デジタル庁、政府AI「源内」で国産LLM試用を8月開始
この記事の要点
デジタル庁は、全府省庁が使う生成AI基盤「源内」で、選定した国産の大規模言語モデルの試用を2026年8月に始める。応募15件から7件を選び、行政実務での性能を評価する。海外サービスに機密情報を預ける懸念に応え、国産モデルの実力を政府自ら見極める動きだ。
結論
デジタル庁は、全府省庁が使う生成AI基盤「源内」で、選定した国産の大規模言語モデルの試用を2026年8月に始める。国内から応募のあった15件を審査し、7件を選んだ。行政実務での性能を評価し、成果の良いモデルは有償での調達に進める計画だ。海外のAIサービスに機密情報を預けることへの懸念に対し、国産モデルの実力を政府が自ら確かめる。国産のAIを本格的に業務で使えるかという問いに、公的な検証データが積み上がっていく。
何が起きたか
源内は、全府省庁の職員およそ18万人を対象にした政府横断の生成AI活用環境だ。2025年5月に運用が始まった。今回、国内のモデルを対象にした公募を2026年1月末まで実施し、15件の応募から7件を選んだ。この7件を源内の上で試用し、行政の実務に照らして評価する。
その後の予定も示されている。2027年1月に評価と検証の結果の一部が公表される見込みで、2027年4月からは優れた成果を示したモデルの有償調達が始まる予定だ。試用の対象や条件、日程は計画段階のもので、今後変わりうる。最新は公式の発表で確認してほしい。取り組みの背景には、AIをめぐる安全保障上のリスクへの対応がある。海外の大規模AIサービスを使うと、入力した情報が外国企業のサーバーに送られる可能性があり、機密性の高い行政情報の扱いとして問題視されてきた。データをどこに置くかという論点はクラウドとオンプレのAI 違いと選び方で整理できる。国内外の主要モデルの現状は主要LLM一覧 2026年版:5社のモデルの特徴と選び方を参照してほしい。
現場の実務にどう効くか
政府が国産モデルを実務で評価することは、民間企業のモデル選びにも参考になる。行政と同じく、金融や医療のように扱う情報が重い業種ほど、データを国外に出せるかどうかで選択肢が変わる。国産モデルの実力を示す公的なデータが出れば、社内の検討で根拠として使える。
国産にこだわる理由は、性能だけではなく、データを国内にとどめられる設計にある。海外のモデルに社内データを送る運用に不安がある企業は、国産モデルや自社環境で動かす選択を検討する余地が出てくる。小さく動かして試す考え方はSLMをオンプレミスで動かすメリットと注意点が参考になる。
評価の視点も参考になる。源内では、汎用の性能だけでなく、行政実務での使い勝手が問われる。企業でも同じで、一般的な評価の高さより、自社の業務でどれだけ役立つかが選定の軸になる。文書の要約、問い合わせ対応、規程の確認など、実際に使う場面を決めてから比べるほうが判断を誤りにくい。モデルを選ぶときの落とし穴として、ハルシネーションと呼ばれる誤情報の混入もある。仕組みと対策はハルシネーションとは?生成AIの誤情報を防ぐ対策で押さえられる。契約前にデータの扱いを確かめる観点は法人向けAIのデータ取り扱い確認ポイント 契約前に押さえる7項目が役立つ。
推進担当が明日できるのは、自社が扱う情報のうち国外に出したくないものを洗い出し、その業務にどのモデルが使えるかを整理することだ。源内の評価結果が出るころには、選ぶ材料が増えている。国内に選択肢が育つ前提で、今から検討の枠組みを持っておくと動きやすい。
出典
よくある質問
源内とは何ですか
デジタル庁が全府省庁の職員およそ18万人を対象に整える、政府横断の生成AI活用環境です。2025年5月に運用が始まりました。ここで国産の大規模言語モデルを試用し、行政実務での性能を評価します。試用の対象や期間の詳細は今後の公表で確認してください。
なぜ国産モデルにこだわるのですか
背景には安全保障上の懸念があります。海外の大規模AIサービスに入力すると、情報が外国企業のサーバーに送られる可能性があり、機密性の高い行政情報の扱いとして問題視されてきました。国内にモデルと基盤があれば、データを国外に出さずにAIを使う選択肢が生まれます。