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ChatGPTでチェックリストを作る手順:引き継ぎの抜けをなくす

ChatGPTでチェックリストを作る手順:引き継ぎの抜けをなくす

この記事の要点

ChatGPTでチェックリストを作るときは、作業を並べさせるより、誰が見ても同じ判断ができる文に直させるほうが効きます。営業事務の担当者交代を例に、初稿のプロンプト、印の付け方、25項目を15項目に絞る基準、Excelと紙への落とし方を解説します。

結論

ChatGPTにチェックリストを頼むときは、作業を並べさせるのではなく、誰が見ても同じ判断ができる文に直させます。業務の目的、使う人、時系列の区切り、外せない確認事項の4つを渡せば、25項目前後の初稿が目安として10分ほどで手元に届きます。どの項目を残すか、何をもって完了とするかは、その業務を実際に回している人が決めます。

次のプロンプトは、業務名と状況を差し替えればそのまま使えます。

以下の業務のチェックリストを作ってください。

【業務】営業事務の担当者交代にともなう引き継ぎ確認
【使う人】引き継ぎを受ける側の担当者。入社2年目で、この業務は未経験
【区切り】引き継ぎ前の準備 / 引き継ぎ期間の2週間 / 交代後1か月
【外せない確認事項】請求書の発行期限、基幹システムの権限、取引先ごとの個別ルール

【書き方の条件】
・1項目に確認は1つだけ。2つの確認を「および」でつながない
・「確認する」で終わらせず、何がどうなっていれば完了かを書く
・自分だけで判断できない項目には、誰に聞けば決まるかを添える
・全体で25項目以内。区切りごとの項目数が偏らないようにする
・私が伝えていない社内システム名や期限を、事実のように書かない

最後の条件を外すと、実在しない承認フローや「月末3営業日前まで」といった期限がもっともらしく混ざります。引き継ぎのチェックリストは新しい担当者がそのまま信じて動く文書なので、この一行は毎回入れてください。

使われないチェックリストは、どこで壊れているか

配ったのに使われないチェックリストには共通点があります。項目を読んでも、何を見れば済んだことになるのかが分からないという点です。

ありがちな書き方現場で起きること直した書き方
請求書の処理を確認する何を見れば済んだのか分からず、人によって解釈が変わる当月分の請求書が全件発行済みで、未発行の取引先が0件であることを一覧画面で見た
関係者に連絡する誰にどこまで伝えたかが残らない引き継ぎ対象の取引先12社すべてに、担当交代の連絡メールを送信済み
システムの設定を引き継ぐ範囲が広すぎて一度では終わらず、後回しになる新担当者が基幹システムにログインし、承認画面を自分で開けた
業務内容を理解する完了の判断が本人の主観になる月次の一連の作業を、前任者の同席なしで新担当者が1周した

右の列に共通するのは、判断する人が変わっても答えが変わらないことです。チェックを入れる人が新人でも派遣社員でも同じ結論になる文まで具体化して、はじめて確認したことになります。ChatGPTは指示がなければ左の列のような書き方を選ぶので、直させるところまでを作業に含めます。

ChatGPTでチェックリストを作る手順

ステップ1 対象の範囲を先に決める

引き継ぎのように範囲が広い業務ほど、どこからどこまでを1枚に収めるかを人が決めておく必要があります。営業事務の例なら、受注から請求までの定型業務だけを対象にし、人事手続きと備品の返却は別のリストにします。混ぜると項目が60を超え、誰も最後まで見ません。

範囲と一緒に、使う人の経験値も決めます。同じ業務でも、10年選手が念のため見るリストと、未経験者が初日に持つリストでは粒度が変わります。

ステップ2 条件を渡して初稿を出す

結論の直後に置いたプロンプトをそのまま使います。返ってきた初稿は、項目の並びと区切りだけを見て、大きな抜けがないかを確かめます。この段階で文の細かさを直しても、次のステップで全部書き直すので手戻りになります。

