EU、AI生成物の表示ルール。マーケ実務に影響
この記事の要点
EUはAIが作った文章や画像への表示と記録に関する行動規範を、2026年に整える。透明性義務の指針案は5月に公表済み。EU市場と関わる企業は、AI生成物の表示方針を今から決めておく必要がある。マーケと制作の現場に直接効く。
結論
EUは、AIが作った文章や画像への表示と記録に関する行動規範を2026年に整える。透明性の義務に関する指針案は2026年5月に公表され、AI生成物にどう印を付けるかの議論が進む。EU市場と関わる企業は、AI生成物の表示方針を今から決める必要があり、マーケティングと制作の現場に直接効いてくる。出典はEuropean CommissionとTechPolicy.Press。
何が決まりつつあるのか
EU AI法は、一定のAIシステムに透明性の義務を課している。AIと対話していることや、AIが作った内容であることを、利用者に分かるようにする方向だ。2026年5月、欧州委員会はこの透明性義務の実装に関する指針案と、AI生成物への表示と記録に関する行動規範の案を示した。
対象になりやすいのは、AIで作った画像や動画、音声、文章だ。とくに本物と見分けがつきにくい合成物には、AI由来だと示す印が求められる流れにある。広告やSNS投稿、商品画像など、企業が日々出すコンテンツの多くが関わってくる。
ただし、具体的な表示の形式や適用の時期はまだ詰めの段階にある。EU AI法本体では、禁止行為が2025年2月から、汎用AIの規定が2025年8月から適用されており、残る多くの規定は2026年8月2日に次の全面適用を迎える。表示ルールの細部は変わりうるため、最新は公式情報で確認してほしい。
現場の実務にどう効くか
マーケティングと制作の担当者は、3つの準備を進めておきたい。
第一に、自社が出すコンテンツのうち、どれをAIで作っているかを棚卸しする。画像、動画、文章、音声のどこにAIを使っているかを一覧にすれば、表示が必要になりうる範囲が見える。
第二に、表示の方針をあらかじめ決める。AI生成物にどう印を付けるか、社内のどの工程で確認するかを手順にしておけば、ルールが固まったときに慌てずに済む。社外公開前の確認はAI出力を社外公開する前のチェックリストが使える。
第三に、著作権との二重の論点を整理する。表示義務とは別に、生成物の権利関係も実務では避けて通れない。基礎は生成AIの著作権・知的財産の基礎知識にまとめている。EU向けに発信する企業ほど、早めの方針決めが取引上の安心につながる。
出典
よくある質問
AI生成物への表示は義務ですか。
EU AI法は一定のAIシステムに透明性の義務を課しており、AIが作った内容と分かるようにする方向です。具体的な表示方法は行動規範や指針で詰められている段階です。適用範囲と時期は変わりうるため、最新は公式情報で確認してください。
日本企業も対象になりますか。
EU市場向けに製品やサービスを出し、AI生成物を提供する場合は対象になりうります。EU AI法には域外適用があるためです。EU向けの広告や制作物でAIを使う企業は、自社が対象かを早めに確認しておくと安全です。