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Claudeで用語集を作る手順:規程から社内の略語を洗い出す

Claudeで用語集を作る手順:規程から社内の略語を洗い出す

この記事の要点

Claudeで用語集を作るには、社内規程や工事仕様書をまとめて読ませ、説明なしで使われている略語を先に洗い出します。設備工事会社の全社用語集を例に、用例からの定義の起こし方、根拠の条番号での示させ方、更新の続け方をプロンプト付きで解説します。

結論

社内の略語は、誰かが書いた文書の中に必ず残っています。Claudeに社内規程や仕様書をまとめて読ませ、説明なしで使われている言葉を先に洗い出せば、記憶を頼りに候補を出すより抜けが少なくなります。洗い出した略語について、条文のどこでどう使われているかを引用させたうえで定義を起こし、根拠に条番号を併記させる。40語ほどの規模で、初稿は目安として1時間半ほどで形になります。

略語は、説明をやめた時点から通じなくなる

社内文書に略語が定着する過程は、どの会社も似ています。最初は正式名称と併記されている。数年すると併記が消える。やがて略語だけが残り、由来を知る人が異動する。残された文書を新任者が読むと、意味の分からない言葉が説明なしで並んでいます。

この記事では、社員500名の設備工事会社で、全社共通の用語集を作る場面を例にします。社内規程が20本ほどあり、工事ごとの施工要領書が蓄積されている。協力会社とのやりとりにも同じ略語が出てくるため、入社2年目の担当者が意味を取り違えて手戻りを出した、という出来事が発端です。

この会社で「是正」と言うと、検査で指摘を受けた箇所を直し、写真を添えた報告書を出して承認をもらうまでの一連の手続きを指します。言葉だけ見れば、誤りを正すという一般的な意味です。新任者はその意味で受け取り、直しただけで完了したと考える。Claudeに用語の意味を聞けば、同じく一般的な意味で答えます。規程を読ませない限り、社内での範囲までは出てきません。

資料をプロジェクトに登録し、書かせない条件を先に置く

Claudeには案件ごとに資料を登録しておくプロジェクトという入れ物があり、登録した文書は会話をまたいで参照されます。用語集は章ごと、部署ごとに何度も会話を重ねるため、最初に資料と条件を置いておくと途中で前提が崩れません。プランや時期によって使える機能が異なるため、最新の仕様は公式情報で確認してください。

登録するのは、社内規程のうち全社に適用されるもの、施工要領書を3件、協力会社に渡している手引き、過去の是正報告書を数件です。古い規程も外しません。今は使っていない略語が出てきたときに、いつまで使われていたかを知る手がかりになります。

このプロジェクトは、当社の全社共通の用語集を作るためのものです。
登録した資料は、社内規程20本、施工要領書3件、協力会社向けの手引き、
過去の是正報告書5件です。

【前提】
・設備工事会社。社員500名。工事部門、設計部門、品質保証部門、経理部門がある
・用語集を読むのは、新任者と、協力会社とやりとりする担当者
・文書は部署ごとに別の時期に作られており、言い回しがそろっていない

【守ってほしいこと】
・言葉の意味を、一般的な知識から推測して書かない
・定義は、登録した資料の中の用例からだけ起こす
・根拠として、規程名と条番号、または施工要領書の該当箇所を必ず併記する
・資料から読み取れない語は、定義せずに「用例から判断できない」と返す
・カッコを使った補足や英語の併記をしない。用語は文の中で言い直す
・私が伝えていない数値、期限、金額を書かない

根拠に条番号を求める条件が、この作業の土台になります。定義を確認する担当者は、示された条文だけを読めば正否を判断できます。条番号が空欄の定義は、Claudeが自分の知識で埋めた部分です。確認すべき箇所が目で分かる状態にしておくと、部署をまたいだレビューが回ります。

具体例1:規程を章ごとに読ませ、説明なしの略語を抜き出す

規程20本を一度に読ませて一覧を出させると、後半が雑になります。章ごとに区切り、章単位で一覧を出させてから統合します。

登録した資料のうち、「品質管理規程」の第3章だけを読んでください。

【やってほしいこと】
この章の中で、初出時に正式名称や説明がないまま使われている言葉を抜き出してください。

【抜き出す対象】
1. 略語や短縮した言い方
2. 一般的な言葉だが、この規程では特定の手続きを指していると読めるもの
3. 帳票、会議体、検査工程の固有の呼び名
4. 他の規程を参照しているが、参照先に定義が見当たらない言葉

