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ChatGPTで文章を校正する手順:修正箇所を対で出させ文意を守る

ChatGPTで文章を校正する手順:修正箇所を対で出させ文意を守る

この記事の要点

ChatGPTの文章校正は、直す範囲を誤字脱字・表記ゆれ・敬語・文末に絞り、修正箇所を変更前と変更後の対で出させると、文意を変えずに数分で確認まで終わります。見積送付メールを例に、コピーして使えるプロンプトと表記ルールを固定する方法を解説します。

結論

ChatGPTで文章を校正するときは、直す範囲を誤字脱字・表記ゆれ・敬語・文末の4つに絞り、修正箇所を変更前と変更後の対で出させます。どこが変わったかを1行ずつ確認できるので、文意が勝手に書き換わる事故を防げます。金額・日付・社名といった事実関係はChatGPTには判断できないため、人が原本と突き合わせます。

次のプロンプトは、末尾の文章を貼り替えるだけで使えます。

あなたは日本語のビジネス文書の校正者です。下の文章を校正してください。

# 直す範囲
1. 誤字・脱字・変換ミス
2. 表記ゆれ
3. 敬語の誤り、二重敬語
4. 文末の不統一

# 守ること
- 上の4つに当たらない箇所は一字も変えない
- 言い回しの好みによる書き換え、文の追加や削除はしない
- 金額・日付・社名・人名・数量は変えない。誤りが疑われる場合は直さず「要確認」として別に挙げる

# 出力形式
1. 修正一覧の表。列は 番号 / 変更前 / 変更後 / 理由
2. 要確認の一覧
3. 修正を反映した全文

# 校正する文章
ここに文章を貼り付ける

返ってきた修正一覧に目を通し、納得できる行だけを採用します。300〜500字のメールなら、確認まで含めて3〜5分が目安です。

ChatGPTに任せられる校正と、人が見るべき校正はどこで分かれる?

校正の作業は、文字の並びだけで判断できるものと、文章の外にある事実を知らないと判断できないものに分かれます。ChatGPTが頼りになるのは前者です。

校正の項目ChatGPTに任せられる範囲人が見る範囲
誤字・脱字変換ミス、助詞の抜け、送り仮名の誤り社名・人名・製品名の表記が正しいか
表記ゆれ文書内で混在している表記の洗い出しどちらに統一するかの決定
敬語二重敬語、尊敬語と謙譲語の取り違え相手との関係に対して丁寧さが合っているか
文末です・ますとだ・であるの混在、同じ文末の連続文書の種類に合った文体の選択
事実関係文書の中で食い違っている記述の指摘金額、日付、数量、納期、契約条件の正しさ

事実関係の行には補足が要ります。ChatGPTは「本文では30日間、末尾では1か月と書かれている」といった文書内の食い違いには気づけます。けれども、見積の有効期限が本当に30日なのかは、見積書の原本を知らなければ判断できません。基本のプロンプトに「要確認として別に挙げる」と入れているのは、疑わしい箇所を黙って直させず、人の確認に回すためです。

社名や人名も同じ扱いにします。「斉藤」と「齋藤」のどちらが正しいかは、名刺や過去のメールにしか答えがありません。

ChatGPTで文章を校正する手順

社外向けのメールを例に、貼り付けから送信前の確認までを5つのステップで進めます。

  1. 校正する文章を用意し、入力してよい内容か確かめます。取引先の個人名や未公表の金額を含む文面を入力してよいかは、会社のルールで決まります。判断がつかない場合は、社名を「A社」、金額を「〇〇円」に置き換えてから貼り付けます。
  2. 新しいチャットを開き、基本のプロンプトの末尾に文章を入れて送信します。別の話題が残っているチャットを使い回すと、前のやり取りの文体に引きずられることがあります。
  3. 修正一覧の表を上から読み、採用する行としない行を決めます。採用しない行があれば「3番は元のままにしてください。それ以外を反映した全文を出し直してください」と返します。
  4. 要確認の一覧に挙がった箇所を、見積書や契約書などの原本と突き合わせます。
  5. 修正後の全文をメールソフトに貼り、宛名・金額・日付・添付ファイル名だけはもう一度自分の目で読みます。

