ツール別やり方ガイド

ChatGPTで1枚サマリーを作る手順:長い資料を会議用に圧縮する

ChatGPTで1枚サマリーを作る手順:長い資料を会議用に圧縮する

この記事の要点

ChatGPTで1枚サマリーを作るには、元資料を添付し、読み手・求める判断・字数の3点を先に指定します。経営会議向けの投資判断資料を例に、コピーして使えるプロンプト、別画面での推敲、型の固定、提出前の確認までを解説します。

結論

ChatGPTで1枚サマリーを作るときは、元資料を添付したうえで、読み手、読み手に求める判断、全体の字数の3点を最初の指示に書きます。この3点がない依頼は、元資料を上から順に縮めただけの文章になり、会議では使えません。初稿は数分で出るので、残りの時間を数値の突き合わせと結論の言い切り方の調整に回すと、30ページの資料でも目安として1時間以内に会議へ出せる形になります。

ChatGPTに任せられる作業と、人が持つ作業はどこで分かれるか

1枚サマリーの作業は、元資料を読む、要点を選ぶ、1枚の型に並べる、数値を確かめる、結論を言い切る、の5つに分けられます。ChatGPTが速いのは前の3つです。後ろの2つは提出者の責任で行います。

作業ChatGPT人
元資料を読んで論点を拾う得意。数十ページでも数分拾い漏れがないか目次と見比べる
読み手に合わせて要点を選ぶ読み手と目的を伝えれば対応できる読み手が誰で何を決めるのかを伝える
見出しと行数をそろえて1枚に並べる得意。型を渡せば毎回同じ形になる型を決める
金額・日付・固有名詞の正しさ誤ることがある元資料と1つずつ突き合わせる
結論の強さ、提案の言い切り方無難な表現に寄りがち提出者が決める

この分担を前提にすると、指示の出し方も変わります。ChatGPTには「考えてもらう」のではなく「選んで並べてもらう」依頼をし、選ぶ基準をこちらで渡します。

作る前に決めておく3つのこと

ChatGPTを開く前に、メモ帳に3行だけ書いておきます。

1行目は読み手です。経営会議のメンバーなのか、直属の部長なのか、他部門の担当者なのかで、残すべき情報が変わります。経営会議なら金額と回収の見込み、部長なら体制と日程、他部門なら自部門への影響が先に来ます。

2行目は、読み手にしてほしい判断です。「承認してほしい」「2案から選んでほしい」「状況を知っておいてほしい」のどれかを決めます。ここが曖昧なまま作ると、読み手に何も求めない資料ができあがります。

3行目は分量です。A4一枚に文章だけで収めるなら、本文は700字から900字が目安になります。表を1つ入れるなら600字程度に減らします。ChatGPTは「1枚で」と言われても紙の大きさを測れないので、字数と見出しごとの行数で伝えます。

ChatGPTで1枚サマリーを作る手順

全体の流れは次の6ステップです。

  1. 元資料をファイルで添付するか、本文を貼り付ける
  2. 章ごとの要点を先に抜き出させる
  3. 読み手・判断・字数を指定して1枚に組み立てさせる
  4. 別画面の編集機能で、気になる箇所だけ直す
  5. 元資料にない情報が混ざっていないか、ChatGPT自身に点検させる
  6. 人が数値と固有名詞を突き合わせ、WordやPowerPointに移して整える

ステップ1と2:資料を渡し、要点を先に抜き出させる

長い資料をいきなり1枚にさせると、前半の章ばかりが濃く反映されることがあります。先に章ごとの要点を一覧にさせ、その一覧を自分の目で確認してから1枚に組み立てると、後半にある費用やリスクの記述が落ちにくくなります。

添付した資料を、1枚サマリーにまとめる準備をします。
まだサマリーは書かないでください。

次の作業だけをお願いします。
1. 資料の章立てを、章番号と章タイトルで一覧にする
2. 各章について、要点を2行以内で書く
3. 資料に出てくる金額、日付、期間、件数をすべて抜き出し、
   どの章に書かれていたかを添えて表にする
4. 資料の中で結論や提案が書かれている箇所を、原文のまま引用する

資料に書かれていないことは補わず、不明な点は「記載なし」と書いてください。

3番目の数値の表は、最後の突き合わせでそのまま使えます。ここで抜けている数値があれば、サマリーに入る前に気づけます。

ステップ3:読み手・判断・字数を指定して組み立てる

要点の一覧に問題がなければ、同じ会話の中で1枚への組み立てを依頼します。見出しの型と行数をこちらで決めて渡すのが、ChatGPTで形を安定させる一番確実な方法です。具体的なプロンプトは、後の具体例の章に載せています。

ステップ4:別画面で部分的に直す

ChatGPTには、文書をチャットとは別の画面に開き、選んだ箇所だけを書き直させたり、自分で直接打ち直したりできる編集機能があります。1枚サマリーの推敲はこの画面と相性がよく、「効果の段落だけ2行に縮めて」「この文を言い切りの形にして」といった部分的な指示が出せます。

