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政府、第2期AI基本計画の案を決定した中身

政府、第2期AI基本計画の案を決定した中身

この記事の要点

高市内閣が人工知能戦略本部で第2期AI基本計画の案を決定。バーティカルAIとフィジカルAIへの官民集中投資を掲げる内容と企業への影響を解説する。

結論

高市総理は7月10日、総理大臣官邸で開いた第5回人工知能戦略本部で、第2期となる「AI基本計画」の案を決定した。柱に据えたのは「日本AX」と呼ぶ人工知能を前提とした社会変革で、産業構造改革につながる領域、人手不足解消につながる業務効率化の領域、防衛やサイバーなど戦略性の高い領域の3つに官民の投資を集中させる方針だ。企業にとっては、今すぐ新しい義務が生じるわけではないが、AI法をはじめとする関連制度の見直しが進む前提で、今後の規制動向を追う必要が出てくる。

いつ、誰が、何を決定したか

首相官邸の発表によると、令和8年7月10日に開かれた第5回人工知能戦略本部では、AI法に基づく基本計画の案と、バーティカルAI領域別戦略の中間とりまとめが議題になった。高市総理は会議の締めくくりで「本日、第2期『AI基本計画』の案を決定しました」と述べ、高性能AIが国力強化に直結する一方でサイバー攻撃への悪用など新たなリスクも懸念されると指摘した。

計画が重点分野に挙げたのは、AIロボティクスなど産業構造改革や国際競争力強化に資する領域、業務の効率化・負担軽減を通じて人手不足の解消につながる領域、防衛やサイバーなど戦略性のある領域の3つだ。これらの領域ごとに戦略を策定したうえで、「強く豊かな日本」投資枠を使った官民の集中投資を進める。小野田大臣を中心に関係省庁が連携し、人材育成やAI・データ連携基盤の構築といった共通課題にも取り組む方針が示された。フィジカルAIの分野では、赤澤大臣が国産の開発基盤づくりやAIロボットの量産投資、世界的な中核拠点の早期創設を進めるとしている。

あわせて、AIを前提とした規制や制度、運用ルールの抜本的な見直しを府省庁横断で進め、AI法を含む関連制度の能動的な見直しと、AIセーフティ・インスティテュートの機能強化を図るとした。国際面では、小野田大臣がAIサミットの早期日本開催に向けた調整を各国と進める。国内の国産AI開発では国産AI「Noetra」始動、経産省が3873億円支援のように既に大型投資が動いており、今回の計画はこうした個別施策を束ねる上位方針という位置づけになる。

高市総理は会議の締めくくりで、行政、産業、暮らしを創り変えるという意味を込めて「日本AX」を掲げ、「まずは行政から始める」と明言した。行政のAI活用を先行させたうえで、その成果を産業界や国民生活に広げていく順序を意識した発言といえる。外部の技術人材の登用も進め、諸外国に比肩する推進体制を整えるとしており、AI分野での専門人材が官公庁のプロジェクトに関わる機会も今後増えると見られる。

現場の実務にどう効くか

AI推進を担当する立場では、まず自社の事業領域が計画の3つの重点領域のどこに関わるかを確認しておくとよい。業務効率化や人手不足解消につながるAI活用は、今後の補助金や実証事業の対象になりやすい領域だ。中小企業がAI導入で使える支援制度の全体像は中小企業向けAI支援制度・補助金の活用ガイドにまとめている。デジタル庁が進める行政向けAI基盤の整備も、デジタル庁、国産AIを国産クラウドで実証のように具体化が始まっており、行政向けサービスを手がける企業は調達要件の変化を注視する必要がある。

規制や制度の見直しが府省庁横断で進む段階に入ったため、AI法の運用状況やガイドラインの改定は今後も定期的に確認したほうがよい。社内でAIガバナンスの体制を整える際は、国内法だけでなく海外の規制動向もあわせて把握しておくと、海外展開時の対応漏れを防ぎやすい。各国の規制の全体像は各国のAI規制の動向と企業が備えること、企業に求められる対応の考え方はAIガバナンスの最新トレンド 企業に求められる対応を参考にしてほしい。

製造業や物流、建設のように人手不足が深刻な業種では、業務効率化領域の重点投資が今後の補助制度に反映される可能性が高い。自社の業務プロセスのどこにAIロボティクスや自動化技術を組み込めば効率化につながるかを、計画の詳細が固まる前から整理しておくと、公募が始まった際に素早く応募できる。

想定される影響

現時点で決定したのは計画の案であり、正式な確定や具体的な予算配分は今後の手続きを経て決まる。罰則や義務を伴う規制強化ではなく、投資促進と規制見直しを両輪で進める方向性が示された段階だ。領域別戦略の詳細や補助制度の公募時期など、実務に直結する情報は今後順次公表される見込みで、最新の内容は内閣府や関係省庁の公式発表で確認する必要がある。

出典

よくある質問

第2期AI基本計画はいつ、どこで決まりましたか。

2026年7月10日、高市総理が総理大臣官邸で開いた第5回人工知能戦略本部で案が決定されました。閣議決定ではなく、AI戦略本部としての決定です。正式な計画確定は今後の手続きを経る見込みで、最新の状況は内閣府の公式発表で確認してほしい。

企業にとって具体的に何が変わりますか。

現時点で罰則や新たな義務が課されるわけではありません。ただしAI法を含む関連制度の見直しが進むため、AIロボティクスや業務効率化に関わる領域では、今後の補助制度や規制動向を継続して追う必要があります。