手順3を飛ばして全文だけをコピーすると、何が変わったか分からないまま送信することになります。校正の時間を縮めているのは修正一覧の表です。全文の出力は、採用する行が決まったあとの清書にすぎません。

メールの下書きからChatGPTで作る場合は、ChatGPTでメールを書く手順で下書きを仕上げ、校正は別のチャットでかけると、書く作業と直す作業が混ざりません。

校正前と校正後の例:見積書の送付メール

営業担当が外出の合間に書いた見積送付メールを、基本のプロンプトで校正した例です。

【校正前】
株式会社〇〇 佐藤様

いつもお世話になっております。先日はお打合せのお時間を頂きまして、ありがとうございました。
ご依頼いただいた御見積書を添付にてお送りさせていただきます。ご査収下さい。
お見積りの有効期限は発行日より30日間となっております。
なお、納期については、ご発注頂いてから約3週間を予定してます。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問合わせください。

【校正後】
株式会社〇〇 佐藤様

いつもお世話になっております。先日はお打ち合わせのお時間をいただきまして、ありがとうございました。
ご依頼いただいたお見積書を添付にてお送りいたします。ご査収ください。
お見積書の有効期限は発行日より30日間となっております。
なお、納期については、ご発注いただいてから約3週間を予定しております。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

このときChatGPTが返す修正一覧は、次のような表になります。

番号変更前変更後理由
1お打合せお打ち合わせ送り仮名の統一
2頂きまして、ご発注頂いていただきまして、ご発注いただいて補助動詞はひらがな。2行目の「いただいた」と統一
3御見積書、お見積りお見積書同じ書類を指す表記が混在
4お送りさせていただきますお送りいたします相手の許可を要しない行為で、へりくだりすぎ
5ご査収下さいご査収ください補助動詞はひらがな
6予定してます予定しておりますい抜き言葉。前後の丁寧さに合わせる
7お問合わせお問い合わせ送り仮名の統一

7行のうち6行はそのまま採用できます。判断が要るのは3番です。「お見積りの有効期限」は見積という行為の期限とも読めるので、書類名の「お見積書」に寄せると意味がわずかに動きます。気になる場合は「3番のうち、お見積りの有効期限は元のままにしてください」と返します。表で出させているから、こうした1か所だけの差し戻しができます。

要確認の一覧には、有効期限の30日間と納期の約3週間が挙がります。ここは見積書を開いて人が確かめる箇所です。

直しすぎて文意が変わるのを防ぐ指示は?

ChatGPTは、頼まれていなくても文章を整えようとします。校正だけを頼んだのに、語順が入れ替わり、一文が二文に分けられ、結びのあいさつが足されて返ってくるのはそのためです。値上げを通知するメールを校正に出したら「価格改定のご相談」に変わっていた、という直され方をすると、通知が相談になり、相手に交渉の余地があると受け取られます。

防ぐ手段は3つあり、1つ目はすでに基本のプロンプトに入っています。直してよい範囲と、触ってはいけない範囲の両方を書くことです。「校正してください」の一言では、どこまで直してよいかが伝わりません。

2つ目は、修正一覧に載っていない変更が全文に紛れ込んでいないかの検算です。全文を受け取ったあと、同じチャットで次を送ります。

あなたが出した修正後の全文と、私が渡した元の文章を比べてください。
修正一覧の表に載っていない違いがあれば、すべて 変更前 / 変更後 の形で挙げてください。
違いがなければ「一覧以外の変更なし」とだけ答えてください。

ChatGPT自身による検算なので、見落としがゼロになる保証はありません。契約条件を含むメールなど確実に確かめたい文面は、Wordの文書比較のような機械的な比較にもかけます。

3つ目は、書き換えさせずに指摘だけを受け取る方法です。謝罪文や条件の通知のように、一字の違いが意味を持つ文章に向きます。

下の文章について、誤字脱字・表記ゆれ・敬語の誤り・文末の不統一を指摘してください。
文章は書き換えず、指摘だけを表にしてください。列は 該当箇所 / 問題の種類 / 修正案 とします。
修正案は最小限の字数の変更にとどめてください。
2通りに読める文があれば、書き換えずに、どちらの意味かを私に質問してください。

# 文章
ここに文章を貼り付ける

この形だと、元の文章は自分の手元にあるものが正本のままです。指摘を見て自分で直すので手間は増えますが、知らないうちに変わった箇所は生まれません。

社内の表記ルールを毎回貼らずに済ませるには?

