Geminiでチェックリストを作る手順:展示会の準備を漏れなく
この記事の要点
Geminiでチェックリストを作るときは、時系列で区切り、1項目を誰が見ても同じ判断ができる文にさせると使われる表になります。展示会出展の準備を例に、初稿のプロンプト、昨年の報告書の読ませ方、印の付け方、スプレッドシートと当日の紙への落とし方を解説します。
結論
Geminiにチェックリストを頼むときは、時系列の区切りと、1項目が満たされたと判断する条件を先に指示します。展示会の出展準備なら、申込みから撤収までを5つの期間に分け、各期間で誰が何を見れば済んだと言えるかを書かせるところまでを一度に頼めます。初稿は目安として10分ほどで出ますが、去年の実態に合っているかを確かめるのは人の仕事です。
次のプロンプトは、イベント名と規模を差し替えればそのまま使えます。
展示会に出展するための準備チェックリストを作ってください。
【イベント】業界向けの展示会。3日間、自社ブースは小間2つ
【自社の体制】マーケティング担当2名が主担当。当日は営業4名が交代で立つ
【今の状況】出展は決定済み。開催まで10週間
【外せない確認事項】ブース装飾の製作期限、配布物の在庫、搬入の受付時間、
リードの取得方法と持ち帰り方
【区切り】申込み後の準備 / 製作と手配 / 前日の搬入 / 開催当日 / 撤収と事後対応
【項目の書き方】
・1項目に確認は1つだけ。2つの確認を1行にまとめない
・「準備する」で終わらせず、何がどうなっていれば完了かを書く
・期限が関わる項目には、いつまでにという欄を空けて「要記入」と書く
・私が伝えていない出展料、搬入時刻、主催者のルールを事実のように書かない
・全体で30項目以内
最後から2番目の条件を外すと、「搬入は前日の13時から」といった数字がもっともらしく混ざります。展示会は主催者が配る出展要項がすべての基準になるので、時刻と規定は要項を見て自分で埋めてください。
展示会のチェックリストは、どこで区切るのが使いやすいか
日付で均等に区切ると使いにくくなります。同じ日に、社内の承認を取る作業と、外部の業者に催促する作業と、当日の動線を決める作業が混ざるからです。担当者の動きが変わるところで切ると、開いたときに自分の出番かどうかがすぐ分かります。
| 区切り | この期間に決まること | チェックの性質 |
|---|---|---|
| 申込み後の準備 | 出展の目的、目標とする名刺の枚数、予算の枠 | 社内で合意が取れたかを見る |
| 製作と手配 | 装飾、配布物、機材、人の手配 | 外部への発注が期限内に済んだかを見る |
| 前日の搬入 | 現物が会場に揃い、ブースが立ち上がる | 現物の有無を目で見る |
| 開催当日 | 接客、リードの取得、在庫の補充 | 朝と夕に同じ項目を繰り返し見る |
| 撤収と事後対応 | 撤去、精算、名刺のデータ化、フォロー | 持ち帰るものと送るものを数える |
当日の欄だけは性質が違います。一度チェックして終わりではなく、3日間それぞれの朝と夕方に同じ項目を見るので、日付ごとに列を分けた表にします。Geminiに頼むときも「当日の項目は、1日目から3日目まで朝と夕の6回チェックできる形にしてください」と条件を足しておくと、作り直しになりません。
Geminiでチェックリストを作る手順
ステップ1 目的と、外せない4点を書き出す
チェックリストの前に、出展の目的を一文で決めます。名刺を集めるのか、既存顧客に新製品を見せるのか、採用の露出を取るのかで、当日の項目が入れ替わります。
外せない確認事項は4つ前後に絞って渡します。過去に困ったことを思い出すのが早い方法です。配布物が足りなくなった、電源の申請を忘れた、リードのデータが回収できなかった。実際に起きたことは、次も起きます。
ステップ2 初稿を出し、区切りの偏りだけを見る
結論のプロンプトをそのまま使います。返ってきた30項目は、文の細かさではなく、区切りごとの項目数の偏りを見ます。製作と手配の欄だけが15項目あり、撤収が2項目という初稿はよく出ます。撤収は忘れられやすい割に、精算と名刺の持ち帰りという取り返しのつかない作業が入っているので、ここが薄いまま進めないでください。
