最新動向

EU AI法、8月2日に本格適用 採用や与信は高リスク扱い

EU AI法、8月2日に本格適用 採用や与信は高リスク扱い

この記事の要点

EUのAI法が8月2日に本格適用へ入り、採用や与信審査などの高リスクAIに適合性評価や技術文書、人間の監督といった義務がかかる。EUに関わる日本企業も対象になりうる。何が高リスクで、企業が今すぐ確認すべき点を整理する。

結論

EUのAI法が2026年8月2日に本格適用の段階へ入り、採用や与信審査などの高リスクとされるAIに、適合性評価や技術文書の整備、人間の監督といった義務がかかる。EU域内で製品やサービスを提供する企業に加え、EUの利用者に影響を与える日本企業も対象になりうる。自社のAIがどの用途に当たるかで、必要な対応が大きく変わる。今日の時点で翌日に迫った節目であり、EUと関わる事業を持つ企業の推進担当は、まず該当の有無を確かめておきたい。

何が起きたか

EU AI法は段階的に適用が進んできた。8月2日は、人の権利や安全に大きく関わる高リスクのAIに関する義務が本格的に効き始める節目だ。高リスクに分類されるのは、採用や人事評価、与信審査、教育、重要インフラなどの用途とされる。こうしたAIを提供・利用する企業には、適合性評価、技術文書の作成、人間による監督の仕組み、精度と堅牢性の基準などが求められる。汎用目的のAIに関する透明性の義務も併せて適用される。

重要なのは、地理的な範囲だ。EU域内での提供だけでなく、EUの利用者に影響を及ぼす場合も対象になりうる。EUに顧客や拠点を持つ日本企業も無関係ではない。分類や義務の細部、猶予の扱いは今後の運用で明確になる部分もあり、法令の正確な解釈は変わりうるため、最新は公式の情報と専門家の助言で確認してほしい。

義務違反への制裁は軽くない。EU AI法は違反の類型ごとに上限を定めており、最も重い禁止事項の違反では、制裁金が世界売上高の一定割合か固定額のいずれか高い方まで科されうるとされる。高リスクの義務違反にも相応の金額が定められている。金額の水準や適用の運用は今後具体化する部分もあるため、最新は公式で確認してほしい。要点は、対応を怠ったときの損失が、準備の手間を大きく上回りうるということだ。だからこそ、該当の有無を早く見極める価値がある。

現場の実務にどう効くか

最初にやるべきは、自社が使うAIの棚卸しと分類だ。採用選考の書類選別、与信や審査、従業員評価などにAIを使っているなら、高リスクに該当する可能性を疑ってかかりたい。用途を洗い出す土台として、社内ルールの項目立てはAI利用の社内ガイドライン作成 押さえるべき項目にまとめてある。

高リスクへの対応は、技術文書や監督の仕組みなど、法務と情報システムをまたぐ作業になる。進め方は法務とAI推進の協働 契約・規制を踏まえた進め方、個人情報の観点はAI利用と個人情報保護法の基礎 企業が押さえる判断基準が参考になる。採用のように偏りが問題になりやすい用途では、生成AIのバイアスと公平性 業務で気をつけることも併せて確認したい。

高リスクに当たる場合、求められるのは書類仕事だけではない。人間が結果を確認して介入できる仕組み、精度や堅牢性の担保、判断の根拠をたどれる記録などを、運用として回す必要がある。とくに採用や与信のように人を選別する用途では、偏りが結果を左右しないかの検証が問われる。判断の根拠は後からたどれるよう記録に残すことが土台になる。日本国内でも、AIの扱いに関する方針は動いており、EUの規制だけを見ていれば済むわけではない。海外と国内の両方で、自社の用途がどんな義務に触れるかを一度棚卸ししておきたい。

推進担当が明日できるのは、社内のAI利用一覧に「EUの顧客・拠点に関わるか」「採用・与信・評価など高リスク用途か」の2列を足し、該当しそうなものを法務に共有することだ。規制の細部はこれから固まる部分もあるが、該当の有無を早く把握するほど、慌てずに準備を進められる。EUと関わる事業ほど、今日のうちに確認を始める価値がある。

出典

よくある質問

EU AI法の高リスクAIとは何ですか

採用、与信審査、教育、重要インフラなど、人の権利や安全に大きく関わる用途のAIを指します。8月2日から適合性評価や技術文書の整備、人間の監督などの義務がかかります。自社の用途が該当するかは公式の分類で確認してください。

日本企業も対象になりますか

EU域内で製品やサービスを提供したり、EUの利用者に影響を与えたりする場合は対象になりえます。EUと取引のある日本企業も無関係ではないため、自社の状況を法務と確認することが重要です。最新は公式で確認してください。