チャット欄で「全体を直して」と頼むと、直してほしくなかった段落まで書き換わります。確定した段落には触れさせず、気になる箇所だけを選んで直すほうが、結果として早く終わります。

ステップ5:ChatGPT自身に点検させる

いま作成した1枚サマリーを、添付の元資料と照らして点検してください。

1. サマリーに出てくる金額、日付、期間、件数、社名、人名を1つずつ挙げ、
   元資料の該当箇所と一致しているかを表にする
2. 元資料に書かれていないのにサマリーに入っている記述があれば、すべて挙げる
3. 元資料では条件付きで書かれているのに、
   サマリーでは断定になっている箇所があれば挙げる

問題がない項目も省略せず、全項目を表に載せてください。

この点検は人による確認の代わりにはなりません。それでも、桁の取り違えや「検討中」が「決定」に変わっているような箇所は、この段階でかなり見つかります。

ステップ6:人が確認し、体裁を整える

ChatGPTの出力をWordやPowerPointに貼り付け、見出しの書式と表の罫線を整えます。読み手が最初に見る結論の1行と、金額や期日は太字にします。数値の確認方法は、後の「提出前に人が確認すること」にまとめました。

具体例1:システム入れ替えの稟議資料を経営会議用の1枚にする

物流部門が作った、倉庫管理システムの入れ替えに関する32ページの検討資料を例にします。経営会議の持ち時間は10分で、事前配布できるのは1枚だけという状況です。

添付の検討資料をもとに、経営会議で配布する1枚サマリーを作成してください。

【読み手】
社長と役員。物流の現場やシステムの詳細には詳しくない。
関心は、投資額、回収の見込み、やらなかった場合の影響の3点。

【この資料で求める判断】
倉庫管理システム入れ替えの投資を、今期予算で承認してもらうこと。

【構成と行数】
1. お願いしたい判断 … 1行
2. 現状の問題 … 3行以内。現場の困りごとではなく、経営への影響で書く
3. 提案内容 … 3行以内
4. 投資額と効果 … 表にする。項目は、初期費用、年間費用、見込む効果、回収の見込み
5. 見送った場合の影響 … 2行以内
6. 主なリスクと対策 … 2項目まで
7. 承認後の日程 … 3つの節目を日付つきで

【条件】
- 全体で750字以内。表の中の文字も含める
- 金額、日付、件数は元資料の表記のまま使う。元資料にない数値は書かない
- 元資料に回収の見込みが書かれていない場合は、空欄にして「記載なし」と書く
- システムの専門用語は使わず、役員が読んでわかる言葉にする
- 文末は言い切りにする

この指示でよく起こるのが、「現状の問題」が現場の困りごとの羅列になることです。元資料を書いたのが現場の担当者なので、素材がそうなっているためです。次のように、視点を指定して書き直させます。

「現状の問題」を書き直してください。
いまの文章は、入力作業の手間や画面の使いにくさなど、現場の視点になっています。
役員が読む資料なので、出荷の遅れ、誤出荷による費用、
保守が切れる時期など、経営への影響として書いてください。
使ってよいのは元資料に書かれている事実だけです。3行以内でお願いします。

もう1つの落とし穴は、効果の欄です。元資料に「作業時間を削減できる見込み」としか書かれていないのに、サマリーの表では具体的な削減率が入っていることがあります。表の数値は必ず元資料の該当ページを開いて確かめます。

具体例2:展示会の出展結果を部長向けの1枚にする

元資料が1つの文書にまとまっていない場合もあります。展示会の出展結果を例にすると、手元にあるのは名刺の集計表、当日のメモ、費用の明細、アンケートの自由記述といった、ばらばらの素材です。ChatGPTには複数のファイルを同時に添付できるので、まとめて渡して1枚に組み立てさせます。

添付した4つのファイルは、先月出展した展示会の記録です。
名刺の集計表、当日の対応メモ、費用の明細、来場者アンケートの回答です。

これらをもとに、営業部長に提出する出展結果の1枚サマリーを作ってください。

【部長に判断してほしいこと】
来年も同じ展示会に出展するかどうか。

【構成】
1. 結論 … 来年の出展についての担当者の意見を1行で。
   ここは私が書くので「担当者記入欄」としておく
2. 数字で見る結果 … 表にする。名刺の獲得数、うち商談につながった数、費用の合計
3. うまくいった点 … 2つまで
4. 課題 … 2つまで
5. 来年出展する場合の改善案 … 3行以内

【条件】
- 全体で600字以内
- アンケートの自由記述は、似た意見をまとめて件数を添える
- 集計表と明細の数字が合わない箇所があれば、サマリーとは別に指摘する

結論の欄をあえて空けているのは、来年出るかどうかの意見はChatGPTに書かせるものではないからです。素材の整理と数字の集計までを任せ、意見の1行は自分で書きます。営業の現場で1枚資料を作る場面全般については営業の1枚サマリー資料をAIで作る方法でも扱っています。

