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AWSのBedrock Agents、7月30日で新規受付終了へ

AWSのBedrock Agents、7月30日で新規受付終了へ

この記事の要点

AmazonがBedrock Agentsを「Classic」と位置づけ、7月30日以降は新規顧客の利用を終了すると案内した。AgentCoreへの移行が必要になり、AWSでAIエージェントを構築する企業は対応を迫られる。

結論

Amazonは、2023年11月に提供を始めたAIエージェント構築サービス「Bedrock Agents」を「Bedrock Agents Classic」と位置づけ直し、2026年7月30日以降は新規顧客の利用受付を終了すると案内した。既存の利用企業はそのまま使い続けられるが、これから新たにAWS上でAIエージェントを組みたい企業は、後継の「Amazon Bedrock AgentCore」を前提に設計する必要がある。AWSを使ってAIエージェントの導入を検討している企業にとって、選定のタイミングに直接関わる変更である。

何が起きたか

Bedrock Agentsは、ツールと知識ベースを用意すればAWS側が処理の組み立てや推論の流れを引き受けてくれる、宣言的な仕組みのエージェント構築サービスだった。今回「Classic」という名称が付けられたことで、事実上の旧版という扱いになる。後継のAgentCoreは2025年10月に一般提供が始まったサービスで、オーケストレーションや状態管理を利用企業側が細かく制御できる、より低レイヤーの基盤という位置づけになっている。特定の基盤モデルやエージェントの枠組みに縛られない、モデルにとらわれない設計が特徴とされる。

AWSの案内によれば、7月30日より前にBedrock Agents Classicの利用を開始した企業は、その後も通常どおり利用を続けられる。影響を受けるのは、これから新規に導入を検討する企業である。あわせてAWSは、企業向けRAGの構築を簡素化する「フルマネージド型知識ベース」や、AIエージェントが最新の外部情報を参照できる「AgentCore向けウェブ検索機能」といった周辺機能も拡充しており、AgentCoreを中心にエージェント関連のサービスを再編している最中であることがうかがえる。

クラウド間の主導権争いという背景

今回の再編は、AWS単体の事情だけでなく、クラウド各社がAIエージェントの基盤を巡って競争している状況とも無関係ではない。MicrosoftはCopilot Studioでノーコードのエージェント構築を訴求し、GoogleもVertex AI上でのエージェント基盤を強化している。AWSが一段と低レイヤーで柔軟性の高いAgentCoreに軸足を移すのは、企業が独自性の高いエージェントを組みたいという需要を取り込む狙いがあるとみられる。裏を返せば、AWSに乗ってさえいれば自動的に使いやすいエージェントが手に入るという前提は崩れつつあり、構築側にそれなりの技術力が求められる時代に移りつつある。

現場の実務にどう効くか

AWSを主要な基盤として使っている企業は、これから新しくAIエージェントを構築する際にAgentCoreを前提とした設計が必要になる。AgentCoreはClassicに比べて自由度が高い一方、オーケストレーションのロジックや状態管理を自社で組む必要があり、導入の難易度は上がる可能性がある。全社AIロールアウト計画の立て方で挙げたような段階展開の考え方に沿って、まずは小さな用途でAgentCoreを試し、社内に知見をためてから本格導入に進む進め方が現実的である。

すでにBedrock Agents Classicを使って構築済みのシステムを持つ企業は、すぐに移行を急ぐ必要はないものの、長期的にはAgentCoreへの移行や他の選択肢への切り替えを視野に入れた計画づくりが求められる。AIツールの社内選定プロセスで触れたように、特定クラウドベンダーのサービスに依存する設計にはロックインのリスクが伴う。情報システム部門は、今回のような仕様変更が今後も起こり得ることを前提に、乗り換えのコストや移行のしやすさをあらかじめ評価軸に含めておくとよい。ノーコードでエージェントを組みたい場合は、Copilot Studioとは?ノーコードでAIエージェントを作る方法Difyとは?ノーコードで社内AIアプリを作る方法で紹介したような、クラウド横断で使えるツールも選択肢に入れて比較検討することをすすめる。

社内でAI推進を担う担当者は、情シスとの連携を強めながら、こうしたインフラ側の変更が現場の業務にどう影響するかを早めに把握しておく必要がある。情シスとAI推進の連携で述べたように、システム管理と現場活用の両立を意識した体制づくりが、こうした仕様変更への対応力を高める。

技術力に不安がある中小企業や、専任のエンジニアを置けない組織にとっては、AgentCoreのような低レイヤーの基盤を自前で扱うのは負担が大きい。そうした場合は無理にAWS純正のサービスにこだわらず、SLM時代のAI調達戦略:内製・外製・ハイブリッドの選び方で挙げたような視点も踏まえ、外部の開発パートナーに委ねる、あるいはノーコードのツールで代替するといった選択肢もあわせて検討したい。

出典

よくある質問

すでにBedrock Agentsを使っている企業も使えなくなるのか

既存の利用企業は7月30日以降もこれまでどおり利用を継続できるとされている。新規に使い始めることができなくなる点が変更点であり、既存システムがすぐに止まるわけではない。最新の条件はAWSの公式ページで確認してほしい。

AgentCoreとBedrock Agents Classicは何が違うのか

Classicはツールと知識ベースを渡せばAWS側がオーケストレーションや推論の流れを管理する仕組みであるのに対し、AgentCoreはオーケストレーションや状態管理を自社で細かく制御できる基盤である点が異なる。複雑なマルチエージェント構成を組みたい場合はAgentCoreの検討が必要になる。