「お問い合わせ」の送り仮名、「下さい」をひらがなにするか、数字は半角か。こうした表記ルールを毎回プロンプトに書くのは手間がかかり、書き忘れた日だけ出力がぶれます。ChatGPTには、前提を固定できる場所が2つあります。

固定する場所効く範囲向いている内容
カスタム指示自分のすべてのチャット修正は変更前と変更後の対で示す、といった作業を問わない出力の好み
プロジェクトそのプロジェクト内のチャットだけ表記ルール、校正の範囲、用語集のファイル

校正の前提はプロジェクトに置きます。カスタム指示に表記ルールを入れると、企画のアイデア出しやデータ整理を頼むチャットにまで校正のルールが効いてしまうからです。「文章校正」という名前のプロジェクトを作り、指示の欄に次を入れます。

このプロジェクトでは、貼り付けられた文章を校正します。

# 直す範囲
誤字脱字、表記ゆれ、敬語の誤り、文末の不統一のみ。それ以外は一字も変えない。

# 当社の表記ルール
- 補助動詞はひらがな:いただく、ください、いたします
- 送り仮名:お問い合わせ、お打ち合わせ、お申し込み、取り扱い
- 書類名:お見積書、ご請求書、納品書
- 数字は半角で桁区切りのカンマを入れる。金額は「1,200,000円」の形
- 日付は「2026年9月20日」の形。年は省略しない
- 相手の会社は「貴社」、自社は「弊社」。「御社」は書き言葉では使わない

# 出力形式
1. 修正一覧の表。列は 番号 / 変更前 / 変更後 / 理由
2. 金額・日付・社名・人名のうち確認が必要な箇所の一覧
3. 修正を反映した全文

設定後は、このプロジェクトの中でチャットを開き、文章を貼るだけで同じ基準の校正が返ります。表記ルールが数ページに及ぶ会社では、ルールをまとめた文書をプロジェクトにファイルとして追加し、指示の欄には「表記は追加したファイルの表記ルールに従う」と書きます。ルールが改訂されたらファイルを差し替えれば済み、プロンプトを直して回る必要がありません。

プロジェクトやカスタム指示、ファイルの添付は、プランや時期によって使える機能が異なるため、最新の仕様は公式情報で確認してください。プロジェクトが使えない環境では、基本のプロンプトと表記ルールを1つのテキストにまとめ、パソコンの辞書登録や定型文ツールに入れておくと、貼り付けは数秒で終わります。

長い文書を校正するときはどうする?

提案書や取引条件書のように数ページある文書を、チャット欄に全文貼って一度に校正させると、修正一覧が数十行になり、確認が雑になります。ChatGPTでは、ファイルの添付と、長い文書を別画面で編集するキャンバスを使い分けます。

ファイルを添付して章ごとに校正する

WordやPDFをそのまま添付し、表記ゆれの洗い出しと校正を分けて頼みます。表記ゆれは文書全体を見ないと見つからず、誤字や敬語は章ごとに見たほうが確認しやすいからです。先に送るのは次のプロンプトです。

添付の文書全体から、表記ゆれだけを洗い出してください。
同じ意味で表記が2通り以上ある語を、表記A / 表記B / それぞれの出現回数 / 出現する章 の表にしてください。
どちらに統一するかは私が決めるので、修正はまだしないでください。

一覧を見て方針を決めたら、「お見積書、お問い合わせに統一します。この方針で1章だけ校正し、修正一覧を出したら止まってください。私が次へと言ったら2章に進んでください」と続けます。章ごとに区切れば、1回の修正一覧は10〜20行ほどに収まります。

添付したファイルそのものが書き換わるわけではありません。修正はチャットに出てくるので、元のファイルには自分で反映します。PDFは文字の読み取りがずれることがあるため、元のWordファイルがあるならそちらを添付します。