【出力形式】
表にしてください。列は次の5つです。
・言葉
・分類
・この章での用例を、条文のままの一文で1つ
・条番号
・一般的な意味で読んでも文意が通ってしまうかどうか

【条件】
・この段階では定義を書かない。抜き出して並べるだけにする
・同じ言葉が複数の条で出てくる場合は、最も用法が分かる一文を選ぶ
・一般的な語としか読めないものは対象に含めない

最後から2番目の列が、この作業で一番使う情報です。一般的な意味でも読めてしまう言葉は、新任者が誤解したまま数か月過ごし、手戻りが出てから気づかれます。設備工事会社の例では「是正」「立会」「検収」「引渡し前検査」「別紙の指定」がここに並びました。

章ごとの一覧が20本分そろったら、統合させます。

これまでに章ごとに出した略語の一覧を、1つの表に統合してください。

【条件】
・同じ言葉は1行にまとめ、出典の条番号をすべて併記する
・複数の規程にまたがって出てくる語には、その旨の印をつける
・1本の規程にしか出てこない語は、規程名を残したまま別の区分にする
・登場回数の多い順に並べる
・この段階でも定義は書かない

複数の規程にまたがる語が、全社用語集に載せるべき言葉です。1本にしか出てこない語は、その規程を読む人向けの注記で足ります。全部を載せると200語を超えて誰も読まなくなるので、ここで絞ります。絞る判断は人がします。

具体例2:用例から定義を起こし、一般的な意味と分けて別画面に出す

収録する語が決まったら、定義を書かせます。一般的な意味と社内での意味を同じ文に混ぜると、読む人がどちらを信じるか分からなくなるため、欄を分けます。

Claudeには成果物を会話とは別の画面に出す機能があり、用語集のように何度も部分修正する文書ではここが効きます。会話の中に長文を出させると、1語直すたびに全文が出力し直され、確認済みの定義まで書き換わったかどうかを見比べる手間が生まれます。

確定した40語について、用語集の本体を別画面の文書として出力してください。

【各用語の出力形式】
・言葉
・世の中で一般に使われる意味 … 1文。当社の事情を入れない
・当社での意味 … 2文以内。登録した資料の用例から読み取れる範囲だけ
・一般的な意味との違い … 違いがある場合のみ、どこが違うかを1文で
・この言葉が出てくる場面 … 1文
・根拠 … 規程名と条番号、または施工要領書の該当箇所

【条件】
・当社での意味を用例から読み取れない語は、その欄を空欄にし、
  「確認が必要」と書く
・一般的な意味の欄で確信が持てない語には「要確認」と書く
・五十音順に並べる
・見出しは言葉そのものだけにし、説明を見出しに入れない

「一般的な意味との違い」の欄が、そのまま新任者向けの注意書きになります。是正の項に「一般には誤りを正すことを指すが、当社では報告書の承認までを含む」と一行あるかどうかで、読んだ人の行動が変わります。

別画面に出した文書の体裁を整える作業はClaudeで書式を整える手順にまとめています。

部署ごとに意味が違う略語をどう載せるか

規程を横断して読ませると、部署間のずれが必ず出ます。設備工事会社の例では「検収」でした。工事部門では、施工が完了して発注者の確認が済んだ状態を指します。経理部門では、請求処理を始める前提となる書類が受領された状態を指します。工事は終わっているのに検収が上がっていない、という会話はこのずれから生まれます。

収録する40語のうち、部署によって指す範囲が違う疑いがある語を探してください。

【探し方】
・同じ言葉が、異なる部署が所管する規程の中で、異なる状態や行為を指していないか調べる
・所管部署は、規程の表紙または制定の条項から判断する

【見つかった語の出力形式】
・言葉
・部署ごとの指す範囲と、それぞれの条番号
・両者が食い違ったときに現場で起きることを1つ
・用語集にどう載せるべきかの案を2つ。それぞれの利点と難点も書く

【条件】
・どちらが正しいかを決めない
・片方の規程にしか用例がない語は、判断せずに確認事項として返す

載せ方の案を2つ出させると、議論が進みます。1つの見出しに両方の意味を並べる案と、見出しに部署名を付けて「検収・工事部門」「検収・経理部門」と項目を分ける案では、読みやすさと正確さの釣り合いが変わります。どちらを採るかは、用語集を誰が一番読むかで決まります。判断は用語集の所管部署が行い、決まった内容を規程の改定につなげるかどうかは別の話として扱います。

読む人に合わせて粒度を変える

同じ40語でも、読み手によって必要な説明の量が違います。

読み手定義の長さ添えるもの
入社したばかりの担当者50字以内どの場面で耳にするか
協力会社の現場責任者50字以内社外に出してよい範囲の注記
他部署から異動した社員80字以内前部署との意味の違い
規程を改定する担当者制限なし根拠の条番号をすべて併記