ステップ3 判断できる文に書き直させる

初稿の弱点は、ほぼ必ず言葉の曖昧さに出ます。

出してもらったチェックリストを、次のルールで書き直してください。

・各項目を「何を見て」「どうなっていれば完了か」の形にする
・「適切に」「きちんと」「必要に応じて」「漏れなく」は使わない。
  使いたくなったら、その基準を具体的に書くか、判断する人の役割を入れる
・確認に使う画面名、帳票名、ファイルの置き場所が必要な項目は、
  空欄にして「要記入」と書く。推測で埋めない
・1項目が2つの作業に分かれているものは、2項目に分ける
・書き直した結果、確認に3分以上かかりそうな項目には「長い」と付ける

「長い」と付いた項目は、たいてい確認ではなく作業そのものです。引き継ぎなら「取引先ごとの個別ルールを一覧にまとめる」が該当します。これはチェックリストから外し、作業として別に切り出します。チェックリストに作業が混ざると、確認のつもりで開いた人が手を止めることになります。

ステップ4 重要な項目に印を付けさせる

全項目が横並びだと、時間がないときに上から順に消化され、後ろにある致命的な項目が飛ばされます。

このチェックリストの項目に、次の基準で印を付けてください。

★★ 抜けると社外に影響が出る、または後から取り返せない
★  抜けると社内で手戻りが出る
印なし 抜けても当日中に気づいて直せる

【条件】
・★★は5項目以内に絞る。多いときは影響の大きい順に5つだけ残す
・★★を付けた理由を、抜けたときに何が起きるかで1行書く
・私の説明だけでは基準を判断できない項目は、印を付けずに質問として返す

5項目以内という上限が効きます。制限をかけないとChatGPTは半分近くに最上位の印を付け、印がない状態と変わらなくなります。返ってきた質問には自分で答えます。そこが、社内の事情を知らないと決められない部分です。

ステップ5 項目を削ってから配る

25項目の初稿を、そのまま配らないでください。削る基準は次の見出しにまとめます。

業務の手順そのものを文書にしたい場合は、ChatGPTで業務マニュアルを作る手順の進め方と組み合わせると、マニュアルとチェックリストの役割分担がはっきりします。

項目は何個まで絞ればいいですか

使う場面で決まります。倉庫で立ったまま数分で確認するなら15項目が上限に近く、机に向かって30分かけて点検する月次の締めなら40項目でも回ります。判断の目安として、確認にかかる時間が作業そのものの1割を超えると、忙しい日に省かれ始めます。

削るときの基準は3つです。手順書どおりに作業すれば必ず満たされる項目は、手順書側で担保できるので外します。同じ人が続けて行う2つの確認は1項目にまとめます。抜けてもその日のうちに気づいて直せる項目は、印なしの層ごと別紙に移します。

このチェックリストを15項目まで削ってください。

【削る基準】
・手順書どおりに作業すれば必ず満たされる項目は外す
・同じ人が同じ場面で続けて行う2項目は、1項目にまとめる
・抜けても当日中に気づいて直せる項目は外す

【条件】
・残した15項目と、外した項目を分けて出す
・外した項目には「手順書で担保」「まとめた」「影響が小さい」のどれで外したかを書く
・削ったことで見逃しが起きうる項目が1つでもあれば、それだけを指摘する

外した項目は捨てません。別紙にして、年に一度の棚卸しのときに見直します。1年運用して一度も使わなかった項目は、そこで正式に削除します。

具体例1:前任者の手元資料を添付して、書かれていない作業を出させる

引き継ぎで漏れるのは、前任者が意識せずにやっていた作業です。口頭のヒアリングでは出てきません。手元の資料を添付して、資料の側から拾わせます。

ChatGPTにはファイルを添付して読ませる機能があります。月次の作業メモ、Excelの管理台帳、共有フォルダの構成をテキストにしたものを渡します。取引先名や担当者名が入ったままのファイルを上げてよいかは社内ルール次第なので、判断がつかないときは名称をA社、B社に置き換えたものを用意してください。列の構成と作業の流れが残っていれば材料としては足ります。