毎回同じ型で出すには:プロジェクトとカスタム指示を使う

月次の経営会議のように、同じ型の1枚を繰り返し作る場合は、型を毎回貼り付けるのをやめます。ChatGPTには、関連する会話と資料をまとめておくプロジェクトの機能と、回答の前提をあらかじめ書いておけるカスタム指示があります。プロジェクトの指示欄に、自社の1枚サマリーの型を書いておきます。

このプロジェクトでは、経営会議に配布する1枚サマリーを作成します。

- 読み手は社長と役員。現場の詳細は知らない前提で書く
- 構成は、お願いしたい判断、現状の問題、提案内容、投資額と効果、
  見送った場合の影響、リスクと対策、日程の順
- 全体で750字以内。文末は言い切り
- 金額の単位は百万円、日付は年月日で書く
- 元資料にない数値や固有名詞は書かない。不明な点は「記載なし」とする
- サマリーの後に、使用した数値と元資料の該当箇所の対応表を必ず付ける

こうしておくと、次回からは資料を添付して「今月分を作成してください」と書くだけで同じ形の初稿が出ます。過去に会議で通った1枚があれば、それも見本としてプロジェクトに入れておくと、文の長さや言い切りの強さが近づきます。

プランや時期によって使える機能が異なるため、最新の仕様は公式情報で確認してください。同じ作業を他のツールで行う場合は、Geminiで1枚サマリーを作る手順とClaudeで1枚サマリーを作る手順にまとめています。

うまくいかないときの対処

起きること原因直し方
1枚に収まらない字数の指定がない、または「簡潔に」だけ全体の字数と見出しごとの行数を数字で指定する。削る順番も伝える
資料の前半ばかり反映される長い資料を一度に要約させている章ごとの要点を先に出させ、後半の章を指定して拾わせる
表現がぼやける元資料の「検討する」「可能性がある」をそのまま持ってきている言い切れる事実と、まだ決まっていないことを分けて書かせる
元資料にない数値が入る空欄を埋めようとして補っている「元資料にない数値は書かず、記載なしとする」と明記する
直すたびに他の段落も変わるチャットで全体の書き直しを頼んでいる別画面の編集機能で、直す箇所を選んで指示する

表現がぼやける問題には、次の一言が効きます。「このサマリーの各文を、決定済みの事実、見込み、未決定の3つに分類し、文末をそれぞれ、言い切り、見込みです、未定です、にそろえてください」。読み手が一番困るのは、決まったことと決まっていないことの区別がつかない資料です。

会話が長くなって指示が効かなくなってきたら、無理に続けないほうが早く済みます。その時点の最新版のサマリーをコピーし、新しい会話に元資料と一緒に渡して「この版を出発点に直します」と伝えます。

提出前に人が確認すること

経営会議に出す1枚は、数字が1つ違うだけで資料全体の信用を落とします。提出前の確認は次の順で行います。

  1. ステップ2で作らせた数値の一覧を横に置き、サマリー内の金額、日付、件数を1つずつ元資料のページと照らす
  2. 社名、製品名、部署名、人名の表記が元資料と同じかを見る
  3. 「決定」「合意済み」「完了」と書かれた箇所が、事実としてそうなっているかを関係者に確かめる
  4. 結論の1行を、自分の言葉で言い直せるか確かめる。言い直せないなら、その結論は自分のものになっていない

入力する資料の側にも注意が要ります。未公表の業績、取引先との契約条件、個人名が入った名簿などを含む資料は、会社が定めた生成AIの利用ルールで入力が認められているかを先に確かめます。認められていない場合は、該当部分を伏せるか、その部分だけ自分でまとめます。

サマリーの元になる報告書そのものを作る段階からChatGPTを使う場合は、ChatGPTで報告書を作る手順が参考になります。

まとめ

次に回ってくる会議資料を1つ選び、ChatGPTを開く前に、読み手、求める判断、字数の3行をメモに書くところから始めてください。資料を添付して章ごとの要点と数値の一覧を出させ、型と行数を指定して1枚に組み立て、別画面で気になる箇所だけを直します。会議で通った1枚ができたら、その型をプロジェクトの指示欄に登録しておくと、翌月からは資料を添付するだけで同じ形の初稿が出ます。

よくある質問

ChatGPTで1枚サマリーを作るとき、元の資料はどう渡せばよいですか?

WordやPDFなどのファイルを添付するか、本文を貼り付けて渡します。長い資料は章ごとに要点を抜き出させてから1枚に組み立てると、抜け漏れが減ります。機密情報や個人情報を含む資料は、社内ルールで入力が認められている範囲にとどめてください。

ChatGPTが作ったサマリーがA4一枚に収まらないときはどうすればよいですか?

字数の上限と各見出しの行数を数字で指定し直します。「全体を700字以内、各見出しは3行まで、削る順は背景、経緯、補足の順」のように、削る優先順位まで伝えると、結論や金額を残したまま短くなります。

ChatGPTの1枚サマリーをそのまま経営会議に出しても問題ありませんか?

そのまま出すのは避けてください。金額、日付、社名、担当者名は元資料と1つずつ突き合わせ、元資料にない数値が紛れ込んでいないかを人が確認します。ChatGPTの出力は初稿として扱い、結論の言い切り方は提出者が決めます。