式で整理してください:
- フェーズ別に区切る
- 各タスクに「担当部署」「成果物」「目安の期限(例:フェーズ開始から◯週間)」を付ける
- 社内固有情報は【要確認】とする
- チェックボックス(□)形式にする

具体例2:取締役会の事前準備チェックリスト

取締役会は法的効力を持つ会議であり、準備の抜け漏れは法務リスクにもつながる。準備から終了後の処理まで、時系列でチェックできる形にするのが重要だ。

四半期取締役会の事前準備チェックリストを作成してください。

開催頻度:年4回(6月・9月・12月・3月)
準備期間:開催3週間前から

確認が必要な主な項目:
- 資料の収集・作成スケジュール(各役員への事前配布を含む)
- 法務・監査役との確認事項
- 議案書・招集通知の発送(法定期限に注意)
- 会場・機材・ZoomURL等の手配
- 当日の進行確認
- 議事録の作成・署名・保管フロー

形式:
- D-21(開催3週間前)から当日・開催後まで時系列で整理
- 法的要件に関わる項目は【法務確認要】と明記
- チェックボックス(□)形式

うまくいかない場合のポイント

チェックリストが長すぎて実用的でない

「最も重要な確認項目を20個以内に絞ってください。それを超える場合は別セクションに分けてください」と指示する。運用する担当者が「毎回全部見る」と感じられる分量に抑えることが現場での定着につながる。

粒度がバラバラになる

「各確認項目は、1人の担当者が15分以内に完了できる粒度にしてください」という基準をプロンプトに加えると、細かすぎる項目と大きすぎる項目が整理される。

チェックリストが形骸化する

AIで作ったチェックリストは「初版の品質が9割」だ。現場で使いながら「この項目は不要」「これが抜けている」を都度修正する運用を設計する必要がある。修正の際もAIに「以下の変更を反映してください」と渡せば時間がかからない。

複数業務のチェックリストを連携させたい

例えば「月次経営会議の準備チェックリスト」と「月次KPI報告書作成チェックリスト」は時系列が重なる。AIに「2つのチェックリストを統合した、月間スケジュールベースのマスターチェックリストにしてください」と依頼すると、重複を排除した統合版が出力される。


関連記事

チェックリストと連動した業務マニュアルの整備については経営企画の業務マニュアルをAIで作る手順が参考になる。経営会議の準備チェックリストについては経営企画の会議準備をAIで段取りする方法で詳しく扱っている。中期経営計画の策定プロセス管理については経営企画の中期経営計画策定をAIで効率化する方法も合わせて確認してほしい。

よくある質問

業務チェックリストはAIに作ってもらえますか?

業務の流れを箇条書きで渡せば、AIが確認項目を整理したチェックリストを作成します。ただし社内固有のルール・ツール名・期限は人が補完・修正する必要があります。

経営企画で特にチェックリストが効果的な業務はどれですか?

取締役会・経営会議の事前準備、予算策定サイクルの進行管理、中期経営計画の策定スケジュール管理が特に効果的です。定期的に繰り返す業務ほど、一度作ったチェックリストの再利用頻度が高くなります。

チェックリストはどのツールで管理するのが効率的ですか?

Notionやスプレッドシートが多く使われます。繰り返す業務はNotionのテンプレート機能を使うと毎回コピーして使えます。チームで管理するならAsanaやJiraのタスク管理ツールに転記するのも有効です。

AIが作ったチェックリストに抜けが出ないようにするには?

「初日に着任した担当者が、このチェックリストだけで業務を完了できるか」という視点でAIの出力を見直してください。特に前提条件(必要なツール・権限)と例外パターン(期限が休日に重なる場合等)が抜けやすいです。