ステップ3 完了の判断がぶれない文に直させる
初稿の各項目を、次のルールで書き直してください。
・各項目を「何を数えて」「どの状態なら完了か」の形にする
・「手配する」「準備する」「確認する」で終わらせない。
発注なら発注書の番号、納品なら現物の数、承認なら承認した人の役職まで書く
・「適切に」「万全に」「なるべく」は使わない
・数量、時刻、金額が必要な箇所は空欄にして「要記入」と書く。推測で埋めない
・作業が2つ含まれている項目は、2行に割る
・社外の相手が関わる項目には、相手の区分を頭に付ける。
例として主催者、装飾業者、印刷会社のいずれかを書く
社外の相手を頭に付けさせると、催促すべき先が一目で分かります。展示会の準備で遅れるのは自社の中ではなく、外部の返事待ちの箇所です。装飾業者からの校正戻しが1日遅れると、製作の日程が全部ずれます。相手の区分が入っていれば、朝に一度リストを開くだけで、今日どこに電話すればよいかが決まります。
ステップ4 当日に響く項目へ印を付ける
各項目に、次の3段階で印を付けてください。
★★ 抜けると当日ブースが成立しない、または開催後には取り返せない
★ 抜けると当日に慌てるが、会場で何とかできる
印なし 抜けても後から対応できる
【条件】
・★★は6項目以内に絞る。多いときは影響の大きい順に6つだけ残す
・★★を付けた理由を、抜けたときに当日何が起きるかで1行書く
・私が渡した情報だけで基準を決められない項目は、質問として返す
6項目という上限を付けないと、展示会のように締切が多い業務では半分近くに最上位の印が付きます。印が多いリストは、印がないリストと同じです。
ステップ5 項目を絞ってから配る
30項目の初稿は、当日用と準備用に分けて削ります。分け方と基準は後の見出しにまとめます。
イベント全体の企画から考える場合は、社内イベント企画をAIで考える方法の進め方も参考になります。
具体例1:去年の報告書をドライブから読ませて、失敗を項目に変える
展示会は毎年ほぼ同じ手順を繰り返す業務です。去年の反省が引き継がれないまま同じ失敗が起きるのが、いちばんもったいない箇所になります。
Geminiは、GoogleドキュメントやGmail、ドライブと連携して、手元のファイルやメールを踏まえた回答を出せます。去年の出展報告書、精算の資料、当日の連絡が残ったメールを材料にすれば、一般論ではないチェックリストになります。連携できる範囲や指定の仕方はプランと時期によって異なるため、最新の仕様は公式情報で確認してください。連携を使わない場合は、報告書の本文を貼り付けても同じことができます。
昨年の展示会の出展報告書と精算資料を読んでください。
この2つから、次を出してください。
1. 報告書に書かれている反省点のうち、準備の段階で防げたもの
2. 精算資料から読み取れる、直前になって追加で発生した支出
3. 報告書には書かれていないが、支出の内訳から推測できる想定外の出来事
4. 上の1から3を、今年のチェックリストに入れるとしたらどの区切りの、
どんな項目文になるか
【条件】
・資料から読み取れない箇所は、推測であることを明記する
・項目文は「何を見て」「どうなっていれば完了か」の形で書く
・報告書に書かれていない金額や日付を、事実のように書かない
2番の追加支出が効きます。当日に買い足した延長コード、急ぎで刷った配布物、宅配便の追加料金。これらは報告書の反省欄には書かれませんが、精算の明細には残っています。明細から逆算すると、去年の準備で抜けた項目がそのまま出てきます。延長コードを買い足しているなら、今年のリストには「電源の口数と延長コードの本数が、ブースの機材台数に足りていることを搬入前に数えた」という項目が入ります。
社内の資料を読ませてよいかは自社のルールに従ってください。取引先の見積書や個人名が入った資料を扱うときは、名称を伏せたものを用意するか、情報システム部門に先に確認するのが確実です。
具体例2:Googleドキュメントに書き出して、当日の担当と分担する