添付したのは、退職する営業事務担当者が使っている月次の作業メモと管理台帳です。
社名はA社、B社に置き換えてありますが、列の構成と作業の順序は実際のものです。

このファイルから、次を読み取ってください。

1. メモに書かれている作業のうち、手順書には載っていなさそうなもの
2. 台帳の列のうち、誰かが手で入力しないと埋まらない列
3. 作業の順序から見て、期限が決まっていると推測できる作業
4. この資料だけでは、新担当者が判断できない箇所

【条件】
・推測で答えた箇所には、その旨を明記する
・4については、前任者に何を聞けばよいかを質問の形で書く

4番の質問リストが、前任者が在籍しているうちに聞くべきことになります。手で入力しないと埋まらない列は、前任者だけが知っている入力ルールが隠れている場所です。実際に引き継ぎで問題になるのは、この種の暗黙のルールが多く、チェックリストの項目に変えておく価値があります。

具体例2:プロジェクトに前提を置いて、半年ごとに作り直す

チェックリストは一度作って終わりではありません。システムが変わり、取引先が増えるたびに古くなります。毎回ゼロから説明し直さずに済むよう、前提を固定しておきます。

ChatGPTには会話をまとめておくプロジェクトという入れ物と、すべての会話に効くカスタム指示があります。引き継ぎのように何度も戻ってくる仕事では、案件ごとのプロジェクトを作り、そこに前提と資料を置くほうが他の話題と混ざりません。プランや時期によって使える機能が異なるため、最新の仕様は公式情報で確認してください。

プロジェクトに置く前提は、この程度で足ります。

このプロジェクトは、営業事務の引き継ぎチェックリストを維持するためのものです。
すべての回答で以下を守ってください。

【前提】
・従業員300名の卸売業。営業事務は4名で、担当は取引先ごとに分かれている
・受注はメールとFAX、請求は基幹システムから月末に一括発行
・チェックリストを使うのは、引き継ぎを受ける側の担当者

【守ってほしいこと】
・私が伝えていないシステム名、期限、金額を事実のように書かない
・項目は「何を見て」「どうなっていれば完了か」の形で書く
・「適切に」「きちんと」「必要に応じて」は使わない
・改訂するときは、前の版から変えた項目だけを先に一覧で示す

最後の一行が、更新作業を軽くします。半年後に「取引先が2社増え、請求の締め日が変わりました。チェックリストを更新してください」と頼むと、全文ではなく変更点から返ってきます。

長いチェックリストを何度も直すときは、会話の中に全文を出させず、長い文書を別画面で編集する機能を使うほうが読みやすくなります。本文が横に残るので、項目ごとの修正が会話の流れに埋もれません。

運用して漏れが出たときの直し方

チェックリストを使っていたのに漏れが出たとき、漏れた作業を項目として足すのは早すぎます。項目が増え続け、やがて誰も見なくなります。先に3つを確かめてください。

その項目はリストにあったか。なかったなら追加します。あったのにチェックが入っていなかったなら、なぜ飛ばされたのかを見ます。あって、チェックも入っていたのに漏れたなら、文が曖昧で、確認したつもりになれてしまったということです。この場合は追加ではなく書き直しです。

このチェックリストを使ったのに、次の漏れが起きました。

【起きたこと】新担当者への権限付与が済んでおらず、交代初日に承認が止まった
【そのときのリストの状態】「基幹システムの権限を引き継ぐ」という項目があり、
チェックは入っていた
【本人の説明】情報システム部門に申請した時点でチェックを入れた。
付与されたかどうかは見ていなかった

この事実から、次を出してください。

1. この項目のどこが、確認したつもりになれる書き方だったか
2. 同じことが起きないように書き直した項目文
3. このリストの中で、同じ弱点を持っている項目
4. 追加ではなく書き直しで済むかどうかの判断

項目数を増やさない前提で答えてください。

3番が、この頼み方の要点です。1か所で起きた見落としは、たいてい同じ書き方をした他の項目でも起きます。申請と完了を分けずに書いた項目は他にもあるはずで、まとめて直せば同じ事故の芽を一度に摘めます。