キャンバスで一部分だけ直す

キャンバスを使うと、文章がチャットの横に1つの文書として開き、一部を選択してその範囲だけに指示を出せます。取引条件書の支払条件の段落だけ敬語を見てほしい、結びの一文だけ直したい、といった部分的な校正に向きます。

注意点は、キャンバスが文書を直接書き換えることです。変更前と変更後の対が手元に残りにくくなります。校正で使うなら、先にチャットで修正一覧を出させ、採用する行を決めてから「一覧の1、2、4番だけをキャンバスの文書に反映してください」と頼む順番にします。変更箇所を表示する機能が使える場合は、反映後にそれでも差分を確かめます。

校正がうまくいかないときの対処

症状考えられる原因対処
別の文章のように書き換わる直す範囲を書いていない。「読みやすく」と頼んでいる範囲を4つに限定し、それ以外は一字も変えないと書く
修正一覧と全文が食い違う長文で一覧から漏れた変更がある検算のプロンプトを送る。章ごとに分けて頼み直す
途中から表記ルールを守らなくなる1つのチャットが長くなりすぎた新しいチャットで開き直す。プロジェクトなら指示は引き継がれる
正しい製品名を誤字として直される社内用語や固有名詞を知らない「次の語は正しい表記なので変えない」と語のリストを渡す
敬語が丁寧になりすぎる相手との関係が伝わっていない相手と文書の種類を一文で伝える

敬語の行は、実際に書く一文を示しておきます。「相手は3年取引のある担当者です。丁寧ですが堅すぎない水準を保ち、現在の丁寧さを上げも下げもしないでください」と添えると、「ご確認ください」が「ご確認賜りますようお願い申し上げます」に変わるような過剰な修正が止まります。

固有名詞のリストは、プロジェクトの指示に入れておくと毎回渡さずに済みます。製品名、サービス名、部署名、よく登場する取引先の社名を10〜20語入れておくだけで、誤検出はかなり減ります。

営業の現場で校正をどの文書から始めるか、誰が最終確認するかといった運用は、営業の文章校正をAIで行う方法で扱っています。会社で使うツールがChatGPT以外の場合は、Googleドキュメントの原稿をそのまま見られるGeminiで文章を校正する手順と、長い報告書を丸ごと読ませやすいClaudeで文章を校正する手順が参考になります。

まとめ

ChatGPTの校正で確認するのは、全文ではなく修正一覧の表です。直す範囲を4つに限定し、変更前と変更後の対で出させ、金額や日付は要確認として人に回す。この形を一度プロジェクトに入れてしまえば、以後は文章を貼るだけで同じ基準の校正が返ります。

今日送る予定の社外メールを1通選び、基本のプロンプトにかけてください。修正一覧の中に採用したくない行が1つでも見つかれば、全文だけをコピーして送る使い方の危うさが実感できます。そのあとで、自社の表記ルールを5行だけ書き出し、プロジェクトの指示に入れるところまで進めると、2通目からは準備の時間がなくなります。

よくある質問

ChatGPTに校正を頼むと、文章を勝手に書き換えられませんか?

「校正してください」だけだと語順や言い回しまで変わることがあります。直す範囲を誤字脱字・表記ゆれ・敬語・文末に限定し、それ以外は一字も変えないと指示したうえで、修正箇所を変更前と変更後の対で出させると、意図しない書き換えに気づけます。

ChatGPTで長い文書を校正するにはどうすればよいですか?

WordやPDFのファイルを添付し、先に文書全体の表記ゆれだけを一覧にさせます。統一方針を決めてから、章ごとに区切って校正させると、修正一覧が短くなり確認が追いつきます。ファイル添付が使える範囲はプランや時期で異なるため、公式情報で確認してください。

社外メールをChatGPTに貼り付けて校正しても問題ありませんか?

取引先の個人名や未公表の金額などを入力してよいかは、会社のルールで決まります。判断がつかない場合は、社名をA社、金額を〇〇円のように置き換えてから貼り付け、校正後に元へ戻します。