PwC調査 AIで収益と費用の両方に効果はCEOの12%
この記事の要点
PwCの2026年CEO調査で、AIがコストと収益の両面で成果を出したと答えたCEOは12%にとどまった。56%はまだ目立った財務効果がないと回答。導入の熱量と成果の差が数字で示された。
結論
PwCの2026年CEO調査で、AIがコストと収益の両面で成果を出したと答えた経営者は12%にとどまった。56%は、これまでに目立った財務効果はないと回答している。AIの導入は広がっているのに、費用と売上の両方で手応えを得た企業はまだ少ない。導入したかどうかではなく、業務にどう組み込んだかが成果を分けている。
何がわかったか
PwCの2026年グローバルCEO調査によれば、AIがコストと収益の両方で効果を生んだと答えたCEOは12%だった。一方で56%は、これまでのところ財務面で大きな効果はないと回答している。導入の広がりに対して、成果を実感している層は限られる。
この差は、他の調査とも重なる。IDCとLenovoの調査では、エージェント施策を進める企業の88%が本番運用に至っていないとされる。導入の入り口までは進んでも、実業務で回し続ける段階でつまずく企業が多い。国内では成果を出す例もあり、ソニー銀行が勘定系開発に生成AIを適用し工数を4割削減したように、業務を絞って組み込んだケースでは効果が出ている。導入の成否を分ける要因は、大企業の広がりを追ったMcKinseyの調査でも論点になっている。
現場の実務にどう効くか
この数字が推進担当に示すのは、ツールを配るだけでは成果に届かないという現実だ。効果を出した12%と、効果がない56%を分けるのは、業務そのものを組み替えたかどうかにある。既存の手順にAIを足すだけでは、二重作業が増えて逆に遅くなることもある。
まず手をつけるべきは、効果を測る仕組みだ。導入前に、どの業務で何時間を削るかを決め、後から実績と突き合わせる。測っていなければ、成果があってもなくても判断できない。指標の立て方はAI導入の効果をどう測るかに、つまずきの型はAI導入で失敗する典型パターンと回避策にまとめている。効果が出ない多くは、導入が目的化し、業務の再設計まで進んでいない。費用対効果を先に見積もる姿勢も欠かせない。判断の軸は生成AI導入の費用対効果の考え方を参考にしてほしい。
成果を出す企業に共通する動きは、いくつかに整理できる。第一に、対象業務を広く薄くではなく一つに絞る。第二に、既存の手順にAIを足すのではなく、手順そのものを組み替える。第三に、削減時間や処理件数といった数値の目標を導入前に置き、実績と突き合わせる。第四に、現場の担当者を巻き込み、使われないツールで終わらせない。この4点が抜けると、導入はしたのに効果が測れないという56%側に回りやすい。
数字の受け止め方には注意がいる。効果を実感するCEOが12%にとどまるのは、AIが役に立たないことを意味しない。本番運用まで到達した企業が少ないだけで、たどり着いた企業では削減効果が出ている。つまり課題は技術より運用にある。自社が56%側にいるなら、新しいツールを増やす前に、すでに導入した1つを本番運用まで持っていく方が近道だ。現場の抵抗をやわらげる進め方はAI導入への現場抵抗をやわらげる進め方にまとめている。
FAQ
自社でAIの効果が出ないのは導入が遅れているからか。導入の有無より、業務への組み込み方が成果を分ける。手順を変えずにツールだけ足すと効果は出にくい。削る業務を一つ決め、効果を測りながら広げるのが実務的だ。
出典
よくある質問
調査で何がわかったのか
PwCの2026年CEO調査で、AIがコストと収益の両方で成果を出したと答えたCEOは12%でした。56%はまだ目立った財務効果がないと回答しています。導入と成果の間に差があることを示します。
効果が出ないのはなぜか
調査は原因を一つに絞っていませんが、業務への組み込み不足や効果測定の欠如が背景にあるとされます。導入自体が目的化し、業務の再設計まで進んでいない場合に差が出やすいです。