職種ごとの確認項目の作り方は、事務・アシスタントの業務チェックリストをAIで作る方法にまとめています。

ExcelやGoogleスプレッドシート、紙に配るときの整え方

チェックリストは配られた形で使われ方が決まります。ChatGPTには最終的な配布形式を伝えてから出力させてください。

表計算ソフトで運用するなら、列を先に決めます。区切り、番号、確認項目、完了の判断、担当、印、実施日、メモの8列あれば足ります。「このチェックリストを、列が 区切り / 番号 / 確認項目 / 完了の判断 / 担当 / 印 / 実施日 / メモ の表で出力してください。表の書式はそのまま表計算ソフトに貼り付けられる形にしてください」と頼むと、貼り付けてから整形し直す手間がなくなります。チェック欄は入力規則で済ませず、チェックボックスを置くと押し忘れが見えます。

紙で配るなら条件が変わります。1枚に収まる項目数まで削り、印は行の左端に置きます。右端に置くと、机の上で他の書類が重なったときに隠れます。印刷版では完了の判断を短い文にし、詳しい基準は裏面か手順書に逃がします。「A4用紙1枚に収まるように、各項目を40字以内に縮めてください。縮めた結果、判断が曖昧になる項目があれば指摘してください」と条件を付けると、縮めすぎた箇所を教えてくれます。

同じ内容を他のツールで作る手順は、Geminiでチェックリストを作る手順とClaudeでチェックリストを作る手順にまとめています。

うまくいかないときの対処

項目が教科書的で、自社の業務と合わない。 前提の情報が足りていません。使っているシステムの種類、月の件数、担当の分かれ方、過去に起きたトラブルを2、3行足すだけで、返ってくる項目の具体性が変わります。

同じような項目が何度も出る。 区切りの定義が重なっています。引き継ぎ期間と交代後1か月の境目を「前任者が同席するかどうか」のように一文で決めて渡し直してください。

削るよう頼むと、大事な項目まで消える。 削る前に印を付けさせ、「★★が付いた項目は削らない」という条件を加えます。順序を逆にすると、影響の大きい項目が真っ先に消えます。

人が確認してから配る

ChatGPTが出したチェックリストは、社内の誰の確認も通っていない下書きです。配る前に2つを踏みます。

その業務を今やっている人に、項目を上から読んでもらいます。「この確認を、今日の自分の作業でどうやって済ませますか」と聞くと、実際には見られない画面を指している項目や、判断できない文がその場で出ます。

印が付いた項目については、上長に見てもらいます。何が取り返しのつかない漏れなのかは、業務の担当者より管理する側のほうが正確に判断できます。ここで印の数が増えるようなら、リスト全体の項目数を見直す合図です。

まとめ

来月に引き継ぎが控えている業務を1つ選び、対象範囲と使う人の経験値を決めるところから始めてください。結論のプロンプトで25項目の初稿を出し、判断できる文に書き直させ、印を付けさせてから15項目に削ります。削った項目は別紙に残し、半年後の見直しで整理します。一度作った前提文とプロンプトはプロジェクトに置いておくと、次の引き継ぎでは業務名と区切りを差し替えるだけで使えます。

よくある質問

ChatGPTが作ったチェックリストの項目が抽象的で使えません

「確認する」で終わる項目が残っているのが原因です。各項目を「何を見て」「どうなっていれば完了か」の形に書き直させ、「適切に」「きちんと」「必要に応じて」という言葉を禁止すると、判断がぶれない文になります。確認に使う画面名や帳票名は推測で埋めさせず、空欄にして自分で記入してください。

チェックリストは何項目まで絞ればいいですか

使う場面で決まります。立ったまま数分で確認するなら15項目前後、机に向かって30分かけて点検するなら40項目でも運用できます。確認にかかる時間が作業そのものの1割を超えると省かれ始めるため、超えそうなら手順書で担保できる項目から外してください。

引き継ぎ資料をChatGPTに添付しても問題ありませんか

自社の生成AI利用ルールに従ってください。判断がつかないときは、取引先名や担当者名をA社、B社のような記号に置き換え、作業の流れと使うシステムの種類だけを残せば、チェックリストの材料としては足ります。入力してよい範囲は情報システム部門に先に確認するのが確実です。