Gemini 3.5 Pro、一般提供が7月も延期
この記事の要点
Googleの次期主力モデルGemini 3.5 Proが7月も企業向け限定提供にとどまる。5月・6月と2回続けて一般提供を見送った理由と、企業が今取るべき対応を解説する。
結論
Googleの次期主力モデルGemini 3.5 Proが、7月に入っても企業向けクラウド基盤Vertex AIでの限定的な先行提供にとどまっています。5月のGoogle I/Oで示された「来月には提供」という見通しから、5月分・6月分と2回連続で一般提供の予定が外れた形です。トークン処理効率やコーディング性能の課題が理由に挙がっており、この状態が続く間はGemini 3.1 Proや他社モデルとの併用を前提に計画を立てる必要があります。
何が起きたか
Googleは5月19日の開発者会議「Google I/O」でGemini 3.5 Proを発表し、最高経営責任者のサンダー・ピチャイ氏が「来月には提供する」と説明しました。Google公式ブログの基調講演記事にもその見通しが記録されています。
ところが7月に入った現在も、Gemini 3.5 Proは一般提供されていません。利用できるのはVertex AIで承認された一部の企業顧客と、Googleのエージェント開発基盤Antigravity、ベンチマークサイトLMArenaの検証者だけです。MarketScaleの報道によれば、企業の評価担当者はこの限定提供の状態を前提に、モデル選定や移行計画を組み立てる必要に迫られています。
Tech Insiderの報道まとめでは、一般提供が5月、6月と2回続けて見送られた理由として3点が挙げられています。第一に、初期テスト企業からトークン処理効率の課題が指摘されたこと。第二に、コーディング性能が主力モデルとして期待される水準に届いていないこと。第三に、複数の手順にまたがる長期的な推論が目標水準に達していないことです。いずれも実運用での信頼性に直結する項目であり、Googleが品質を優先して公開を遅らせている可能性がうかがえます。
料金体系も未発表のままです。現行のGemini 3.1 Proは入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり12ドルで、20万トークンを超えた分には入力2倍・出力1.5倍の割増料金がかかります。Gemini 3.5 Proについては、下位モデルのGemini 3.5 Flashのおよそ10倍、入力15ドル・出力60ドル程度になるとの観測報道がありますが、これはあくまで未確定の推測です。実際の料金は公式発表を確認してほしいです。
一方でGoogleは今年のI/Oで、Geminiを単なる応答ツールからエージェントへ進化させる機能も複数発表しています。日々の情報をまとめるDaily Brief、対話型のGemini Live、タスク実行を担うGemini Sparkなどが含まれ、モデル単体の性能だけでなく周辺機能の拡充にも力を入れている様子がわかります。Geminiとは何か知りたい方はこちらの解説記事も参考にしてください。
現場の実務にどう効くか
企業のAI推進担当者にとって、Gemini 3.5 Proの提供時期が読めない状況は、モデル選定と予算計画の両方に影響します。取るべき対応は次の3つです。
第一に、Vertex AIの先行提供枠に申請できるか確認することです。承認されれば実運用に近い環境でトークン処理効率やコーディング性能を自社データで検証でき、一般提供後の移行判断を前倒しできます。
第二に、現行のGemini 3.1 Proや他社モデルとの比較を今のうちに済ませておくことです。ChatGPT・Claude・Geminiの業務での使い分けを整理した比較記事や、用途別のモデル選定基準をまとめた記事を使えば、Gemini 3.5 Proの提供を待たずに現行モデルで最適な構成を組めます。
第三に、料金観測値を鵜呑みにせず、複数シナリオで予算を試算しておくことです。入力15ドル・出力60ドル程度という観測報道通りであれば、Gemini 3.1 Proと比べて処理コストは数倍に膨らみます。長文プロンプトや大量バッチ処理を行う業務では、20万トークン超過時の割増料金も含めた試算が欠かせません。
管理面では、Googleが直近発表しているGeminiの管理者向け機能もあわせて把握しておくと安全です。データの保存場所を管理者が指定できるようになった改善や、一時チャットや履歴削除を統制する管理者制御の追加は、Gemini 3.5 Pro導入前にガバナンス体制を整える土台になります。モデルの世代交代が起きても、社内のデータ管理ポリシーは先に固めておく方が移行がスムーズです。
複数のLLMを併用する体制を前提にするなら、2026年版の主要LLM一覧で各社モデルの特徴を比較し、Gemini 3.5 Proの提供開始後にどのタスクを置き換えるかをあらかじめ決めておくと、切り替え時の混乱を避けられます。
Gemini 3.5 Proの正式な提供時期、料金、性能仕様については、いずれも未確定の情報が多い段階です。最新の状況はGoogle公式ブログや公式ドキュメントで随時確認してほしいです。
出典
よくある質問
Gemini 3.5 Proはいつ一般提供されますか
2026年7月時点で公式な提供時期は発表されていません。Googleは5月のGoogle I/Oで6月の提供を示唆していましたが、2回連続で見送られています。最新の提供時期は公式ブログで確認してほしいです。
Gemini 3.5 Proは現在誰が使えますか
Vertex AIで承認された一部の企業顧客と、Googleのエージェント開発基盤Antigravity、ベンチマークサイトLMArenaの検証者に限られています。一般ユーザーはまだ利用できません。
Gemini 3.5 Proの料金はいくらになりますか
未発表です。報道では下位モデルのGemini 3.5 Flashの約10倍、入力100万トークンあたり15ドル前後という観測がありますが、これは未確定の推測にとどまります。