展示会の当日は、マーケティング担当が全部を見て回れません。営業が交代で立つ以上、チェックリストは複数人で同時に使われます。
Geminiが作った内容はGoogleドキュメントに書き出せます。書き出した文書を当日のメンバーと共有すると、その場でコメントが付きます。「この時間はブースに人がいない」「名刺のスキャンは自分が持ち帰る」といった指摘は、作った本人では気づけません。
このチェックリストの当日の部分を、担当者ごとに分けてください。
【当日の体制】
・マーケティング担当1名。全体を見る。朝と夕の点検を担当
・営業4名。2名ずつ午前と午後で交代。接客とリードの取得を担当
・各日の終了後は、その日の午後担当がリードのデータを回収
【条件】
・「全員が見る項目」と「その役割の人だけが見る項目」を分ける
・営業向けの項目は、展示会の運営に慣れていない人でも判断できる文にする
・交代のときに引き継ぐ内容を、1つの項目にまとめて置く
・出力は、編集しやすいように文書の形にしてください
交代時の引き継ぎを1項目にまとめる指示を入れているのは、ここが最も漏れるからです。午前の担当が聞いた見込み客の話は、午後の担当に伝わらないまま終わります。引き継ぎ項目があれば、交代の2分だけは必ず共有されます。
文書の形で出しておくと、開催後にそのまま今年の記録として残せます。書式を整える手順はGeminiで文章の書式を整える手順にまとめています。
項目を絞る基準
準備期間のリストと当日のリストでは、絞り方が違います。
準備期間のものは、多少項目が多くても回ります。机に向かって週に一度見るので、25項目でも順に確認できます。削るのは、手順書や発注書の様式でそもそも担保されている項目です。発注書に納期欄があるなら、「納期を伝えたか」という項目は不要になります。
当日のリストは15項目が上限です。ブースに立ちながら見る紙なので、朝の点検が5分を超えると翌日には開かれなくなります。
このチェックリストの当日の部分を、朝と夕それぞれ8項目以内に絞ってください。
【絞る基準】
・抜けるとその場で接客が止まる項目を優先する
・準備段階のリストで確認済みのものは、当日に再確認しない
・数を数えるだけで済む項目は、複数をまとめて1項目にする
【条件】
・残した項目と、外した項目を分けて出す
・外した項目には、どの基準で外したかを1行で書く
・絞ったことで当日に見逃しが起きうる項目が1つでもあれば、それだけを指摘する
数を数える項目をまとめるという基準が、当日のリストではよく効きます。配布物、ノベルティ、名刺入れ、筆記具をそれぞれ1項目にすると4項目ですが、「配布物一式の残数を数え、翌日分が足りているか」の1項目で足ります。数える対象は表の別欄に書いておけば済みます。
当日に漏れが出たときの直し方
漏れた作業を項目として足すのは、いちばん最後にしてください。項目が毎年増え、3年後には誰も開かない表になります。
先に確かめるのは、その項目がリストにあったかどうかです。なかったなら追加します。あったのにチェックが入っていなかったなら、なぜ飛ばされたのかを見ます。項目の位置が悪かった、当日に見る紙に載っていなかった、担当が決まっていなかったのどれかです。あってチェックも入っていたのに漏れたなら、文が曖昧だったということで、追加ではなく書き直しになります。
展示会の当日に次の漏れが起きました。
【起きたこと】2日目の午後に配布物が切れ、終日ブースで配れなかった
【そのときのリストの状態】「配布物の残数を確認する」という項目があり、
2日目の朝にチェックが入っていた
【担当者の説明】朝の時点では箱に残りがあったので、足りると判断した
上の事実をもとに、次を出してください。
1. この項目文のどこに、判断の余地が残っていたか
2. 同じ見落としを防ぐ書き直し案
3. 在庫や数量を扱う他の項目のうち、同じ弱点があるもの
4. 項目を増やさずに直せるかどうかの結論
当日用の項目数は8項目のままにしてください。
残数を見るだけの項目は、たいていこの失敗をします。「残数が、その日の想定来場数で配り切れる量を上回っているか」まで書けば、判断が数の比較になります。3番で同じ弱点を持つ項目を出させると、在庫、電池、印刷物など似た書き方の項目がまとめて直せます。
