大企業の40%がAIエージェントを拡大 McKinsey調査
この記事の要点
McKinseyのState of AI in 2026調査で、複数部門にエージェントを広げた大企業が27%から40%に増えた。32%はエージェント開発ツールで内製できるため一部のソフト購入を見送った。ビジネスの購買判断にも影響が及ぶ。
結論
McKinseyの「State of AI in 2026」調査で、1つ以上の業務機能にAIエージェントを広げた大企業の割合が、27%から40%へ上がった。同時に、回答企業の32%が、エージェント型の開発ツールで自前で作れるため、少なくとも1つのソフト製品や機能の購入を見送ったと答えている。AIは使う道具であるだけでなく、何を買い何を作るかという購買判断そのものを揺らし始めた。
規模による差も鮮明だ。大企業がエージェントの拡大を進める一方、中小規模の企業は22%で横ばいにとどまる。導入の速さがそのまま競争力の差に転じつつある。
何が分かったか
調査の要点は3つに整理できる。第一に、大企業のエージェント活用が実験段階を抜け、複数部門への横展開に進んだ。40%という数字は、一部門での試行を超えて全社的な取り組みに移った企業が増えたことを示す。
第二に、内製化が購買行動を変えた。32%の企業が「作れるから買わなかった」と答えた事実は、これまでソフトを買って埋めていた機能の一部を、エージェント型の開発ツールで自社構築できるようになったことを意味する。ソフトウェアの提供側にとっては、標準機能が内製に置き換わる圧力になる。
第三に、規模の格差だ。大企業と中小規模の差が広がり、投資体力とデータ基盤の有無が導入速度を分けている。エージェントの本番稼働率が伸び悩む実態はAIエージェント調査 週6.4時間を節約 本番稼働は31%どまりでも触れており、拡大と定着は別の課題として残っている。
数字を並べると変化の速さが見えやすい。
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| 複数機能でエージェントを拡大した大企業 | 27%から40%へ上昇 |
| 中小規模の企業 | 22%で横ばい |
| 内製化のためソフト購入を見送った企業 | 32% |
大企業が拡大に踏み込む一方、中小規模が止まっている構図は、来年以降の競争力の差につながりうる。導入が遅れている企業ほど、まず一部門で成果を出し、そこから横に広げる進め方が現実的だ。
現場の実務にどう効くか
自社のAI推進担当が最初に見直すべきは、来期のソフト導入計画だ。買う予定の機能のうち、エージェント型の開発ツールで内製できるものがないかを棚卸しする。顧客のオンボーディングや請求調整のような、業務ロジックが自社に固有で外部ソフトに合わせにくい領域ほど、内製の効果が出やすい。
内製化はコンサルや外部ベンダーへの依存度も変える。この構造変化はAIがコンサル業界の稼ぎ方を揺らす 企業の内製化が進むで扱った通りで、外注していた開発の一部が社内に戻る流れが強まっている。ただし全部を内製に振ると、保守や品質管理の負担が社内に集中する。買うか作るかは機能ごとに判断し、拡大の進め方は業務アプリの4割がAIエージェント搭載へ 実験から標準へも参考にしたい。調査結果の詳細な数値は更新される場合があるため、最新は公式で確認してほしい。
まとめ
エージェントの拡大は、生産性の話にとどまらず、企業の購買と内製のバランスを動かす段階に入った。来期の予算で「買う」としていた機能を一度洗い直すことが、この調査から得られる実務上の第一歩になる。
出典
よくある質問
調査で分かった最大の変化は何か
1つ以上の業務機能でAIエージェントを拡大した大企業が27%から40%に増えました。一方で中小規模の企業は22%で横ばいのままで、規模による差が広がっています。
内製化の動きはどの程度進んでいるか
回答企業の32%が、エージェント型の開発ツールで社内構築できるため、少なくとも1つのソフト製品や機能の購入を見送ったと答えました。買うか作るかの判断がAIによって変わり始めています。