粒度を変えるときは、定義を作り直させず、根拠を固定したまま書き換えさせます。

別画面の用語集の定義を、協力会社の現場責任者向けに書き換えてください。

【条件】
・各定義は50字以内
・当社の内部手続きの名前をそのまま使わず、相手の作業から見た説明にする
・社外に出すと差し支えのある語には印をつけ、理由を1行添える
・根拠の欄は変更せず、そのまま残す
・削った情報は別の一覧にまとめる。社内版で使う

社外に出せない語を機械的に拾わせるのではなく、印と理由を出させて人が判断します。原価の考え方や社内の承認経路に触れる語は、説明を短くするだけでは足りず、載せない判断が要ります。手順そのものを文書にする作業はClaudeで業務マニュアルを作る手順と合わせて進めると、用語集と手順書で言葉がそろいます。

うまくいかないときの対処

条番号が示されない定義が混ざる。 会話が長くなると前提の指示が弱まります。定義を書かせる直前に条件を書き添え、出力後に根拠の空欄だけを抜き出して別の会話でやり直します。

条文の言い回しをそのまま写した定義になる。 規程の文語をそのまま出されると新任者には読めません。「この定義を、入社1年目の担当者が口頭で説明できる言い方に直してください。根拠の条番号は変えないでください」と頼みます。

もう使われていない略語が混ざる。 古い規程から拾った語です。「この語が出てくる資料の制定年を並べてください」と聞き、直近3年の文書に出てこない語は現行の用語集から外して、過去文書を読む人向けの別表に移します。

40語を超えたあたりから定義の質が落ちる。 20語ずつに区切ります。区切る単位は五十音ではなく、所管部署で分けるほうが、確認を頼む相手と一致して手間が減ります。

人の確認と、更新を止めない運用

Claudeが出した定義は、条文から読み取った推測を含みます。確定の前に所管部署の担当者が根拠の条文を読み、運用と合っているかを見る。この一段を省くと、規程の文言だけから作られた用語集ができ、現場の実態と食い違ったまま全社に配られます。

更新は、規程の改定に紐づけます。規程を改定する手続きの中に「この改定で定義が変わる用語があるか確認する」という一項を入れておくと、用語集だけが取り残されません。改定のたびに、改定前後の規程を両方読ませ、「この改定で定義を直す必要がある語を挙げてください」と頼みます。全面改訂は誰も着手しないので、直す語を10語以内に絞って出させるほうが実際に更新されます。

新しい略語は、現場から拾います。新任者に、入社3か月の時点で「読んでも分からなかった言葉」を挙げてもらう仕組みを作ると、書いた人には見えない穴が毎年届きます。他のツールで同じ作業を進める手順は、ChatGPTで用語集を作る手順とCopilotで用語集を作る手順にまとめています。

まとめ

全社に適用される規程を3本選び、Claudeのプロジェクトに登録するところから始めてください。章ごとに読ませて説明なしの略語を抜き出し、一般的な意味でも読めてしまう語に印をつけさせます。印のついた語が、手戻りの原因になっている言葉です。定義は用例から起こさせ、根拠の条番号を必ず併記させたうえで、所管部署に条文と突き合わせてもらいます。ここで作った前提文とプロンプトを残しておけば、次の規程改定のときは資料を差し替えるだけで更新の会話を始められます。

よくある質問

Claudeに社内規程をまとめて読ませて略語を洗い出せますか?

長い文書を読み込ませ、説明なしで使われている略語や社内固有の言い回しを抜き出す作業を頼めます。扱える分量はプランや時期によって異なるため、最新の仕様は公式情報で確認してください。規程が長い場合は章ごとに読ませ、章単位で一覧を出してから統合すると抜けが減ります。

Claudeが書いた社内用語の定義は信用できますか?

資料の用例から起こさせた定義なら出発点として使えますが、そのままは使えません。Claudeは条文の言い回しから意味を推測するため、運用上そう扱っていない箇所が混ざります。根拠として示された条番号を担当部署が確認し、実際の運用と合っているかを見てもらってから確定してください。

社内規程や工事の仕様書をClaudeに入力してよいですか?

自社の生成AI利用ルールに従ってください。判断がつかない場合は、取引先名と物件名を記号に置き換えた版を作れば、略語の洗い出しには足ります。どの文書をどこまで入力してよいかは、情報システム部門と文書を管理している部署に先に確認してください。