スプレッドシートと当日の紙への落とし方
配る形を決めてから出力させると、貼り付けてから整え直す手間がなくなります。
Googleスプレッドシートで管理するなら、列を先に決めます。区切り、番号、確認項目、完了の判断、担当、社外の相手、期限、印、完了欄の9列で足ります。「この内容を、列が 区切り / 番号 / 確認項目 / 完了の判断 / 担当 / 社外の相手 / 期限 / 印 / 完了 の表で出してください」と指定すれば、そのまま貼り付けられます。完了欄はチェックボックスにし、期限の列でフィルタをかけると、今週やるべき項目だけを表示できます。Excelで管理する場合も列の考え方は同じです。
当日にブースで使う分は紙にします。画面を見ながら接客はできません。A4を1枚、朝の欄と夕の欄を左右に並べ、印は行の左端に置きます。「当日用として、A4用紙1枚に収まるよう各項目を35字以内に縮めてください。縮めた結果、判断が曖昧になる項目があれば指摘してください」と頼むと、縮めすぎた箇所を教えてくれます。紙は3日分を別々に刷り、日付と担当者名を手書きで入れる欄を残しておくと、撤収後にそのまま記録として残せます。
同じ業務を他のツールで進める手順は、ChatGPTでチェックリストを作る手順とCopilotでチェックリストを作る手順にまとめています。
よくつまずく点
どの展示会にも当てはまる無難な項目しか出ない。 出展の目的と、過去に困った実例が渡せていません。去年の反省を3つ書き添えるだけで、返ってくる項目が自社の話になります。
製作と手配の項目ばかり増える。 区切りごとの上限を指定してください。「1つの区切りは8項目まで」と条件を足すと、撤収や事後対応まで均等に埋まります。
期限の欄が勝手に埋まる。 主催者の出展要項に書かれた日程を渡していないと推測で埋まります。要項の日程を自分で貼り付けるか、空欄のままにさせて手で書き込んでください。
出展要項と当日のメンバーに当ててから配る
Geminiが出した内容は、主催者の規定も自社の予算枠も見ていない下書きです。配る前に2つを済ませます。
出展要項と突き合わせます。搬入の受付時間、火気や電源の規定、装飾の高さ制限は主催者ごとに違い、項目文に書かれた条件がそのまま違反になることがあります。要項の記載が優先です。
当日立つメンバーに、当日用の紙を読んでもらいます。「この項目を、接客しながらどうやって確認しますか」と聞くと、現実には見られない場所を指している項目が出ます。ここで出た指摘を直してから印刷してください。
まとめ
次に出展が決まっている展示会を1つ選び、出展の目的を一文で書き、去年困ったことを3つ思い出すところから始めてください。結論のプロンプトで30項目の初稿を出し、判断できる文に書き直させ、印を付けてから当日用を8項目まで絞ります。去年の報告書と精算資料が手元にあるなら、読ませて項目に変えるところまでを今日のうちに済ませておくと、10週間の準備が同じ表の上で進みます。
よくある質問
Geminiで作ったチェックリストをGoogleスプレッドシートで使えますか
使えます。列の構成を指定して表の形で出力させ、スプレッドシートに貼り付ければ、フィルタとチェックボックスをそのまま付けられます。Googleドキュメントやドライブとの連携の範囲は利用環境によって違うため、最新の仕様は公式情報で確認してください。
展示会のチェックリストはいつの時点で区切ればいいですか
担当者の動きが変わるところで切ります。出展申込みの前、搬入までの製作期間、前日の搬入、当日の運営、撤収と事後対応の5つが目安です。日付で機械的に区切ると、同じ日に性質の違う作業が混ざって使いにくくなります。
当日に漏れが出たら、項目を追加すればいいですか
追加の前に、その項目がリストにあったか、あったのに飛ばされたのかを確かめてください。あってチェックも入っていたのに漏れたなら、文が曖昧で確認したつもりになれる書き方だったということです。その場合は追加ではなく書き直しで直します。